ちひろとみすゞTime

ちひろとみすゞの朗読Time

11月21日にお届けした詩は「金魚のお墓」

 お墓の中で、冷たい土の中で、金魚は何を想っているだろうかと、思いを寄せている詩です。夏のお池の藻の花や、揺れる光のまぼろし、落葉の上をゆく夜のしぐれの足音・・・。そして、同じ金魚屋の荷のなかにいた、むかしのむかしの友だちを想っているだろうと、みすゞさんは綴っています。
 さみしい土の中に、心を寄せた時、私たちの心にはとても静かなひとときが流れますね。現代の忙しく賑やかな時の中で、少しの時間、そうした静寂にある暗さの中に思いを寄せるひととき、なんだか寂しいけれどそれが味わい深い時間で、大切なひとときのような気がします。(ちひろ)

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