◆テーマ 映画「くじらびと」 ◆ご出演 オフィスISANA 代表 堀永州平 さん 今回は、今年一番の注目映画のご紹介です。とはいえ、私もまだ観てない。なのになぜ絶対にこの映画が一番かというと・・・ 私の手元にある「海人」と名づけられた一冊の写真集。石川梵さんという写真家が24年前に出版されたものです。これはインドネシアに今も残る、手銛一本でマッコウクジラを獲る漁で生きるラマレラという村を7年間に渡って撮影されたもので、人とクジラの死闘と絆、自然とともに生き、命をいただいて生きることの根源的な姿を圧倒的スケールでおさめた写真で、世界でも絶賛されました。私も20代の頃に手に入れ、大きな衝撃を受けました。それから20年以上経ちますが、今でもこれがナンバーワンの一冊です。 石川梵さんは数年前から映像作家としても活躍され、何と今年、30年以上にわたって追い続けてきた、このクジラ漁の村ラマレラのドキュメンタリー映画「くじらびと」を完成されたんです。もう予告編だけでもアカデミー賞ものです。大手の支援もなくクラウドファンディングで資金を集め、わずかなスタッフだけで村に滞在して作り上げた作品ですが、公開されると大きな話題を呼び、公開する映画館も広がり続け、東京などでも公開延長や再公開などが相次いでいます。さらに映画賞受賞の報告も続々と入ってきているんですが…残念ながら山口ではまだ公開されていない!でも絶対に山口の皆さんに観てほしいんです。 というのも、この映画の撮影助手、何と柳井市出身の女性、宮本麗さんが務めておられます。宮本さんは今年31歳。大学時代、私が先ほど紹介した石川梵さんの写真集に衝撃を受け、自分の目でこんな世界を見てみたい、そのために写真家を目指そうと決意されたそうです。大学卒業後、知り合いのつてでたまたま石川梵さん本人に会う機会があり、当時ネパールで行われていた石川さんのドキュメンタリー映画の撮影に参加し、今では右腕として活躍されているんです。 少人数での撮影ですから、インタビュー中の録音や夜間撮影の照明、時には自ら海に入ってカメラも回すそうです。今回、宮本さんと連絡を取り、メッセージをいただいてきました。 「今回の映画を見ていただいた方によく生きて帰れたね!とお声がけいただくのですが、山口の豊かな自然の中で育った私にとっては、とても離れた地であるラマレラも、自然との繋がりや村の人々の一体感がどこか親近感があり、そこで過ごす日々もそれほど過酷なものではありませんでした。逆に山口で育っていなければ、そもそもこの道を志すことも無かっただろうと思います。どこか遠くの近い場所のこの物語を是非故郷の皆さんにもみていただきたいです!」 どうですか?絶対山口で観たくないですか?山口県は古くから捕鯨が行われ、クジラと人の縁が深い所です。自然と人間の在り方、命についての大切なメッセージを、最高の映像を通してぜひ受け取っていただきたいです。映画については「くじらびと」で検索してみてください。 |