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Carole King

2022年05月16日

定番中の定番、1971年、キャロル・キング「つづれおり(Tapestry)」。おそらくほとんどの女性シンガーが影響を受けたであろう名盤です。このアルバムを聴いてシンガーになりたい…と思った女性は世界中にたくさんいらっしゃることでしょう。完璧の1枚です。12曲収録されたこのアルバムの各曲がすべてシングルヒットするであろう名曲です。女性シンガーソングライターの開拓者、そして確立した功労者等…称賛される作品です。
 
1958年、16歳でデビュー、今年80歳。飾り気のない雰囲気で、とても自然体な感じで演奏し歌う…まさにナチュラル・ウーマン。各楽曲の歌はもちろん、各楽器の存在感、演奏スタイル等、アレンジもカッコよくその後の演奏者は影響を受けたことでしょう。レコーディングにはジョニ・ミッチェル、ジェイムス・テイラー、ダニー・コーチマー、ラス・カンケル等その後のウエストコーストサウンドをけん引する名前が連なる。とにかく一家に1枚の作品であります。個人的にはアルバムのジャケット、カバーデザインの猫とキャロル・キングの何気ない写真が気に入っています。LPレコードを自宅の壁に額装して飾っています。
 
1995年には「つづれおり~キャロル・キング・トリビュート(Tapestry Revisited: A Tribute to Carole King)」と題したトリビュートアルバムがリリースされます。ロッド・スチュワート、フェイス・ヒル、セリーヌ・ディオン、ビージーズ等が素晴らしいカバーを聴かせてくれています。それぞれのミュージシャンがこの作品への思いが音で現れている。極上のトリビュートに仕上がっています。オリジナル・アルバムとあわせて聴いていただきたいと思います。プレゼントにも最適でしょう。
 
さて次回はこれも定番中の定番「サイモン&ガーファンクル」登場です。お楽しみに。そしてお知らせです。KRYラジオ毎週日曜日夕方5時半から放送の、「亀淵昭信のお宝POPS」(全国ネット)に私、山根由紀夫登場します。是非聞いてください。あの亀淵さんですよ。びっくりです。
 
 
【今回オンエア】
去り行く恋人 So Far Away 
It's Too Late  
君の友達 You've Got A Friend  
Home Again   
Will You Love Me Tomorrow?
A Natural Woman

 

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DIO

2022年05月09日

Ronnie James Dioを生で観たのはRAINBOWの初来日。広島市公会堂、今の広島国際会議場。17歳の頃でした。ステージに大きな虹がセットされたあの時代です。バックドロップには「銀嶺の覇者」「虹を翔る覇者」、レインボーの1st、2ndのジャケットが観客に向かって凄い威圧感を与える、ものすごいライブでした。ドラムはもちろんコージー・パウエル。この様子は1977年のミュンヘンのライブがオフィシャルで出ているので確認していただきたいです。
 
ロニーはELFというバンドでDEEP PURPLEの前座をしていました。その後リッチー・ブラックモアに誘われ…というのは有名な話。レインボーで3枚のアルバムをリリース後に何故か脱退…ブラック・サバスに加入…一体何があったのだろうかと心配したのは俺だけではないでしょう。それなりに成功はするのですが、サバス時代のヴィニー・アピスを伴い新しく「DIO」を結成。他のメンバーは、ギタリストにアイルランド出身のヴィヴィアン・キャンベル、そしてレインボー時代のベーシスト、ジミー・ベイン。時代はヘヴィーメタル・ムーブメント。そのクオリティーとキャリアの後押しもあり、受けまくり。1983年「情念の炎~ホーリィ・ダイヴァー」'84年「ラスト・イン・ライン」'85年「セイクレッド・ハート」という歴史的作品を次々にリリース。シーンの中心的バンドとなります。サウンド的には、アメリカ出身ですがレインボー時代のなごりか、リッチー・ブラックモアと同じように16世紀のヨーロッパをイメージさせる様式美を感じさせる楽曲が多い。ロード・オブ・リングのような感じです。それだけではなく、そこにある意味アメリカン・ハードのようなアレンジも感じます。これはやはり多少の「売れるため」の作戦でしょう。
 
まぁとにかく歌が強烈…ものすごい歌唱力、そして世界観…。そしてバブル期もあってかなりの売り上げを出しますが、看板ギタリストのヴィヴィアン・キャンベルが脱退、クレイグ・ゴールディ等が加入しますが、サウンドの変化もありその後のアルバムはあまりパッとしません。個人的には2002年の元ライオン、バッドムーン・ライジングのダグ・アルドリッチ加入のアルバム「キリング・ザ・ドラゴン」は原点回帰的で好きな作品です。後にホワイトスネイクに加入する、このダグ・アルドリッチはもっと評価されていいギタリストです。テクニックは勿論、カッコイイのです。
 
さて、ロニーはブラックサバス時代のメンバーとDIOと並行してヘヴン・アンド・ヘルを結成…コマーシャルリズムのかけらもないダークなハードロックを展開、これが大当たり。世界的に支持されます。しかしロニーが病気により他界…。
 
お薦めの映像作品があります。ひとつは1986年の「セイクレッド・ハート・ライブ」デカいドラゴンが動くステージセットが強烈。そして2007年のHEAVEN&HELLのライブ…最高です。ロニーの残した多くの軌跡、未だにその人気は衰えてはいません。レジェンドです。この方の歌を聴くとワクワクします。
 
さて次回は、ガラッと雰囲気を変えます。1971年キャロル・キングの「タペストリー」です。定番中の定番ですが改めて聴いて下さい。
 
 
【今回オンエア】
ROCK'N' ROLL CHILDREN
THE LAST IN LINE
RAINBOW IN THE DARK
WE ROCK
KILLING THE DRAGON
DON'T TALK TO STRANGERS 

 

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STYX

2022年05月02日

1982年、友人に誘われSTIXを観ました。演劇のようなステージセット、ハープシコード的な音のホンキートンクピアノを弾くデニス・デ・ヤング、勿論スティックスのフロントマンでソングライティングの中心人物…曲は「AD1928」…1分半くらいからこれぞROCKと言わんばかりに「ロッキン・ザ・パラダイス」でライブはスタート。デカい音と歓声が会場を盛り上げる。日本人のロックへ向ける思いはシビアだがとてもクオリティーが高い。スティックスはとても苦労したバンドだと思います。結成は1963年、ローリング・ストーンズがデビューした頃です。メジャーとの契約には約10年…しかしメンバーの思いと違い…世間は厳しく、そのなんとも中途半端で自意識過剰とでもいう楽曲は音楽ファンには受け入れられませんでした。ある意味プロは売れてなんぼ…しかしミュージシャン側からは、お金の為に…魂を売る…厳しい選択であります。特に若いときはそれに反発するものでしょう。若さは武器なのですが、世間の渡り方については未熟…音楽の世界だけでなく、この手の話はあるでしょう。
 
さてこのスティックス、それまでのプログレ大好き青年で「我」をはっていたサウンドでしたが、転機が来ます。追い風です。メンバーにトミー・ショウというロックの申し子のような若者が参加。ギタリストでヴォーカリスト、ソングライティングもこなし、しかもイケメン…バンドはそれまでのプログレ志向を少し抑えキャッチーな曲を連発。1976年のアルバム「クリスタル・ボール」がチャート上位に入り人気が上がり始めます。1977年「グランド・イリュージョン」、1978年「ピーシズ・オブ・エイト」、1979年「コーナーストーン」、1981年「パラダイス・シアター」が世界的に大ヒット…大騒ぎ…勢いというのは凄いモノで、プログレテイストを散りばめたキャッチーだがテクニカルなアンサンブルは最高潮に達します。
 
1982年の初来日は全国ネットのテレビ放送もあり、気をよくしたメンバーは次の作品「ミスター・ロボット」で歌詞に日本語を使用(しかし、内容はかなり厳しい…)バンドは安定かと思われましたが、メンバー間で確執が発生…うまくいきません。その後活動停止、各メンバーがそれぞれの活動に移りますが、メンバーのジョン・パノッツォが亡くなり、再び集まり再活動をしてファンを喜ばせますが永くは続きません。フロントマン「デニス・デ・ヤング」が脱退というか解雇…ファンとしては嫌ですね…。しかし彼らの1970年代半ばから1980年代初めの活躍は素晴らしいものです。やはりスティックスはデニス・デ・ヤングの存在です。今も活動していますが、聴くには厳しい感じです。
 
アメリカ産のプログレ色があるグループとしてはとても成功したバンドです。楽曲のバリエーションとアンサンブルのクオリティーは強烈です。そういえばベスト盤のタイトルが日本語で「烈風」でした。とてもいいアルバムです。しかし偏見の塊りのような評論家に「産業ロック」なんて言われましたが、所詮ねたみ。世界で認められる、受ける…それでいいのだ。スティックスのバランスのとれたロックの玉手箱のような曲は永遠です。
 
次回はお待たせいたしました。ロック界の北島三郎と評された唯一無二のロック・ヴォーカリスト「ロニー・ジェイムス・ディオ」。何をかけましょうか?とりあえずDIOでしょうか…?お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
Mr. Roboto
A.D.1928~Rockin’ The Paradise
First Time 
Blue Collar Man  
Boat On The River
Come Sail Away
Babe

 

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Steve Miller Band

2022年04月25日

1973年「ジョーカー」で全米1位、1976年「鷲の爪」、1978年「ペガサスの祈り」で頂点を極めます。元々は1960年代後半から活動するサンフランシスコ出身のブルースバンドでしたが、1970年代からは、当時開発が進んできたシンセサイザーを積極的に効果音的に導入して、他のグループとの違いを出します。曲も短くチャートの上位に次々に曲を送ります。その軽快でキャッチーな楽曲アレンジは名人芸です。テクニックにおいてこの「キャッチーでカッコイイ」ってのが一番厄介でしょう。コンパクトにまとめる…これは大変です。センスの問題もあります。そこをこのスティーブ・ミラーさんはやってのけます。BEST盤の売り上げはかなりのものです。
 
一般的なロスアンゼルスのサウンドと比べて、微妙というか独自のアメリカウエストコーストサウンドです。活動開始が1966年からなので、ヒッピームーブメント、フラワームーブメントがリアルタイムなので1970年代からのウエストコーストサウンドとは違いますね。カントリーの雰囲気より、やはりブルースでしょう。大ヒット「ジョーカー」「冬将軍」あたりでそれが分かります。お薦めはやはり「鷲の爪」「ペガサスの祈り」あたりでしょう。かっこいいポップなロックが体験できます。
 
そういえば、1976年頃だったと思います。当時大学生でKRYラジオで電話リクエスト番組を担当していた先輩、W・Rさんと親しくなり、自宅に伺い「スティーブ・ミラー」を聴きまくった思い出があります。そこには当時珍しいホームビデオなんかもあり、俺は泊まり込んで迷惑をかけた嫌な高校生でした。そこだけではなくバンドをしている、いろんな先輩のお宅に行きレコードを聴きあさってました。1979年、画期的なオーディオ製品が発売されます。S社のWです。ヘッドホーンでステレオ再生のコンパクトカセットテープ・プレイヤー…食事代をケチってなんとか入手…スティーブミラーバンドをよく再生していました。腰のベルトに装着してヘッドホーンで歩きながら聴く…街に音楽を持ち出す…そんなキャッチ・コピーだったと思います。まさにそのとおり、UCLAのロゴTシャツにコンバースのワンスター…こんな環境で聴くカセットテープの中身はアメリカンロックばかりでした。「ベイエリアの風」ですね。FMレコパルを毎週買ってました。
 
次回はアメリカン・プログレ?「STYX」の登場です。バリエーション豊かなサウンドを楽しんでください。
 
 
【今回オンエア】
Jungle Love  
The Joker 
Space Intro~Fly Like An Eagle 
Threshold~Jet Airliner  
Take The Money And Run  
Swing Town

 

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Crosby, Stills, Nash & Young

2022年04月18日

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング…名前を並べただけだけど、なんかかっこいいですよね。アルバム「デジャブ」は音楽史上重要な1枚です。まだ中学生だった頃、ラジオからこのアルバムの曲がいつもかかっていました。聴けば分かりますが、そのハーモニーとアコースティック・ギターの音が見事です。1960年代後半から言われ始めた「フォークロック」…そんなジャンルですね。録音がほとんど「せーの」の一発録音っていうのもすごい。そこに絡むオルガン、ピアノ、そしてドラムとベース…。
 
オリジナルのレコードをお持ちの方は分かると思いますが、ジャケットの紙質が豪華です。重さを感じます。この4人、いわゆるスーパーグループ。元バーズのデビッド・クロスビー、ホリーズのグラハム・ナッシュ、元バッファロー・スプリング・フィールドのスティーブン・スティルスにニール・ヤングですよ。盆と正月が…そんな感じ。アルバムすべての曲がバランスよく配置され素晴らしい出来です。歌詞はよくわからなったのですが、その楽曲の響きがたまらなくいいのです。世界で認められるというのがよく分かります。センスがいいのです。時代は1969年から1970年…音楽の世界も大きく変化する時。泥沼化するベトナム戦争…病めるアメリカ…フラワー・ムーブメント…まだまだいっぱいある。彼らの人気を決定的にしたのはやはりウッドストックへの出演でしょう。そのころのアメリカの魂のような歴史的なイベント。数多くのミュージシャン、そしてバンドが何かを見つけるかのようなパフォーマンスは強烈であります。その後いくつものイベントはありましたが、これを超える音楽イベントはないと感じます。
 
さてこのCrosby, Stills, Nash & Young、何度か再結成してアルバムを出しますが、この「デジャブ」に尽きます。元々それぞれに人気がありソロでも充分なメンバー、ましてやニール・ヤングは既にスター。永くは続きません。個人的にはそれでOKだと思います。「デジャブ」を作ってくれただけで感謝します。そしてライブアルバム「4WAY STREET」までリリース。これがまた最高…聴いていたら涙が出そうです。このCrosby, Stills, Nash & Youngは聴けば分かると思いますが、内外問わずとても多くのミュージシャンに影響を与えます。いわゆる「お手本」「フォーマット」を作ってくれた功労者なのです。その後50年以上このアコースティックの響きを超える作品は、見当たらない。奇跡の1枚ともいえるこのアルバムは、今からなんとか新しいサウンドを創作しようとするミュージシャンと時代そのものなんですね。イーグルスもものすごく聴いたのではないか…そんな気がします。アコースティックギターを弾く方の味方的グループです。
 
次回は数々のヒット曲を持つ「スティーブ・ミラー・バンド」の登場です。お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
JUDY BLUE EYE 青い瞳のジュディ
CARRY ON   
TEACH YOUR CHILDREN   
HELPLESS  
WOODSTOCK

 

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UK / YES / MAGELLAN / TRACE

2022年04月11日

プログレッシブ・ロック…キーボードを何台も積み上げたセッティングが魅力だと感じます。デジタルが進んだ今は見た目がとてもシンプルなセットもありますが、やはりMOOG にハモンドオルガンにメロトロン、クラビネット、ボコーダーにエレキピアノ、ARPシンセサイザーなどがステージ狭しとセットしてあるのが壮観です。プログレはこうでなくてはいけない。キース・エマーソン、リック・ウェイクマンがその代表です。今回オンエアしたオランダの「トレース」、名手リック・ヴァン・ダー・リンデンのキーボード・プレイはその二人に匹敵する腕前、クラシカル・プログレが好きな方は大満足でしょう。EL&P的なトリオ編成のトレース、まずはアルバム「鳥人王国」をお薦めします。
 
「YES」のアルバム「ドラマ」は、ヴォーカルのジョン・アンダーソン、キーボードのリック・ウェイクマンが脱退し、「ラジオスターの悲劇」がチャートインしていた「バグルス」のトレバー・ホーンとジェフ・ダウンズをメンバーに迎え完成させた、ある意味バンド史上でも異色の作品。この中から「光陰矢の如し」をセレクト。なんてカッコイイ曲でしょう。プログレロックの魅力が満載。メンバーの演奏能力に驚かされます。特にクリス・スクワイアのベースワーク…ここまでの方を他に知りません。今更ですがYESサウンドの特長は彼のベースの音が大きな役割を果たしています。
 
そして「マジェラン」。速弾きギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーン等を世に送り出したマイク・バーニーがプロデュースした壮大なスケールのプログレハードです。大袈裟なアレンジにこれでもかとたたみかける変則的なリズムとフレーズ…腹いっぱいです。
 
そして「UK」の「憂国の四士」。ジョン・ウェットン、ビル・ブルフォード、エディ・ジョブソン、そしてアラン・ホールズワース。言うまでもなく英国プログレ界のレジェンドたちによるスーパー・グループで、1978年という時代的にプログレッシブ・ロックが確実に衰退していく中でリリースされた名作です。ポップさとドラマチックさ、技巧と躍動感が結集した70年代後期を代表する傑作。残念ながらこのメンバーはこの一枚だけ。しかし、このアルバムを知らずしてプログレを語れない作品です。
 
まあ、プログレは奥がとても深いし、その名の通り様々な系統を持っています。またヨーロッパの歴史と文化が大きく影響しています。この手を気に入ったらリスナーの引き出し、懐が大きく広がり充実感を感じることでしょう。次回は久しぶりにアコースティックと素晴らしいハーモニー、数多くのミュージシャンのお手本となった「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」の「デジャヴ」です。お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
<UK>
IN THE DEAD OF THE NIGHT
<YES>
TEMPUS FUGIT 光陰矢の如し
<MAGELLAN>
MAGNA CARTA
<TRACE>
BOUREE

 

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CAMEL / PFM / SEBASTIAN HARDIE

2022年04月04日

ピンクフロイド、エマーソン・レイク&パーマー、キングクリムゾン、イエス…プログレ四天王と我が国では言われています。確かに素晴らしい…究極と言ってもよいと思います。さて私の世代のロック少年はこの辺りは必修科目。しかしここで止まってしまうのもいかがなものか、そんな気がしませんか?そこから似たようなバンド…音を探してみたくなるはずです。定番から、その後どのバンドをセレクトして進んでいくか?リスナーとしての引き出しを増やすか?ここが大きなポイントでしょう。気に入ったバンドがどんな音楽に影響を受けたか…とても興味深い。ブルースなんかはとてもよい例でしょう。プログレバンドのほとんどはブルースが根っこにあります。
 
さて、今回はまずラジオではめったにオンエアされないであろうバンド、3組をセレクト。イタリアのPFM、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ…なんてかっこいいバンド名だろう…。しかもかなりのテクニック集団…イタリアのバンドなんて日本のレコード会社は興味があったのでしょうか?1970年代は普通にこのようなバンドの曲がオンエアされていました。ラジオの力を感じますね。PFM最高です。
 
次にキャメル…叙情派といえばこのグループ。あの小野田寛郎さんをテーマしたアルバムを出した、あのバンドです。今回は1975年「白鴈スノーグース」から冒頭の曲をオンエア…なんてきれいなメロディーでしょう。行ったこともありませんが、簡単に19世紀ころのイギリスをイメージします。派手にギターとドラムでガンガンに演奏するロックもよいのですが、今回のような叙情派と言われるドラマティックなアンサンブルは非日常的な「幻想的な、いにしえ」にいざなってくれます。プログレって不思議な説得力と世界観が魅力です。
 
エンディングに少しだけかけたセバスチャン・ハーディーはオーストラリアを代表するバンド。このバンドの魅力は聴けば分かりますがスケール感ですね。これも見たことはありませんが「サザンクロス」南十字星を勝手にイメージしてしまいます。クラッシック音楽にも通じる壮大な音がとてもいいです。4人くらいでこれを作ります。「哀愁の南十字星」というアルバムはもっと評価されるべきです。MOOGシンセサイザーとメロトロンのアンサンブルはプログレの代名詞…これをいかに使うか?どういったメロディーを作るか?…いいですねプログレ。時間の関係でフルコーラスでオンエア出来なくて申し訳ない。気になったらアルバム購入してください。
 
次回は今回よりロック色の強いプログレを用意しようと考えます。「マジェラン」「イエス」を予定しています。お付き合いください。こんな選曲の番組があってもいいでしょ?
 
 
【今回オンエア】
<CAMEL>
The Great Marsh 
Rhayader 「醜い画家ラヤダー」
Rhayader Gose To Town 「ラヤダー街に行く」
<PFM>
River Of Life 「人生は川のようなもの」
Celebration
<SEBASTIAN HARDIE>
Glories Shall Be Released

 

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DEEP PURPLE(1984-1987)

2022年03月28日

よく言われる「黄金期」のメンバーでの再結成のニュースはロックシーンの大きな話題となりました。当時ジョン・ロードはホワイトスネイク、イアン・ペイスはホワイトスネイクからゲイリー・ムーア・バンド、リッチー・ブラックモアとロジャー・グローバーはレインボー、イアン・ギランはブラック・サバスで活躍していました。それを辞めさせて再結成を現実にしたキーパーソンは大手柄…1973年のWho Do We Think We Are以来11年ぶりに第2期のメンバーが集結。アルバム「Perfect Strangers 」は70年代のラフなハードロック感は薄れて、計算されたアレンジで、なんとなくレインボー的なんですが、そこはこのメンバー、期待以上の出来であります。とにかく貫禄とでもいうのでしょうか、さすがでございます。

アルバム発表後ワールドツアー、1985年5月待望の来日公演…行きましたよ、大阪城ホール。暗転からレーザー光線のベートーヴェンが映し出されグルグルと回転しバンドロゴマーク、その後「ハイウェイスター」。「待ってました。大統領!」会場大騒ぎ…泣き出す人もたくさんいました。とにかく会場が揺れるんです。まぁいろいろあったんでしょうが、再び私たちの前にあの5人が帰ってきました。ヘヴィメタブームの時代でしたが、やはり正統派様式美のハードロックは別物。なんてかっこいい…ただそれだけ、非常にインパクトのあるコンサートでした。バンドはその後ネブワース・フェス等にも参加、ライブアルバムでそのすごさが確認できます。1枚のアルバムでは終わらないと言ったリッチー・ブラックモアの言葉通り、1987年「The House of Blue Light」をリリース。パープルの歴史の中であまり評価されていませんが私はとても好きなアルバムです。
 
1968年~2022年の今日まで、多くの作品があります。やはり1971年~73年あたりが今でも人気なのでしょうが、どのアルバムもクオリティーの高さを感じますね。オルガンがこれだけハードな演奏をするバンドはとても貴重です。すごくグルーヴを感じることができます。活動終了を宣言したDEEP PURPLE(コロナの影響でラストツアーは停止しています)、その歴の中でも今回取り上げた2枚のアルバムはとても重要な作品なのであります。
 
次回は久しぶりにプログレッシブロック。「セバスチャン・ハーディー」「キャメル」「PFM」の登場です。哀愁ある世界観とメロディ…お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
KNOCKING AT YOUR BACK DOOR 
A GYPSY'S KISS 
PERFECT STRANGERS  
HARD LOVEN’WOMAN 
DEAD OR ALIVE
BAD ATTITUDE

 

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RAINBOW(1981~1983)

2022年03月22日

この頃のRAINBOWは完全にアメリカンマーケットを意識して、聴く側に焦点をしぼった曲が並びます。どれだけ独自のクオリティーを高めても、ある意味「売れなければ…好みの音楽を維持できない」…そんなことを考えたのでしょう。世界最大のマーケットで売れる…バンド維持に関してもとても重要です。個人的にはこの考えには賛成です。ある程度、妥協をして世間に合わせ、その稼ぎで好きなことをする。そんな選択をさせたのが1980年代のロックシーンでしょう。
 
さて、リッチー・ブラックモアさんのレインボー…変なスーツにオールバック、おまけにサングラスのグラハム・ボネットが1枚のスタジオアルバムで脱退(解雇?)これからどうするんか?様式美のハードロックバンド最後の砦が崩れようとしていました。そこに当時無名の「ジョー・リン・ターナー」という頑張り屋さんが加入。とてもじゃないが初代ヴォーカリストのロニー・ジェイムス・ディオのようなことはない。様式美のかけらもないポップな感じ。しかし時代が求めたのか、なかなかの頑張りか、バンドのブランドの力か、受けてしまいます。初期のレインボーとは全く違いますが、確かに、その辺の適当なバンドより素晴らしい内容です。今回オンエアした「スポットライト・キッド」「アイ・サレンダー」は受けまくり。レインボーという先入観がリスナーや評論家の判断を左右していると思いますね。単純に楽曲だけを聴くと強烈なロックナンバーなのです。
 
こんなことを書くと「かぐせんはジョー・リン・ターナーが嫌いなのか?」と思われるかもしれませんが、そんなところはあるかもしれませんが、嫌いではありません。むしろ好きでしょう。この方、節操がないみたいな活動が多いのですが、主導権をなかなか持てないヴォーカリストだと感じます。レインボーの後、「スレイブ・アンド・マスターズ」というアルバムでディープ・パープルに加入しますが、そのアルバム1枚で脱退。(当時「金夜はロック座」でオンエアした思い出があります。)その後、グレン・ヒューズと組んだり、イングヴェイ・マルムスティーンのバンドに入ったり、リッチー・ブラックモアの息子とレインボーの曲ばかりを演奏するバンドをしたり、山口県が生んだスーパーギタリスト「梶山章」とのプロジェクトなどなど…キリがありません。なんやかんや言うてもこの方のロックシーンへの貢献度はかなりのものです。
 
さて、今回のRAINBOW…さすがのリッチー・ブラックモアのギター、ロジャー・グローバーのマルチな才能、ドン・エイリーの渋さ、ボビー・ロンディネリ、チャック・バーギのドラム…レインボーの歴史です。イケメン・キーボード奏者デイブ・ローゼンタールも忘れてはいけません。1970年代のリッチー・ブラックモアとは違うスタイルが今では懐かしい感じがします。1983年の日本武道館の映像は必見。
 
さて来週は、リッチーさんのこの続き、1984年、奇跡のDEEP PURPLE黄金期のメンバーで大復活。さすがのさすが…。「パーフェクト・ストレンジャーズ」と「ハウス・オブ・ブルー・ライト」からセレクトです。土曜の夜にハードロックです。冷たいビールを用意してください。ミーハーと言われようが、DEEP PURPLEはとてもかっこいいのです。教科書みたい。
 
 
【今回オンエア】
I SURRENDER 
SPOTLIGHT KID   
DEFFICULT TO CURE 
DEATH ALLEY DRIVER 
STONE COLD
STREET OF DREAMS

 

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WISHBORN ASH /ARGUS(1972)

2022年03月14日

GIBSON社のフライングVというギター。変形ギターの代表的な機種です。1964年頃にはすでにあったそうです。その後その人気に伴い様々なアレンジされたフライングVが制作されていますが、やはりピックアップ・カバーがついて白いピックガードにワインレッドのフィニッシュの元祖的なものがいい。インパクトのあるそのルックスに憧れたミュージシャンは多いことでしょう。マイケルシェンカーが有名ですが、私世代はやはりウイッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルです。フライングVを構えたスタイルが非常にかっこいい。しかもとてもデリケートで哀愁に満ちたフレーズを奏でます。
 
ツインリードギターのもう一人はテッド・ターナー。見事なツインリードであります。おそらく始めは何か他のバンドとは違う、自分たちの個性を模索していた時に考えられたと思いますが、当時としては画期的なアレンジです。時代なのかいちいち曲が長い…プログレ的なアプローチも感じます。さすが大英帝国。曲に感じるストーリー性、まるで指輪物語…ドラムのスティーブ・アプトン、そしてヴォーカルも兼ねるベースのマーティン・ターナー、見事なアンサンブル。専属のシンガーがいないので、制約の無いバンド演奏がある意味、自由に展開される。ロックってバンドのアンサンブルにつきます。歌の伴奏だけは面白くありませんね。
 
今回の「百眼の巨人アーガス」、ロック史上に残る名盤です。サウンドは勿論、ヒプノシスが手掛けたアルバムのカバーデザインが最高。是非ともLP盤を開いて額装して飾ってほしいくらい。鎧を着た戦士の後ろ姿、視線の向こうに謎の飛行物体…なんというセンスの良さでしょう。圧巻であります。アコースティッギターのアンサンブルに歌が重なりなんともイギリス的なメロディーで幕を開け、聴けば聴くほど身体にしみこむツインリードのギターフレーズ、そして独特なツイン・ヴォーカル、タイトなドラム(タムの音の中音域に特徴がありかっこいい)ペンタトニックフレーズのグルーブ感たっぷりのインパクトを感じるベースライン…これが1972年ですよ。とても知的な感じを受けるアルバムです。
 
次回はすこしミーハー的に、ジョー・リン・ターナー在籍時のレインボーです。お楽しみに。やはり、リッチー・ブラックモアは気持ちいい。
 
 
【今回オンエア】
TIME WAS
THE KING WILL COME 
WARRIOR
SOMETIME WOLD

 

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