大人の音楽堂 ブログ
YES/CLOSE TO THE EDGE [危機] 1972
2025年02月25日
超絶技巧の演奏だがメロディアスで聴きやすいという特徴を持つYES。初来日は1973年の3月で、まだまだROCKミュージックに不慣れ…というか無知な日本の評論家は「彼らのアルバムはライブで再現できない。ライブはオケ(事前に録音したものを流す)だ」なんて幼稚なことを言っていましたが、コンサートを体験した後には開いた口が塞がらない状態だったそうです。サポートメンバーなんていません。若者5人が生演奏でアルバム以上の演奏をしたのです。我が国でのプログレッシブ・ロックは既にPINK FLOYD、EL&Pが屋外ステージでライブをしていましたが、YESは特別でした。この時私は田舎の中学2年生。とても会場まで行けません。レコード、ラジオそして音楽誌「ミュージックライフ」が情報源でしたからその年にライブアルバム「YES SONGS」が出たときは嬉しかったですね。しかもLP3枚組。感動でした。
さてYESの1972年のアルバム「危機」からタイトル曲を今回紹介。約19分弱の大作で、LPレコードのA面を占めます。前作の超名盤「こわれもの」の大成功に続くイエスの代表作です。二十歳代前半の5人の若きミュージシャンが当時としては全く例の無い、新しい世界観を作り上げました。アメージングな世界観が幻想のように、聴くものそれぞれがイマジネーションを呼び起こすのです。何と言っても各メンバーの演奏力の凄さ、そしてアレンジ力、アンサンブルの凄さ。プログレッシブ・ロックの頂点がこの「危機」と言ってもいいでしょう。このアルバムから大作主義がしばらく続き、この次のスタジオアルバム「海洋地形学の物語」なんかはその代表でしょう。
さてこのアルバム「危機」、聴けば分かりますがすごいのはメロディの良さ。ただ単に演奏力を見せつけるのはある程度テクニックがあるミュージシャンなら出来るでしょう。しかし、マニア以外のロックファンに伝えるにはそれなりの構築美が必要となってきます。YESは自分達のポリシーをキチッと守り、少しも媚びずにキチンとしたものを聴かせてくれて、しかも感動的です。ある意味難しく感じるプログレッシブ・ロックと、ロックン・ロールとの架け橋かもしれません。メンバー5人は、それぞれの楽器はこうして演奏するものだとも教えてくれました。中学生の時に同級生の部屋で初めて聴きましたが、感動はますます大きくなっています。やはり「危機」「こわれもの」は一家に1枚ずつ必要です。なんて素晴らしい曲なんだろうといつも思います。KRYラジオでオンエアさせていただき感謝ですよ。最高。バンドっていいですね。
映像作品の「YES SONGS」は必ず観ていただきたい。若き日のイエスがそこにいます。次回はこの流れで、プログレッシブ・ロックの中でも美しい旋律の曲をセレクト。お楽しみに。
今回オンエア
Close To The Edge“危機”
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