ちひろとみすゞTime

ちひろとみすゞの朗読Time

11月2日にご紹介した金子みすゞの詩

『どんぐり』
どんぐりを拾って持ち帰るのが楽しくて仕方ない様子ですが、帰り道、お花が沢山咲いている野原に出ると、今度は花に夢中になる。そうするうちに、最初のどんぐりが邪魔になって、どんぐりはとうとう全部捨ててしまう。子ども心は可愛いものです。こうした心移りは、いろんな場面であるでしょう。でもその子どもの好奇心の大きな変化を、大人はしっかり受け止めてあげたいですね。自分もきっとそうだったから。
『こおろぎ』
同じ秋の詩でも、今度はとてもシビアはクールな世界です。コオロギの足が片方もげている様子を、客観的に、秋の風景の一つのシーンとして描いています。金子みすゞさんのセンスの中には、一つ一つの奥にグッと寄り添う心と、自然界の摂理や真理をそのまま受け入れる、時に残酷なことも自然界の流れとして見つめている、そこに私たち人間の在り方が伝わってきます。私たちに必要なのは、その心の柔軟さと判断力なのかもしれません。

月間アーカイブ