おととい日曜日、下関で路線バスに乗った。
下関には車でいつも行くので、
路線バスに乗るのは久しぶりの事だった。
山の田から下関に向かう10分ちょっとの旅。
乗用車より高めの景色がちょっと楽しい。
バスの中で「動きます」という
運転手のやさしい声が何度も流れる。
大きすぎず小さすぎず柔らかい声。
信号待ちや停留所から発車する毎に
「動きます」。
お年寄りは座っていてもそれを聞いて手すりを掴むし、
停車している間メールを打っていた僕は、
その都度目を上に上げられるので車酔いをしない。
乗る側にとって「使える一言」なのだ。
停留所の名前も何度も繰り返す。
女性の音声の自動音声も当然流しているが、
抜群のタイミングで再アナウンスする。
自動音声を1回流したって聞き逃してしまう
乗客はたくさんいるはずだし、
あの雰囲気の喋り方なら何度繰り返されても
邪魔にならないし嫌でもない。
まさしく利用者の視点にたったアナウンスなのだ。
相手側の視点にたったやさしい一言、使える一言。
電波を通して毎日言葉を発する僕も
心がけていたい志である。
下関駅に着いた。
「ありがとうございます」の柔らかい声。
「バス移動って結構いいな」と思いバスを降りた。