転ばぬ先の知恵
◆今週と来週は、当番組の準レギュラー、NPO法人 山口県終活支援協議会理事長の徳沢靖さんにご登場いただきます。とくさん、おはようございます。
◇おはようございます。
◆とくさん、今日はどのようなお話をしていただけますか?
◇はい。今日は先月28日と29日、東京ビッグサイトで開催された「第10回エンディング産業展」に参加してきましたのでその模様をお話ししたいと思います。
◆「エンディング産業展」とは「次世代の終活産業を創り出す製品・技術・サービスを持つ企業・団体を一堂に集め開催する、日本最大の終活・ライフエンディング業界専門の展示会」ですね。とくさん、毎年行かれていますよね。
◇そうです。私たちが所属しています一般社団法人終活カウンセラー協会がブースを出しており協賛企業の一つであるため、私も毎回参加させてもらっています。もっともブースの手伝いをする訳でもなく、立ち寄って情報交換をするだけなのですが、それでも全国の仲間に会える数少ない機会ですから、大切にしています。
◆今回の「第10回エンディング産業展」はいかがでしたか?
◇今回の展示会は規模が非常に小さくなり、開催期間も従来の3日間から2日間に短縮、会場も小さくなりました。しかしエンディング産業自体が小さくなっているのかというと、そうではなく、団塊の世代を中心に需要は今から大きく伸びる時期に来ています。ただ、葬儀自体に大きな提案などもなく、旧来からの葬儀方法に多少の色付けがなされているだけで、葬儀業界自体に変化はありません。よって新製品はほとんどなく、昨年と同様の商品が並んでいました。
◆来年2025年には約800万人と言われる団塊の世代の方々が、全員75歳以上の後期高齢者になられ、医療・介護、雇用といった様々な分野での影響が心配されていますよね。そんな中、葬儀業界ではあまり変化が見られなかったということですね。
◇はい。一方、大きく伸びてきたのが、身元保証や見守りといった分野です。今年の6月に政府から高齢者ビジネスについてのガイドラインが出ましたので、良識を持った企業は自信を持って商品を発表していました。反面、昨年出品していた企業の中には撤退を余儀なくされたものもあったようです。このように今年のトレンドは高齢者の見守りや身元保証に移って来たようです。最も高齢者の見守りなどの問題は現場で動いている私たちは数年前から問題視していたもので、ようやく時代が追いついてきてくれたような感じです。
◆なるほど。「身元保証や見守りの分野」への注目度が増してきたということですね。ということは自分が認知症などできちんと判断できなくなったり、将来の不安に備える「成年後見制度」にも繋がったりするような感じもしますが…。
◇そうなんです。私も数年前に市民後見人などの勉強をするために半年ほど東京に通いました。主に高齢者の権利や法令に基づく後見活動などの勉強をしてきました。まだコロナ前ではあったのですが、高齢者はただ介護すれば良い訳ではなく、個人個人の人権や権利を擁護し、また義務についても理解することが必要だということが分かりました。また、個人の権利に関わることですので、法令遵守の必要性も理解しています。そのようなことがようやく表面化するようになり、高齢者の介護以前に人権を重要視しなければならないことが今年のエンディング産業展のテーマであったように思います。
◆大切なことだと思います。家族が近くにいない、困った時に頼れる人がいないなど「高齢者の孤独・孤立」が社会問題になっている中、成年後見人を含め、「地域包括支援センター」やとくさんのような「終活カウンセラー」など、地域や関係者で高齢者を守り、権利を擁護する仕組みを作っていくことは本当に大切なことだと思います。
◇そうですね。一方、今年の産業展での面白かったものとして石田純一氏の生前葬がありました。セミナーの時間の関係からしっかりと見ることはできなかったのですが、豪華な祭壇に大勢の僧侶が並んで生身の石田純一さんの葬儀を行なっていました。葬儀には和太鼓演奏や日舞なども奉納され、派手婚ならぬ超派手葬といったところでしょうか。
◆それは見てみたかったですね。
◇さらに、私にとって今回の展示会で最大の収穫は作家の竹田恒泰氏と話ができたことです。
◆明治天皇の玄孫というあの竹田恒泰さんですか?
◇そうです。竹田氏は「株式会社前方後円墳」という会社の社長でもあり、全国に古墳型樹木葬墓を作っています。今回はその株式会社前方後円墳のブースが作られており、またセミナーも開催されることで、私も全国に納骨堂を作る計画があるため「神社応援プロジェクト」の事業計画書を持参して行きました。そしてそのブース内で竹田恒泰氏と会うことができ、事業計画について説明することができました。また大いに共感してもらえ、最後に一緒に写真撮影もしてもらいました。
◆とくさん、それは良かったですね。私もテレビで前方後円墳型の樹木葬墓を何度か見たことがあります。「この形の樹木葬はいいなあ」と思っていましたが、竹田さんのアイデアだったんですね。
◇そうなんです。次回は先ほど少し話が出ましたガイドライン、正確には「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」についてお話ししたいと思います。
◆分かりました。とくさん、今日はありがとうございました。
◇ありがとうございました。
◆先週と今週は「予防医療」について学んでいます。スタジオには先週に引き続き、周南市にあります海風診療所 院長 沼田光生さんにお越しいただきました。沼田先生、おはようございます。
◇おはようございます。
◆先週は、「食事の前に気を付けるポイント」と「避けるべき食品」についてお話しいただきました。今日はどのようなお話しをしていただけますか?
◇今日は積極的に摂取すべき「健康増進に役立つ食品」についてお話ししたいと思います。
◆今日のテーマは、「健康増進に役立つ食品」ですね。大切なお話ですので、しっかりと聞きたいと思います。よろしくお願いします。
◇分かりました。まず、消化を助ける酵素を補うために、発酵食品(納豆、味噌、塩こうじなど)、果物(パイナップル、キウイ、パパイヤ、イチジクなど)、野菜(大根、玉ねぎ、山芋、生姜など)を積極的に摂るようにしましょう。
◆消化を助ける酵素を補うためには、「発酵食品」「果物」「野菜」の摂取が大切ということですね。
◇そうです。その際に、後藤日出夫先生が考案された、多くの野菜や果物丸ごとをミキサーで混ぜてスムージーのようにした「万能健康ジュース」やキャベツをラブレ菌(植物性乳酸菌)で発酵させた「ラブレクラウト」がお奨めです。
◆後藤日出夫先生とはどのような人なのですか?
◇後藤先生は、ケミストリーの方の化学者で、身体を化学者の目で分析し、改善していく方法を教えてくれる先生です。世の中には多くの健康情報が溢れておりますが、信頼の置ける情報を流してくれる先生のお一人です。ラブレクラウトは、乳酸菌発酵させたキャベツの発酵食品で、腸内環境が改善できるのはもちろんですが、それにより疲労回復や生活習慣病予防、さらには美容効果も期待できる発酵食品です。万能健康ジュースの方は、オメガ3系脂肪酸も含まれているため、腸内環境改善だけでなく、炎症体質の改善にも有効です。
◆後藤日出夫先生は信頼の置ける健康情報を発信してくださる先生で、その後藤先生が考案された「ラブレクラウト」と「万能健康ジュース」はとても体に良いということですね。
◇はい。続いて、各栄養素に分けて、積極的に摂り入れるべきものを分かりやすく解説します。炭水化物では、食物繊維(海藻、果物、野菜、きのこ、こんにゃくなど)や難消化性糖質(冷ご飯<発芽発酵玄米>、オリゴ糖など)を積極的に摂ることで、腸内環境が改善します。特に主食を白米から発芽発酵玄米に変えることで、腸内環境を劇的に変化させることができますので、是非、実行してみてください。
◆え~、主食を白米から発芽発酵玄米に変えると、腸内環境が劇的に変化するんですか?
◇はい。発芽発酵玄米は白米に比べると、食物繊維の量、ビタミン・ミネラルの量が圧倒的に多いだけでなく、発酵により乳酸菌や酵母菌などの有用菌が増え、腸内環境を劇的に改善させます。また短鎖脂肪酸という腸粘膜のエネルギー源を増加させるため、腸の機能も改善します。さらには、リラックス効果や血圧降下作用があるGABAやデトックス効果が期待できるフィチン酸などの機能性成分も増加しますので、主食を白米から発芽発酵玄米に変えることは、健康増進に大いに役立ちます。
◆すごいですね。ぜひ皆さんも発芽発酵玄米を食べてみてください。
◇次に、タンパク質についてです。脳内セロトニンを増やすことができるトリプトファン比率が高い食べ物を積極的に摂るようにしましょう。脳内セロトニンが増えるとクールな覚醒状態を保つことができ、うつ病や認知症の予防もできます。
◆「セロトニン」は聞いたことがあります。「幸せホルモン」と呼ばれ、やる気や幸福感につながるホルモンですよね。
◇そうです。「セロトニン」は脳内で作られますが、その材料となる必須アミノ酸の「トリプトファン」は食べ物から摂らなければなりません。この「トリプトファン」比率が高い食べ物の覚え方は
「まごわやさしい」です。
◆「まごわやさしい」ですか。
◇そうです。
*ま:まめ(豆類、豆製品、味噌)
*ご:ごま(種子類:ピーナッツ、アーモンドなど)
*わ:わかめ(海藻類:わかめ、海苔、昆布など)
*や:やさい(緑黄色野菜、淡色野菜、根菜類)
*さ:さかな(魚介類:特に小型の青魚)
*し:しいたけ(きのこ類:しめじ、えのき、舞茸など)
*い:いも(いも類:じゃがいも、さつまいも、里いもなど)
これらの食材を積極的に摂取することで、脳内セロトニンを増やすことができます。
◆分かりました。
◇次に脂質についてです。トランス脂肪酸やオメガ6系の植物油(紅花油、綿実油、大豆油)を減らす代わりに、オメガ3系の油(エゴマ油、シソ油、亜麻仁油、小さな青魚)を積極的に摂取するようにします。そうすることで、万病の元になる炎症体質の改善を図ることができます。
◆「炎症体質」は万病の元なんですか?
◇はい。炎症は、私たちの体が外敵から身を守るための自然な反応です。しかし、この炎症が慢性的に続く状態を「炎症体質」と言い、万病の元を作ります。例えば、花粉症などのアレルギー疾患の発症につながるだけでなく、リウマチなどの自己免疫疾患の誘因にもなります。さらには、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の発症率も高めますし、パーキンソン病などの神経疾患やガンの発症率も高めてしまいます。
◆怖ろしいですね。「炎症体質」にならないように注意が必要ですね。
◇その通りです。また、食卓の彩りも重要になります。信号の赤・黄・緑と茶(白)・黒の5色が揃うように彩りよく食材を集めると栄養バランスも良くなることがわかっています。そんなに難しいことではありませんので、是非、彩りの良い食卓を心掛けるようにしてください。
◆先週の「避けるべき食品」と今週の「健康増進に役立つ食品」のお話しをお聞きし、食品・栄養素の重要性がよく分かりました。沼田先生、ありがとうございました。
◆今週と来週は「予防医療」について学んでいきたいと思います。スタジオには周南市で開業されている「海風診療所」院長の沼田光生さんにお越しいただきました。沼田先生、よろしくお願いします。
◇よろしくお願いします。
◆沼田先生は2度目のご出演になりますが、改めましてプロフィールをご紹介しましょう。昭和39年、山口県周南市のお生まれ。山口大学医学部をご卒業後、大阪大学付属病院等で勤務され、平成23年、周南市梅園町に予防医療の総合施設「トレーフル・プリュス」を開業。「海風診療所」はその施設内にあります。また、令和3年には一般社団法人「健康マイスター協会」を設立し、代表理事を務めていらっしゃいます。ということですが、「トレーフル・プリュス」とはどんな施設なんですか?
◇「トレーフル・プリュス」は、「遊びに行ける診療所」をコンセプトに、1Fにカフェ、3Fにフィットネスジムと心理カウンセリングルームを併設しています。そして「海風診療所」では予防医療から、ガン治療にいたるまで、西洋医学・東洋医学を問わず、医療・健康・美をひとつと捉え、個人のライフスタイルにあった医療をトータルサポートしています。
◆カフェ、フィットネスなどが併設されているということで、気軽に行けそうな感じがしますね。さて今週と来週は「予防医療」について学びたいと思いますが、どのようなお話しをしていただけますか?
◇はい。今回は「避けるべき食品と摂るべき食品」についてお話ししようと思います。今日はその内、「避けるべき食品」についてお話しします。
◆今日のテーマは「避けるべき食品」ですね。これはしっかりと聞いておきたいすね。沼田先生、よろしくお願いします。
◇分かりました。まずその前に「食事をする前に気を付けるポイント」についてお話しします。
◆ほう、どのようなことですか?
◇はい。5つあります。
「質の良い水を十分に飲む」
「しっかり噛む(1口30回以上)、ゆっくり食べる」
「軽い空腹感を作る(空腹)」
「腹八分にする、食べ過ぎない(小食)」
「適宜のファスティング(断食)」です。
◆「しっかり噛む、ゆっくり食べる」と「腹八分にする、食べ過ぎない」はよく聞きますが、「質の良い水を十分に飲む」「軽い空腹感を作る(空腹)」「適宜のファスティング(断食)」はあまり聞いたことがありません。説明していただけますか?
◇はい分かりました。まず、「質の良い水を十分に飲む」についてですが、体内の約60%が水ですから、水は健康にとって非常に重要な存在です。量子医学的には質の良い水とは、H+、OH-に解離し、それらが組み合わさって構造化を起こし、情報を記憶したり、伝達したりすると言われております。なので、質の良い水とは解離しやすく、構造化を起こしやすい水と言えます。1日に飲む水の量についてですが、体重(kg)の1/30リットル(例えば体重が60kgなら1日2リットル)を推奨しています。次に、「軽い空腹感を作る」「適宜のファスティング」についてですが、空腹感を感じるとグルカゴンというホルモンが分泌され、これが万病の元になると言われる炎症を抑えてくれる働きがあります。また、空腹を感じたり、ファスティングを行うと、細胞の中のエネルギー工場であるミトコンドリアの活性が高まり、元気になると同時に多くの病気の予防にもつながります。
◆少し難しいお話でしたが、「質の良い水を十分に飲む」ことと「空腹感を感じる、作る」ことは大切であるということですね。
◇はい。今のことを実行していただくことを前提に、「避けるべき食品」についてお話しします。実は日本の食事情はあまり良くありません。特に、「農添化」には気を付けましょう。
◆「農添化」ですか?
◇農は農薬、添は添加物、化は化学物質です。日本は単位面積当たりの農薬使用量が世界有数です。また、添加物の許可数も世界有数です。さらに、化学物質の代表である薬の使用量も世界有数です。日本の医療機関では、症状に対して処方する対症療法がメインになっており、抗生剤をはじめたくさん薬が処方されるのが当たり前になっています。
◆日本は身体に良くない「農薬の使用量」「添加物の許可数」が世界有数、そして薬の使用量も世界有数なんですね。
◇そうなんです。食肉や魚介類なども多くの薬品を使って育てられているものが多いので、注意が必要です。次に糖質についてですが、血糖を急激に上げる精製糖質(白米、うどん、パスタ、パン、ラーメン、お菓子、ジュースなど)は、体内のタンパク質と結合して、最終糖化産物と言われる老化物質を作ることになり、身体にとって良くありません。
◆白米、うどん、パンなどは老化物質につながるんですか?
◇はい、そうです。続いてタンパク質ですが、消化できないタンパク質を多く含む食品(乳製品、ゼラチン、魚肉の練り物、魚卵の外皮、脂質の多い肉類など)は、胃腸の負担となり、腸内環境の悪化につながり、身体に悪影響を及ぼします。
◆乳製品や脂質の多い肉類などは、腸内環境の悪化につながるんですね。
◇はい。脂質については、マーガリン、ショートニング、精製植物油に多く含まれるトランス脂肪酸やオメガ6系の植物油(紅花油、綿実油、大豆油など)は、体質を炎症体質に傾け、健康状態を損ねることになります。
◆「トランス脂肪酸が体に良くない」というのは雑誌などでよく取り上げられていますね。
◇はい。トランス脂肪酸は、動脈硬化や心疾患のリスクを高めますので、避ける必要があります。トランス脂肪酸を含んだ食品は、海外では製造を禁止したり、販売を禁止したりしている国も多いです。通常は表示義務があるのが普通ですが、日本ではその表示義務もないので、消費者がトランス脂肪酸を含む食品であることを知らずに摂取していることも多いのです。
◆怖ろしいことですね。
◇また、オメガ6系脂肪酸が多くなりすぎると炎症を起こしやすい体質になり、アレルギー性疾患をはじめとした多くの病気の発症につながります。オメガ6系脂肪酸は、外食やコンビニ食、ファーストフードが多いと過剰になりますので、気を付けましょう。
◆今日は避けるべき食品・栄養素のことがよく分かりました。
◇今日紹介しました「避けるべき食品」の摂取はできるだけ避け、「健康増進に役立つ食品」を摂ることが重要です。それについては、次回にお話しします。
◆沼田先生、今日は大切なお話、ありがとうございました。
◆先週と今週はシニア世代の方に関係の深い「税金」について学んでいます。スタジオには先週に引き続き山口市の越智法律会計事務所 税理士の越智満さんにお越しいただきました。越智さん、おはようございます。
◇おはようございます。
◆越智さん、先週は「確定申告と定額減税」というテーマでお話しいただきました。今日はどのようなお話しをしていただけますか?
◇はい。まず、自分の財産が他人に渡ったときに発生する税金として「相続税」と「贈与税」があります。自分が亡くなったときに一定金額以上財産があると相続人に相続税が課税されます。また、相続税がかからないように自分が生きているうちに子や孫に財産をあげると、財産をもらった子や孫に贈与税が課税されます。今日は、子や孫にお金を贈与しても贈与税が一部課税されないようにできる「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」についてお話しします。
◆「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」ですか? 難しいですね。「直系尊属」を含め、分かりやすく教えてください。
◇分かりました。「直系尊属」とは、お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんのことです。簡単にいうと、「家を建てるためのお金をお父さんやおじいちゃんに出してもらう場合、贈与税を少なくすることができる制度」ということです。
◆ここまでかみ砕いていただけると分かりやすいですね。
◇この制度は、以前からあった制度ですが、適用期間が令和5年12月31日までとなっていたところ、令和8年12月31日までに延長されましたので、現在も使うことが可能です。
◆制度が3年間 延長されたのですね。詳しく教えてください。
◇はい。贈与税が非課税となるための主な要件は6つです。
①住宅取得または増改築に関する資金の贈与であること
②直系尊属からの贈与であること…父母または祖父母から子または孫への贈与であること
③受贈者(受け取る人)が成人であること…財産をもらう方が18才以上であること
④受贈者の所得が2000万円以下であること…財産をもらう方が高額所得者でないこと
⑤贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住用の家屋を所有し、遅滞なく居住すること
⑥贈与を受けた方が必要書類を添付してその年の贈与税の申告をすること
◆贈与税が非課税になるには色々な条件があるんですね。
◇はい。この他にも細かな要件はありますが、高額所得者でない成人の方が父母または祖父母から家を買うためのお金をもらい、適用できる可能性が高いので幅広い方が使える制度です。
◆確かに。幅広く使えそうな制度という感じがしますね。
◇具体的に非課税とされるのは500万円または1000万円で、その金額は住宅の性能により決まり、非課税の枠が1000万円になる場合は、①省エネの住宅 ②耐震性能の優れた住宅 ③高齢者に配慮された住宅と長期間使うことができる住宅になります。例えば、耐震性能であれば、「耐震等級2以上」というのがありますが、このあたりは住宅を建ててくださる工務店やハウスメーカー等、建築のプロに確認するのが良いです。というのも、1000万円の非課税を受ける場合は、贈与税の申告書に住宅性能証明書など基準を満たす住宅であることの証明書を添付しないといけないので、工務店やハウスメーカーの方にこれらの証明書を取得してもらう必要があるためです。
◆贈与税の申告書には建築のプロの協力も必要ということですね。
◇そうです。ちなみにですが、制度自体の非課税は500万円または1000万円ですが、元々贈与税がかからない基礎控除110万円を考慮すると610万円または1110万円まで贈与税が課税されないことになります。
◆元々、贈与税がかからない基礎控除の110万円があるので、それを加えると贈与税が課税されない金額が大きくなるんですね。
◇そうです。今日は『住宅取得等資金の贈与の非課税制度』についてお話ししました。他にも贈与税がかからない非課税制度はありますが、贈与をした後に非課税の制度が適用できないとなった場合、思いがけない納税がやってくるので、非課税制度が適用できるかどうかについて事前に税務署または税理士に確認してから行う方が良いということです。この特例が使えるかどうか確認したいとき、その他税金について分からないことがあるときは、まずは、無料で相談できる中国税理士会の税金相談センター(電話番号0120-927-370)またはWeb会議システムZOOMを利用したオンライン相談をご利用ください。無料相談の詳細は中国税理士会のホームページに記載されていますので、まずは検索してみてください。
◆「贈与」は自分の財産を子や孫に渡すことができ、喜ぶ顔を見る事ができます。そして「贈与税」を非課税にする制度もあります。しかし、その特例を使う場合は、専門家の確認が大切ということですね。まずは無料で相談できる中国税理士会の税金センター(電話番号0120-927-370)にご連絡ください。今日は越智さん、ありがとうございました。
◇ありがとうございました。