スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』

2008年2月19日 カテゴリ:忙中閑あり?

「博多座バスツアー」が、毎回好評のようだ。
バスで現地まで往復できて、公演を良い席で見られて、
同行のパーソナリティーの裏側もちょっとのぞける(?)
 
一度、そのバスツアーに変装して(関係者にみつからないように)
乗り込みたいものである。ε=┌(・_・)┘
 
さて、
博多座の4月公演は『スーパー歌舞伎 ヤマトタケル』。
久しぶりのスーパー歌舞伎ということもあって、
前売券の売れ行き(勢い)もいいらしい。
 
スーパー歌舞伎には、いくつか演目があるが、
おそらく一番有名なのが、この演目『ヤマトタケル』だろう。
 
久しぶりに観たいな~!!!(〃▽〃)
 
学生のころ、
京都の南座で『ヤマトタケル』を観たことがある。
市川猿之助さんが、スーパー歌舞伎を始めて間もないころで、
南座も、先代の建物だった。(新しくなってからはいっていないが…。
私は、この南座が大好き♪だった。)
 
歌舞伎をベースにしたエンターティメントに魅了されたものだ。
ひとつひとつの動きが、歌舞伎の基礎があるからこそ
美しいのだろうと思う。
 
例えば、ヤマトタケルが炎に囲まれるシーン。
布と照明で表現するのだが、その扱い方や、
兵が討ち取られた際に後方にトンボを切って下がったり、
・・・ずいぶんと前のことなのに、記憶が鮮やかに蘇る。
 
もう一つ、注目したのが、市川笑也さん(二代目市川笑也)だ。
彼は、梨園に生まれた人ではない。
当時、一般にも広く門戸を開いて、
歌舞伎俳優を養成しようという動きがあったが、
正直、彼はその、国立劇場第五期歌舞伎俳優養成所の出身だ。
その彼が、スーパー歌舞伎でヒロインに抜擢され、
一躍スターの座を獲得した。
 
これは、すごいことなのだと思う。
私は、この1点だけでも、
市川猿之助さんという人物に会ってみたいと思った。( ´∀`)
 
正直、梨園に生まれていない人が「役」につくのは難しい。
伝統芸能の中では、どんなに実力があっても、
おのずと「天井」が決まっている場合がある。
 
これは、たとえば、映画の世界にも似たことがあって、
故・川谷拓三さんが、「大部屋俳優」出身で
スターダムに上っていったことが、特筆事項であることを思い出す。
 
本人の力がもちろん一番大切だが、
それだけでは突破できない壁も天井もあるのだろうと思う。
 
川谷さんを抜擢した映画監督さんのように、
市川笑也さんにも、扉をたたけば答えてくれ、
それを開くチャンスをくれる「周り」があったのだろう。
 
そして、そのチャンスを生かしたのは、本人であることは間違いない。
 
当時、まだ学生だった私は、なんだか猛烈に感動したのだった。
そして、今でも、スーパー歌舞伎といえば、
そのエピソードを思い出すのだ。(´¬`)
 
今回、もちろん、あの美しい声の、
美しい立ち居振る舞いの、笑也さんは、兄橘姫役で登場します。
 
ヤマトタケルは、市川右近さんと市川段治郎さんのダブルキャスト。
 
…やはり、行こうかな…。(( ̄ー* ̄)ニヤリ)