◆テーマ 元新聞記者による精神障害闘病記「わたしは山頭火!?」の出版について ◆ご出演 岩国市を中心とした地域情報誌くるとん 代表 藤井康弘さん 周南市出身で、東京で元新聞記者として「くらし・芸能面」で活躍されたペンネーム「天地成行」さんが くるとんから昨年の12月に本を出版されました。 変わったお名前のペンネームですが、これは彼自身が精神障害を発病した経緯にも関わってきます。 そのペンネームは記者をしながら編集にも携わる中、その編集作業で写真の天地の大きさを成行に任せるときに使う言葉 「天地成行」からきているそうです。そんな言葉を使いながら、全国を取材で飛び回って活躍していた28歳の時、 精神障害を発病されました。 電車に乗っていて、突然見ず知らずの人から自分を責める言葉が聞こえたそうです。知っている人は誰もいないはずの場所から…。 それからというもの「お前なんか死んだほうがましだ」などの幻聴が聞こえるようになり、自殺未遂にも及んでいます。 そして仕事に行けなくなってしまいました。 医者の診断は「統合失調症」です。 これは心や考えがまとまりずらくなる病気で、幻覚や幻聴が典型的な症状です。 その後復職も果たされたりしましたが、結局38歳で退職され、故郷の周南市に戻って療養を続けられています。 本には発病の経緯から数々の奇行、病院でのことなどもつづられています。 そして入院中にふと鏡に映った丸坊主の自分の姿を見て「えっ わたしは山頭火!?」と思ったそうです。 そこから山頭火を調べるようになり、自由律句という俳句に出会って、句を作るようになりました。 そして、お師匠さんに添削してもらうようになり、2017年には山頭火全国自由律俳句大会で入賞するほどの腕前に成長されています。 そうした句作の過程が病気の治療にも良い効果を表して、心のリハビリにもなったということです。 天地さんは現在も療養中ですが、この本の執筆や不定期に発行される新聞「みんつど」を通して 同様の病気で悩む人たちを支援する活動をされています。 さて、これまでの話からこの本がとても深刻な内容のように思われるかもしれませんが、 じつはウィットに富んでユーモアにあふれる文章で構成されています。約100ページですし、一気に読めると思います。 この病気を患っている人はもちろん、ストレスを抱えている人は予防のために、そして統合失調症の方を家族や友人に持っている人などに おススメしたいと思います。 周南市、山口市、防府市等の宮脇書店や明屋書店 およびAmazonと「くるとん出版」で送料無料で購入できます。 ◆お問い合わせ 株式会社くるとん 0827-81-1551 さすが元新聞記者。わかりやすく深い内容で、厳しく辛い闘病の中にもユーモアがあり、明るく前向きな光も感じることができる一冊です。 |