ちひろとみすゞTime

毎週日曜日 午後2:30~3:00

日曜午後のリフレッシュTime

あなたにとって日曜日は、一週間の終わり?それとも始まり?
いろんな思いが交差する日曜日の午後のひとときに、
金子みすゞの詩を歌い語るシンガーソングライターちひろが
やさしい陽だまりのようなみすゞさんの心を、ゆったりとお届けします。
あなたの心に寄り添ってくれるみすゞさんの詩に出会えますように。

ちひろとみすゞの朗読Time

1月26日にご紹介した金子みすゞの詩

『雀のお宿』
 金子みすゞさんの全512編の中には、5編ほどおとぎ話のつづきを描いた作品があります。その一つは『舌切り雀』のお話です。舌を切られた小雀の、宿での様子を描いているんです。おとぎ話では雀のお宿の描写はありませんが、みすゞさんは宿に帰った時のお父さん雀、お母さん雀の優しさに触れています。
 
 見えないところを見つめるみすゞさんならではの優しい物語。でも、舌を切られた小雀の舌は、やっぱりそのままなのは仕方のないこと。そこも、みすゞさんはそのままに受け止めています。ぜひ、5編のつづきのお話から、人のやさしさや思いやり、そして教訓を味わってみてください。

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作曲から見えてくるもの

2025年01月23日

 私の仕事の中には、楽曲制作もありますが、先に歌詞が完成していてそれに曲をつけてほしいという依頼が多いです。よく、曲が先に作られてその後に詩が完成すると思われがちですが、私は金子みすゞさんの詩に出会ってから、自分は詩があって、それに曲をつける作曲が向いていることが分かりました。
 
 先日も、金子みすゞさんと同郷の長門市仙崎生まれの作詞家・大津あきらの詩にまだ曲がついていない作品を作曲する依頼がありました。大津あきらさんは、中村雅俊「心の色」、高橋真梨子「for you…」、徳永英明「輝きながら」の作詞を手掛けられた、ヒットソングを沢山生み出した方です。
 
 今回、その作品に曲をつけて改めて思ったことがあります。それは、作曲をしていくと、その詩の素晴らしさに気づかされるということです。大津あきらの作品は、既に曲がついているものばかりなので、これまで詩のみを味わうことはありませんでした。ですが今回初めて詩をそのままに味わいながら作曲していくと、改めて、大津あきらの言葉のセンス、思いの深さ、作詞家としての大きな魅力、器の大きさに感動したのです。
 
 金子みすゞさんと同じ故郷仙崎というのも大きな影響を与えていたのだと思いますが、あの小さな港町から、二人の素晴らしい作家が生まれていること。これは本当にすごいことだと思います。
 
 こうした素晴らしい詩人と作詞家の作品に作曲させていただくことを光栄に思いますが、作品を生み出す背景には人生の見つめ方が大いに影響します。
 
 これからも素敵な作品との出会いのためにも、自分自身の生き方、見つめ方、大切に育んでいこうと思います。
 
 また、私のコンサートでは大津あきら作品も歌っているので、ぜひコンサートも聴きに来てくださいね。またラジオでも、いろんなエピソードもお話出来たらと思っています。


出演者

ちひろ

シンガーソングライター

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