2009年12月 アーカイブ

今年を締めくくるにあたって

2009年12月28日 カテゴリ:お天気や

今年もKRYで天気予報をチェックして頂き、
また、tenki@kry.co.jpへのリポートで
多くの方々に天気コーナーに参加も頂き、ありがとうございました。
 
今年は豪雨災害という、大変痛ましい気象災害が起きた年でした。
気象情報のあり方、伝え方について
気象予報士として何をすべきなのか、
考えることの多い一年でもありました。
来年は平穏な一年であることを願いたいものですが、
いざという時のために信頼される情報をお伝えできるよう
今年の出来事を教訓にして、
来年以降の天気コーナーに生かしていきたいと思います。
 
来年は、リアルタイムやまぐちは1月4日(月)スタートです。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。
年末年始は厳しい寒波に見舞われそうですので、
体調管理や交通安全に十分、気をつけて
よいお年をお迎え下さい。

寒波予測のセオリー

2009年12月14日 カテゴリ:お天気や

今月4日の「さわやかモーニング」で
「バイカル湖付近に1050ヘクトパスカル以上の高気圧があると、
 その数日後に大寒波」
という天気予報のセオリーを紹介しました。
yamamoto_091214_1.jpg
 
コンピュータの技術が未熟だった昔は、
天気図から寒波の襲来を予測していたのです。
今では、コンピュータによる数値予報が発達して
何日も先の寒波襲来が詳細に読めるため、
このことを知っているのは、気象予報士でも少ないかもしれません。
そういう意味では「セオリー」と言うほどではない
無用の知識なのかもしれませんが、
私は、このセオリーを先輩予報士から教えてもらった時から、
冬は常に、大陸の高気圧に注目するようになりました。
コンピュータの計算結果が見られなくても、気象予報士でなくても、
新聞などで見られる天気図から寒波の襲来を知ることが出来る、
とても便利な方法ということもありますが、
そんな方法を経験で培ってきた先人の「職人技」とも言える知識は
私たち現代の気象予報士が
引き継いでいくことが必要ではないか、とも思っています。
 
さて、きょうの天気図でバイカル湖付近に注目すると、
中心気圧1052ヘクトパスカルの高気圧が見られます。
yamamoto_091214_2.jpg
 
先週後半の段階から、コンピュータが
大寒波の予測は行っていましたが、
いよいよ、大寒波が来ることは
ほぼ間違いない状況になってきたようです。
万全の寒さや雪への備えと、日々の詳しい予報のチェックを行って
冬将軍に立ち向かいましょう!

今年の漢字・天気版

2009年12月11日 カテゴリ:お天気や

漢字一文字。
その文字1つで、いろんな思いや記憶が蘇ってきます。
毎年恒例の、今年一年を象徴する漢字「今年の漢字」が
「新」と発表されました。
政権交代で新内閣、スポーツの新記録、新型インフルエンザなど、
この一年の様々な出来事が、この一文字に凝縮されました。
 
けさの「さわやかモーニング」では、
今年の天気を象徴する漢字「豪」をお伝えしました。
yamamoto_091211_1.jpg
 
7月21日、県内を襲った記録的豪雨。
改めて自然の恐ろしさを痛感し、
自分自身にとっては、気象情報の伝え方を見つめ直すことになる
衝撃的な出来事でもありました。
 
いつもtenki@kry.co.jpにリポートを頂く皆さんに
お願いしたアンケートでも、
「豪」をはじめ、「災」「恐」「雨」など
豪雨関連の漢字を挙げる人が6割にも及びました。
yamamoto_091211_2.jpg
 
「豪」という漢字を通して、記憶の風化が進まないように、
そして豪雨災害が二度と繰り返されないようにしたいものです。
 
ちなみに来週にかけての天気は
「寒」「雪」「凍」に凝縮されそうです。
早めの備えと、日々の天気予報のチェックを、
いつも以上に入念にお願いします。