ちひろDEブレイク

みすゞ心のメッセージ

11月21日にお届けした詩は「金魚のお墓」

 お墓の中で、冷たい土の中で、金魚は何を想っているだろうかと、思いを寄せている詩です。夏のお池の藻の花や、揺れる光のまぼろし、落葉の上をゆく夜のしぐれの足音・・・。そして、同じ金魚屋の荷のなかにいた、むかしのむかしの友だちを想っているだろうと、みすゞさんは綴っています。
 さみしい土の中に、心を寄せた時、私たちの心にはとても静かなひとときが流れますね。現代の忙しく賑やかな時の中で、少しの時間、そうした静寂にある暗さの中に思いを寄せるひととき、なんだか寂しいけれどそれが味わい深い時間で、大切なひとときのような気がします。(ちひろ)

11月14日にお届けした詩は「灰」

 花咲爺さんに灰をもらえたら、と想像するお話です。
 一度も赤い花が咲かないつまらなそうな森の木に、灰のありたけを撒いて、
みごとに花が咲いたとしたら、その木はどんなにうれしいだろう、そして「わたし」もどんなにうれしいだろう、と詠っています。
 木が嬉しいことが私も嬉しいこと。この心の寄り添い方がみすゞさんの詩に流れている心です。
 あなたが嬉しいことが、私も嬉しくなること。そんな心の通い合いがいっぱいいっぱい広がったら、とっても素敵な世の中ですね。(ちひろ)

11月7日にお届けした詩は「一軒家の時計」

 みすゞさんの詩には時計の詩もいくつかありますね。お家で時を刻んでくれる振子時計がみすゞさんは好きだったのでしょう。
 時計の針が遅れていると、すぐに正確な時間に直してしまうでしょう。でもみすゞさんは、のろまの時計をそのまま優しく見つめています。
 以前私は、家の時計を3分早くセットしたりしていました。自分が予定に遅れないようにするために。そこまで時間に追われてしまう感覚になった自分にハッと気づいた時、心の余裕がないことに気付きました。
 今は通常の時間に戻していますが、時には時間を気にせずに気のままに過ごす日があっても、いいですね。(ちひろ)

10月31日にお届けした詩は「おさかな」

 金子みすゞさんが大正12年に雑誌「童話」に投稿し、初めて掲載された詩、みすゞさんのデビュー作です。
 512編の詩の中では2番目に登場してきます。
 海の魚はかわいそう。と綴られるこの詩。長門市仙崎の港町で見つめる光景が、みすゞさんの心を育んだことが伺える詩がたくさんある中で、この詩もそのように感じます。
 私たちは気づかない間に、故郷や周りの環境、出逢う人によって、心が育まれているんですよね。
 ハロウィンの今日、色々な心の恵にも感謝ですね。(ちひろ)

10月24日にお届けした詩は「秋日和」

 日本の田園風景の秋の様子、そこから広がる秋の空、とても爽やかな詩の世界です。すっかり寒くなって来たこの頃ですが、この秋の季節をもう少しゆっくり堪能したい気持ちになりますね。冬の訪れの前の、過ごしやすい気候とたくさんの実りあるこの秋。読書のひとときに、金子みすゞさんの詩はとっても心豊かになりますよ。(ちひろ)

10月17日にお届けした詩は「見えないもの」

 誰もみたことないものを、誰がうそだと言えるでしょうか、というお話です。
 自分自身がこうだと感じるもの、そう見えるもの、または逆に相手がこうだと感じるもの、そう見えるものを、誰も否定することは出来ない。
 心の中に大切にしているものであったり、信じているものであったり、そうした大事なものを、お互いに受け入れていくことの優しさを問いかけています。

 見えなくても、確信はなくても、証明出来なくても、その思いを尊重する気持ちは、現代に必要な、プラスな曖昧さかもしれませんね。不確かなものをどう認めるか。難しいけれど、心のものさしをしっかり持っていれば、易しいことかもしれません。(ちひろ)

10月10日にお届けした詩は「大きな文字」

 お寺の境内にある、大きなイチョウの木を筆に見立てて、空いっぱいに「コドモノクニ」と書いたら、今に出てくるお月さまがびっくりするだろうというお話。
 金子みすゞさんは、大正から昭和初期にかけて出版された児童雑誌「コドモノクニ」の影響を大きく受けていました。
 きっと、みすゞさんは、この私たちの目の前に広がる光景、この世界が雑誌に表現される世界そのものであり、眼に心に映っていたのだと思います。その感覚をとても大事にしていたのだと思います。(ちひろ)

10月3日にお届けした詩は「子供の時計」

 3里先からでも字が読めるお城のような大時計がないかしらと想像する可愛い詩です。
 時計の中で子どもたちがみんなで針を回したり、大きな振子に乗って遠くの景色を眺めたりと、アンデルセンの童話の世界のようなおとぎの国のお話のようです。
 そしてみすゞさんは歌が大好きだったんですね。
 自分たちの歌でお日さまが目を覚まし、日暮れは星が出てくれたら、どんなにうれしいでしょう、と綴るみすゞさん。
 歌がある一日。やっぱり、いいですね?
(ちひろ)

9月26日にお届けした詩は「紙鉄砲」

 今はもうこの遊びは懐かしい原風景となっているでしょうか「紙鉄砲」。
 竹の筒に丸めた新聞紙を込めて押し出す時に「ポン!」と鳴る紙鉄砲。
 みすゞさんが生きた時代に、一気に流行ったようです。
 紙鉄砲が一日で流行ったこと、秋が一日でやって来たこと。
 軽快に秋の空の涼しさのように、伝わってくる気持ちの良い詩です。
(ちひろ)

9月19日にお届けした詩は同じ題名の二つ詩「帆」

 同じ題名「帆」で、二つの詩があること。同じ作家で珍しいことですが、この二つの詩を書かれた期間はおそらく2年ほどの間があります。
 その中で、みすゞさんの心の背景を感じるような気がする詩です。
 約5年の間に512編の詩を創作したみすゞさん。その5年はみすゞさんの人生の中では激動の5年だったように思います。詩人デビュー、結婚、出産、そして夫による詩の創作の禁止。。。
 「帆」から感じる心の色も、その中の1ページ。せつなく海に消えていきます。
(ちひろ)

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