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転ばぬ先の知恵

2023年12月 月間アーカイブ
贈与税
2023/12/30放送
出演者
越智法律会計事務所 税理士 越智満さん

◆先週と今週、2週に渡りまして、シニア世代に関係の深い「税金」について学んでいます。スタジオには先週に引き続き山口市の越智法律会計事務所の税理士、越智満さんにお越しいただきました。越智さん、今日もよろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆先週は「相続税」についてお話しいただきましたが、越智さん、今日は何についてお話しいただけますか?
 
◇はい。今日は「贈与税」についてお話ししたいと思います。贈与税とは、「相続税がかかりそうだから、生きているうちにみんなにあげてしまえ!」となっては税金が徴収できないので、贈与税でその分を補っている、そんな性格の税金です。
 
 
◆なるほど。分かりやすい説明ですね。
 
◇そもそも贈与とは、「あげるよ」と「もらうよ」という意思表示で発生する契約なので、相続と異なって相続人以外の方にも関係がある話なんですが、贈与税では、通常ここまでは税金がかからないという基礎控除の年間110万円を超える財産を「もらう」と税金が課税されることになっています。
 
 
◆なるほど。年間110万円までは贈与税が掛からないんですね。
 
◇はい。ここでポイントなのは「もらう」という点で、もらった人に税金が課されるため、例えばお父さんとお母さんから子どもに100万円ずつあげた場合、子どもはその年に200万円もらっていることになるので子どもに贈与税が課税されますが、お父さんから子ども2人にそれぞれ100万円ずつ、計200万円あげた場合、子どもはその年に100万円しかもらっていないので、2人とも贈与税が課税されません。
 
 
◆基礎控除額が年間110万円ですからね。
 
◇そうです。なので、相続税対策での贈与と考えるなら、子どもの他にも子どもの配偶者や孫など贈与する人を増やせば、贈与税が課税されることなく1年でかなりの財産を少なくすることができます。
 
 
◆なるほど。そうなりますよね。
 
◇ただし、贈与をした人が亡くなった場合、相続又は遺言でその方から財産を取得したときは、その相続開始前7年以内にもらっていた財産の一部が相続税の対象財産に含まれてしまうという規定がありますので、注意が必要です。
 
 
◆言い方を変えると、贈与した人が亡くなった場合、亡くなる7年前までにもらった財産は、年間110万円以内でも相続税の対象財産になるということですか?
 
◇そういうことです。ですから贈与する人が元気な内から長期計画で贈与を考えないと相続税対策にならないこということです。
 
 
◆なるほど、分かりました。ちょっと話は変わりますが、基礎控除が110万円では不動産などの高額財産には贈与税がかかってしまいますよね。
 
◇はい。実は不動産など高額なものを贈与したい場合は、贈与税も高額になりがちですが、親と子・祖父母と孫という関係で、あげる人が60才以上、もらう人が18才以上であれば、相続時精算課税という制度が利用できます。
 
 
◆「相続時精算課税制度」ですか?
 
◇はい。あと2日後になりますが、令和6年1月1日以降の贈与なら、年間110万円の基礎控除のほか最大2500万円までの特別控除を利用することができるので、税負担を軽減することができます。
 
 
◆税負担を減らすことが出来るんですか?
 
◇はい。相続時精算課税制度は、年間110万円の基礎控除額を超える金額は相続の対象財産とみなされるので、いずれ相続税がかかるかもしれませんが、早めに財産を移転できる点にメリットがあります。例えば、賃貸不動産をお持ちの方であれば、早めに財産移転することでその後の所得を子どもや孫の所得にすることができるので、相続財産の増加を抑えることができます。また不動産の共有はできますが遺産分割がしづらいので、誰に何をあげたいかを元気なうちにはっきりさせたい時などは、相続時精算課税を利用したい場面です。
 
 
◆なかなか理解しづらいですが、メリットがある制度なんですね。
 
◇相続時精算課税制度は、相続対策にも使える制度です。以前はこの制度を利用するにはかなり検討が必要でしたが、この度の税制改正で令和6年1月1日以降とても利用しやすい制度になりました。

◆「相続時精算課税制度」は、税制改正で利用しやすくなったのですね。

◇はい。先週と今週の2回に分けて「相続税と贈与税」について、お話しさせてもらいましたが、ポイントをまとめますと、
・相続税は遺産総額と家族構成で変わるので財産の洗い出しが大事
・年110万円までの贈与は贈与税がかからない
・相続の対策は皆必要
といったところだと思います。
 
 
◆分かりました。
 
◇贈与税の申告は、所得税の確定申告と同じで毎年3月15日が期限となっていて、確定申告時期は無料相談会場が各地で開設されます。所得税の申告に併せて相続や贈与についてもご相談なさってみてはいかがでしょうか。また、通常は中国税理士会の税金相談センターまでご連絡ください。電話番号0120(927)370です。また、中国税理士会ではYouTubeでも情報を発信していますので、まずは動画をご視聴いただければと思います。
 
 
◆越智さん、2週にわたり大切な「相続税と贈与税」のお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

相続税
2023/12/23放送
出演者
越智法律会計事務所 税理士 越智満さん

◆今週・来週はシニア世代に関係の深い「税金」について、勉強していきたいと思います。スタジオには税理士の越智満さんにお越しいただきました。越智さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
 
◆まずは越智さんのプロフィールを簡単にご紹介しましょう。越智さんは1988年(昭和63年)、大阪市でお生まれになり、現在35歳。平成27年に税理士になられ、現在は奥さんの出身地である山口市の越智法律会計事務所で働いておられます。今年からは中国税理士会の広報部員としても活動されていらっしゃいます。
という越智さんですが、今週・来週の2週にわたり、シニア世代に関係の深い「税金」についてお話しいただけるとのことで、よろしくお願いします。
 
◇分かりました。今日は「相続税」についてお話ししたいと思います。
 
 
◆今日のテーマは「相続税」ですね。
 
◇はい。相続に関係ある方は人口の何%かというと100%ですが、相続税が関係する方は人口の8%程度で、100人に8人しか関係のない税金で、実はあんまり関係がないかもしれません。
 
 
◆え~そうなんですか。
 
◇そうなんです。人生100年時代と言われ、老後の資金がいくら必要かも分かりませんので、お金はあればあるだけ安心できますが、「自宅とある程度のお金」があるから相続税がかかるんじゃないかという不安をお持ちの方が多いです。また、相続税を計算するときに自宅がいくらになるのかもわからないという方も多いです。
 
 
◆私も自宅の価値はよく分かりません。
 
◇そうですよね。また、相続税が掛かるかどうかの目安は人によって違うので、相続税の仕組みと相続税が掛かるかどうかの目安を知っていた方が良いと思います。
 
 
◆詳しく教えてください。
 
◇はい。まずは、相続税の仕組みについてですが、亡くなった方の財産の総額からここまでなら税金がかからないという基準の基礎控除を引いた金額がプラスなら相続税が発生します。
 
 
◆財産の総額・遺産総額が基礎控除額より多ければ相続税が発生するわけですね。
 
◇はい。では、財産とはと言いますと、「現金・預貯金」「株式」「自宅などの不動産」「山」「田畑」「保険金」「宝石や骨董品」などのプラスの財産もあれば、「借金」「クレジットカードなどの未払金」等のマイナスの財産もあります。また、お葬式にかかる費用もマイナスの財産としてみることができます。
 
 
◆なるほど。財産にはプラスだけでなくマイナスもあり、その合計が遺産総額になるわけですね。
 
◇そうです。そして基礎控除についてですが、計算式は3000万円+600万円×法定相続人の数です。
 
 
◆繰り返します。相続税の基礎控除額は<3000万円+600万円×法定相続人の数>ですね。
 
◇はい。例えば、夫婦と子ども2人のご家族でお父様が亡くなった場合は、奥様とお子様2人の合計3人が相続人となりますので、3000万円+600万円×3人=4800万円が基礎控除の金額となります。遺産総額が4800万円以下であれば相続税はかからないと言うことになります。
 
 
◆なるほど、分かりました。法律で定められた相続人・法定相続人とはどう決まるのですか?
 
◇法定相続人とは、家族構成によって順番があります。第一順位は、配偶者と子ども、第二順位は、配偶者と親、第三順位は、配偶者と兄弟姉妹となります。言葉だけで聴くとかなり複雑に感じると思います。分かりやすく言いますと、夫婦で財産を築いてきたので、配偶者は必ず相続人になります。配偶者のほかについては、下の世代がいれば下の世代、下の世代がいない場合には上の世代、上の世代もいない場合には兄弟姉妹のような横の世代の順番で相続人になるということです。
 
 
◆下の世代とは子ども、上の世代とは親ですね。
 
◇そうです。しかし、子どもはすでに亡くなっているけど孫がいると言う場合には、代襲相続といってお孫さんが相続人になります。お孫さんからすれば、本来お父さんやお母さんが受けられる権利を引継げるというイメージです。
 
 
◆相続人である子どもが亡くなっている場合、孫に相続権が引き継がれることを、代襲相続というのですね。
 
◇そうです。「世代の代に襲名の襲」と書いて「代襲」です。相続は、いずれ老若男女誰にも訪れます。そのときに、相続をする方が一番困るのは「どこに何があるか分からない」ことなので、遺言書の作成とまでは言いませんが、どんな財産があるかの洗い出しは相続税の有無にかかわらず皆がしておいた方が良いです。せっかく楽しい人生を送ってきたのに、自分が亡くなった後に争う相続になるのは悲しいですからね。
 
 
◆家族・親族が争うことは本当に悲しいことですよね。財産はエンディングノートに書いておくのも良いですよね。
 
◇そうですね。また、財産の洗い出しはしたものの財産の評価がいくらになるか分からないときや、相続税の対策を知りたいときは中国税理士会の税金相談センターまでご連絡ください。電話番号は0120(927)370です。また、中国税理士会ではYouTubeでも情報を発信していますので、まずは動画をご視聴いただければと思います。
 
 
◆財産の評価額や相続税対策については、中国税理士会の税金相談センター電話番号0120(927)370、0120(927)370に連絡してください。またYouTubeでも情報を発信されているということです。越智さん、今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

終活にかかる費用について②
2023/12/16放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖 さん

◆今週も先週に引き続き、「終活にかかる費用について」学んでいきたいと思います。スタジオにはNPO法人 山口県終活支援協議会理事長 徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、今日もよろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆とくさん、先週は「終活にかかる費用」の内、「お葬式」と「お墓」について、お話しいただきました。今週は何についてお話しいただけますか?
 
◇今日は「墓じまい」と不動産の処分にかかる「費用」についてお話ししたいと思います。
 
 
◆分かりました。ではよろしくお願いします。
 
◇まず、ここ数年、圧倒的に問合せが増えているのが「墓じまい」です。「墓じまい」とは読んで字のごとく、お墓をしまうこと、お墓を解体することです。
 
 
◆「墓じまい」の問い合わせが圧倒的に増えているということは、お墓を引き継ぐ者がいない、子どもに負担をかけたくないという方が増えて来ているということでしょうかね。
 
◇そうですね。ただ、お墓には当然、ご遺骨が安置されていますので、墓じまい後のご遺骨は当然、次の安置場所に移動しなければなりません。その先について最も多いのが納骨堂になります。納骨堂もいろいろなタイプがあり、利用料金も5万円程度の合葬墓から1千万円以上の自動搬送型納骨堂まであります。その中で最も利用されているのが骨壺を並べて安置するマンション型で、価格としては30万円から100万円で年間5000円から1万円程度の管理費が別に必要な施設が多いようです。
 
 
◆「墓じまい」後のご遺骨の安置場所として、最も多いのが納骨堂なんですね。そしてその納骨堂にもタイプがいろいろあるんですね。
 
◇はい。墓じまいについては場所や石の大きさによって大きく価格が違います。目安として1平方メートルあたり5万円から20万円と大きな差があり、実際に検討する際には 石材業者数社に相見積もりを取って比較するのがベストだと思います。そして、墓じまいをする場合「魂を抜く」と書く「抜魂供養」を行うことがあります。これは宗教儀式ではあるのですが、工事業者によっては抜魂供養をしなければ工事を請け負わない業者もありますので、基本的には抜魂供養を行ってください。
 
 
◆「墓じまい」は価格が大きく違う場合があるので、数社に相見積もりを取った方が良いということですね。また、「抜魂供養」は行うべきということですが、どれくらいかかるのですか?
 
◇はい。神職・僧侶と相談ですが、お布施や玉串料はお心でという、一番難しいところで、こっそり言いますと1万円から5万円といったところです。
 
 
◆これは大事な情報ですね。分かりました。
 
◇次に終活、特に遺産処理で一番困るのが不動産の処分です。家主が亡くなられて家土地が残った場合、相続人にその管理、処分の責任がかかります。たとえ相続放棄をしても家の管理権は残りますので、古い家が残った場合には大変な負担となってしまいます。特に山口県の場合は土地価格が極端に低いため、不動産の処分は困難を極めます。売りたくても買い手がなければ、どうしようもありませんからね。不動産屋さんでも古い家屋の買い取りは行わず、買い手を探す仲介のみを行うことが多いようです。家屋を取り壊して土地のみを売却することもできるのですが、解体費用は最低でも100万円以上します、よって土地価格よりも高く付いてしまうこともありますので、注意が必要です。
 
 
◆不動産の処分は中々難しいですね。特に土地価格が低い山口県では大変なんですね。
 
◇そこで、以前、お話ししたことがあるのですが、リバースモーゲージの活用も考えておく必要があると思います。
 
 
◆リバースモーゲージとはどういう制度ですか。
 
◇リバースモーゲージとは生前に自宅を売ってしまい、その代金を先にいただく。しかし、その家はそのまま住み続けることができる制度です。
 
 
◆なるほど。分かりました。
 
◇ただし、住んでいる間は利息相当の家賃を払い続けるようになりますので、あまり早いうちからの制度活用は考えたほうが良いと思います。また山口県では先に述べました通り 不動産価格が低いので、あまり大金が入ると期待しない方がいいと思います。
 
 
◆不動産の処分は中々大変なことですが、リバースモーゲージの活用も含めていろいろと考えることが必要ということですね。
 
◇そうですね。最後になりますが、家と同時に家財の処分についても考える必要があります。もちろん家を売却するときに家財付きでというパターンもありはするのですが、一般的には家財は処分しなければなりません。ただ、家財の処分は生前に行えませんので、家族・相続人によって行うことになります。ここ最近では遺品整理を専門に行う業者さんも増えてきましたので、一度、見積もりだけでもしておくと安心かもしれません。それから家財の中には、お宝が眠っている可能性があります。ここは一度、宝探しの気持ちで、自分自身で断捨離を行ってみてはいかがでしょうか。
 
 
◆本来であれば価値がありそうな物や大切な物などは家族での引継ぎがあるべきと思いますが、そうでないことも多いようですね。
 
◇そうですね。最近でも家主がいなくなった部屋の片付けの際に宝石箱を発見して数百万円の価値があり、相続人が大喜びしたという事案もありました。また、遺品整理業者に任せっきりにしたため、ご家族の大切な思い出の品などが、そのまま処分されてしまった事案もありました。このように遺品整理一つにしてもドラマがあります。遺品整理は一生に一度か二度くらいしか体験しないと思いますので、まずは自分が主体となって行うことが大切かと思います。
 
 
◆分かりました。2週にわたり「終活にかかる費用」についてご紹介しましたが、参考になったことも多かったと思います。とくさん、貴重なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

終活にかかる費用について①
2023/12/09放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖 さん

◆今週と来週は「終活にかかる費用について」学んでいきたいと思います。スタジオにはお馴染み、NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長の徳沢靖さん、通称とくさんにお越しいただきました。とくさん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
 
◆とくさん、今週・来週は「終活にかかる費用」をテーマにお話しいただけるとのことですが…
 
◇はい。以前もお話ししたことがあるのですが、改めて最新情報を交えて「終活にかかる費用について」お話ししようと思います。今日は「お葬式」と「お墓」の費用について、お話ししたいと思います。
 
 
◆分かりました。ではよろしくお願いします。
 
◇はい。では、まず終活といえば最初に思い浮かぶのが「お葬式」ですね。お葬式は突然訪れるもので、悲しみの中、費用について中々考えられないのが実情ではないでしょうか。ましてや葬儀におけるマネージメントの責任者と言える喪主ともなれば葬儀社との打ち合わせや親戚等への連絡など、とても悲しんでいる暇などありません。そのような中、大金が必要となる葬儀について、冷静に考えるのは至難の業と言えます。しかし、ある程度の相場感さえあれば、そんなに大きく後悔することはないでしょう。それでは今年発表された鎌倉新書のデータから葬儀に関する金額をご紹介します。まず葬儀費用とは祭壇などの基本料金、飲食費、返礼品等の総額でお寺さんにお渡しするお布施や戒名料は含まれませんのでご注意下さい。
 
 
◆お寺さんへのお布施や戒名料を除いた「お葬式」の概算費用ですね。どれくらいなのでしょう。
 
◇では、まず葬儀費用の全国平均ですが、110.7万円となっています。しかし、山口県の平均はなんと121万円で全国平均よりも10万円も高い結果になっています。これは全国11位です。最高額は山梨県の166万円、最低額は大分県と山梨県の86万円で大きな差となっています。
 
 
◆葬儀費用は随分と差があるんですね。そして山口県は全国的見て、かなり高い方なんですね。
 
◇はい。また、コロナ以前の2016年の調査では全国平均が118万円と今回調査よりも7万円高く、山口県は123万円と2万円の差で、ほぼ横ばいと言えます。ただ、2016年と2022年ではコロナの影響で葬儀の形態が大きく変わりました。実はコロナ前からその傾向は強くなっていたのですが一般葬から家族葬へと大きくシフトしてきています。家族葬、少し前まで密葬と言われていたもので、家族などごく親しい人のみで行う小さなお葬式のことで、全体の56%にも及びます。
 
 
◆本当に家族葬が多くなってきましたよね。
 
◇この家族葬は少人数で故人を送る葬儀なのですが、後日、最後のお別れが出来なかった等と苦情が来たり、それなりに問題もあるのですが、今日はお金についての解説ですので葬儀の形態については省略します。さてこの家族葬ですが、費用的には確かに一般葬と比較しても安く、一般葬の149万円と比べて家族葬では96万円となっています。しかし、一般葬であれば香典が包まれるのが普通であり、その収入を考えると一般葬も家族葬も費用についてはそこまでの差はないのかもしれません。
 
◆なるほど。一般葬のおおよその費用は149万円、家族葬のおおよその費用は96万円ということですね。しかし、一般葬と家族葬では香典に違いがあるので、実際にはそこまでの差はないかもしれないということですね。
 
◇はい。さて次に大金が必要となってくるのが「お墓」です。まずお墓を建立するには土地が必要であり、お墓を建立することができる場所は墓地として行政から許可を受けた場所に限られています。今後、団塊世代の亡くなる方が多くなる時代に備え、墓地の造成も進んでいるのですが、同時に価格も高騰しており、都市部では1メートル角の小さなスペースが1千万円以上という考えられないような現状があるようです。もっとも山口県では墓地の入手は比較的簡単なので、墓を建立するスペースは問題ないように思います。
 
 
◆都市部の墓地代は大変な金額ですが、山口県ではそう高くはなく、入手も比較的難しくないということですね。
 
◇しかし、輸入墓石が極端に高騰しており、国内産も資源が枯渇してきたため、高値で取引されており、石材価格は10年前と比較して平均して約2.3倍ほどに跳ね上がっています。
 
 
◆石材価格は10年前の2.3倍ですか。随分高くなっていますね。
 
◇はい。輸入石材の主力であった中国産の石の入荷が国際情勢からか、このところ不調でして、そのため値段も高騰しています。代わってインド産の石材の輸入が増えているのですが、重たい石材の輸送コストがかかるため、費用対効果、いわゆるコストパフォーマンスはあまり良くないように思います。また国内産も資源が枯渇しており、山口県内の有名な石材も、ほぼ出荷を停止していると聞いています。よって国産石材については建築物等で使用されていた石材を再利用する動きが出ており、まさにSDGsといった
ところでしょうか。
 
 
◆石材について、国内産が取れなくなりつつあり、輸入産も近くの中国産の入荷が難しくなってきているので、価格が上がっているということですね。
 
◇はい。まとめますと、墓石の建立費用は全国平均価格で169万円ほどとなっています。これに土地の永代使用料を含めますと、山口県においても200万円前後が墓の建立に必要となります。また、墓地を使用する場合には別に毎年の管理料等が必要となるのが普通で、通常、年間5000円から数万円までとなります。
 
 
◆お墓の建立費用は永代使用料を含めておおよそ200万円ということですね。とくさん、残念ながら時間がきてしまいました。今日は「終活にかかる費用」の内、「お葬式」と「お墓」についてお話しいただきましたが、続きは来週にお願いします。
 
◇分かりました。来週は墓じまいや納骨堂、住居の処分、遺品整理などについてお話ししたいと思います。
 
 
◆とくさん、今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

訪問看護について
2023/12/02放送
出演者
合同会社ハレノヒ「ナースステーション愛花・訪問介護ステーション愛花」統括 日山利香さん

◆先週と今週は「訪問介護・訪問看護」について学んでいます。スタジオには先週に引き続き、合同会社ハレノヒ「ナースステーション愛花・訪問介護ステーション愛花」統括の日山利香さんにお越しいただきました。日山さん、今日もよろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆「愛花」さんは「愛する花」と書きまして、岩国地区を拠点に「訪問介護・訪問看護」事業を展開されています。さて先週は「訪問介護」についてお話しいただきましたので、今週は「訪問看護」についてお願いします。
 
◇分かりました。現在は、医療的な処置が必要でもご自宅で安心して生活をされている方が増えてきています。「訪問看護」とは、病気や障害を持った人が住み慣れた地域で、その人らしく療養生活を送れるように、看護師等が生活の場へ訪問し、医師の指示書のもとに看護ケアを提供し、自立した生活を送れるよう支援するサービスです。
 
 
◆なるほど。大切なことですね。「訪問看護」で行う具体的な内容を教えてください。
 
◇はい。「訪問看護」の内容としては
 
・病状の観察(病気や障がいの状態、血圧・体温・脈拍などのチェックをし、異常の早期発見)
・在宅療養のお世話(身体を拭く、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助・指導)
・医師の指示による医療処置(点滴、胃ろうなどのカテーテル管理、インシュリン注射など)
・医療機器の管理(在宅酸素、人工呼吸器などの管理)
・認知症・精神疾患のケア(利用者と家族の相談、対応方法の助言など)
・介護予防(健康管理、低栄養や運動機能低下を防ぐアドバイスなど)
 
などなど多岐に渡ります。
 
 
◆随分と色々なことが可能なんですね。「訪問看護」にはどのような方が訪問されるんですか?
 
◇看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士たちが訪問させてただき、必要なケアをさせていただきます。
 
 
◆「訪問看護」はどうような方が利用できるのでしょうか?
 
◇赤ちゃんからお年寄りまで、病気や障害のある方で訪問看護が必要な方にご利用いただけます。また訪問看護を利用したい場合は、かかりつけ医、ケアマネジャー、お近くの訪問看護ステーション、地域包括支援センター、県内各市町の介護保険や障害福祉の担当窓口などにご相談ください。
 
 
◆訪問看護を必要とするすべての人が利用できるのですね。費用的にはどうでしょうか?
 
◇訪問看護の費用は介護保険や医療保険を使用することが可能です。利用する保険、訪問看護の提供内容、自己負担の割合などによって、支払額が変わりますので 利用がはじまる前に、訪問看護ステーションから詳細の説明があると思います。
 
 
◆「訪問看護」についてよく分かりました。先週お話しいただきました「訪問介護」と合わせてすごく大切な事業だと思います。「訪問看護・訪問介護」ともに「住み慣れた家・地域で自分らしい生活を続ける」という考えが根底に強く感じられますね。
 
◇そうなんです。国が推進しておりまして「地域包括ケアシステム」と言います。要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしが続けられるよう、高齢者一人ひとりの状態やニーズに応じて医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスを切れ目なく提供する取り組みです。医療・介護などの専門職から地域の住民一人ひとりまで、様々な人たちが力を合わせて対応していこうとしています。そしてその中核的な役割を担うのは「地域包括支援センター」です。
 
 
◆「地域包括ケアシステム」についてはこのコーナーでも紹介したことがありますが、早く理想とする体制になることを期待しています。そして勿論「ナースステーション愛花・訪問介護ステーション愛花」さんもこの中にいらっしゃるんですよね。
 
◇そうですね。
 
 
◆分かりました。では最後に一言お願いします。
 
◇私たち「愛花」は、「訪問介護ステーション」を2年前に開設し、岩国地区等を拠点にご自宅へ伺わせていただき 支援をさせて頂いています。日々、大変なこともありますが「待っていたよ」「来てくれてありがとう」という言葉を頂くたびに「やっていてよかった~」と幸せにしてもらい、「また頑張ろう」と日々訪問をさせて頂いています。「愛花」はこの度10月1日から「ナースステーション」も開設いたしました。その方らしく、ご自宅で過ごしていただけるよう「愛と想像力をもって」愛花のスタッフは、日々、訪問をさせて頂いています。看護・介護等でお困りごとがあるときは お気軽にご相談していただきたいと思います。
 
 
◆日山さん、2週に渡り、大切なお話、ありがとうございました。お仕事、頑張ってください。
 
◇ありがとうございました。