KRY山口放送のパーソナリティー「北川 加寿美」のブログです。

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自粛ムードの中で思うこと

あなたは大家族の一員です。
20人くらいの大所帯だとしましょう。
いろんな年齢の人がいます。
その中の10人が動けなくなりました。
あなたは、残りの10人の中にいます。
あなたは何をしますか?
あなたが大人ならお世話を、
あなたが子どもなら、癒しと元気を、
きっとそれが役目。
しばらくは家族揃ってのレジャーはありません。
でも、
あなたが学生なら学校へ、
アルバイトが出来るならアルバイトを、
仕事に行けるなら仕事へ行かなくては。
いまはあなたが稼ぐしかないのですから。
動けない人のそばでドンチャン騒ぎをすることはやめたいですね。
ただ、
動けない人のそばで一緒に動けない状態でいるのは、
はじめのうちだけにしておきませんか?
自分たちのために学校を休ませてしまったと
負い目を感じさせては本末転倒。
そして、
動けない人が動けるようになったとき、
働ける場所、学べる場所、
立ち直るためにもリラックスできる状況を
つくっておかなければいけないのではないかと思うのです。
人間ですから、
自分は安全でよかった、とか、
なんで自分だけが、とか、
どうしても思ってしまうと思う。
だけど、大切なのは、その後、ではないですか?
自分が動けることに負い目を感じて動かないというのは、
やっぱり前向きではないと思うのです。
家族みんなが元気になれるように、
出来ることを出来ることから。
なんでもかんでも自粛して、
元気を引っ張っていく役目を放棄してしまわないように。
他人事にならないように、
気持ちに寄り添えるように、
その上で自分の役割を考えていきませんか?
 
***
 
「あの日」から3週間が過ぎました。
 
東日本大震災でお亡くなりになられた方に
心からお悔やみ申し上げます。
 
いまも辛い日々を余儀なくされている方々に
お見舞い申し上げます。
 
いま、日本を包むスローガンは 『がんばろう 日本』。
 
「ガンバレ」ではなく、
「頑張ろう」という言葉には、きっと、
「一緒に」「ともに」という気持ちがこめられていると思っています。
 
 
私には、医療の技術も、多くの義援金を送る力もありません、
心を寄り添わせていても、当事者の方々からすれば、
それは到底及ばないものかもしれません。
 
 
何を言っても、何を書いても、
何かが違うような、
 
そんな気がして、
だからブログも自粛していたのですが。
 
今日、
新年度スタートにあたって、
誤解を怖れずに、ここに書かせていただきました。
 
来年のいまごろ、
ひとりでも多くの人たちが、
桜の季節を楽しんでいることができますように。
 
 
祈りをこめて。
 
 
2011年春
 
                   北川かす美