2008年5月 アーカイブ

気象予報士の想い

2008年5月 8日 カテゴリ:お天気や

近所の小学生が、社会の勉強で
気象予報士の仕事について尋ねてきたことがありました。
そのときに、私が小学生に、ある1つの質問をしてみました。
 
「天気予報って、何のためにあると思う?」
 
小学生どころか、今では大人でも
この質問に正確に答えられる人は少ないかもしれません。
 
天気予報は、お洗濯のためでも、行楽の計画のためでもありますが、
一番の目的は、人間の命、財産を守ること。
天気予報の技術の進歩は、
気象災害による被害の減少と密接に関わっていて、
昔は毎年、犠牲者が数百人~数千人もいたのが、
今では台風1個来ても、犠牲者ゼロ、ということも多いですね。
あらかじめ天気が荒れるのが分かっていることで、
それに対する万全の備えができ、
命や財産を守ることができる、というわけです。
 
気象予報士というのは、日々、天気予報を行っていますが、
その心の奥底には、気象災害を減らしたい、
という想いが常にあります。
 
そんな中、飛び込んできたのが、
ミャンマーのサイクロンによる大きな被害のニュース。
テレビや新聞などでの報道のたびに、被害が大きくなり、
海外のことでありながら、非常に胸が痛むニュースです。
 
ミャンマーの国内事情は、よく分かりませんが、
日本は、気象予測の技術が高く、
しかも、いろんなメディアで天気予報を手に入れることが出来る国。
恵まれた環境に感謝しつつ、
天気予報を有用に使っていきたいですね。
 
なお、ミャンマーを襲ったサイクロンは、発生場所が違うだけで、
基本的には台風と同じ構造です。
実は、日本のはるか南でも、台風の卵ができはじめています。
yamamoto_080508.jpg
 
この台風の卵は、来週にかけて、天気予報の話題に上りそうな
気になる動きをする可能性があります。
台風をはじめ、気象災害が心配される時は
随時、お天気コーナーでお伝えしますので、
日々、放送をチェックしてくださいね。
 
※追記
 台風の卵は、8日午前3時に台風2号となりました。
 今後の動きには、ご注意ください。