マラソンTV中継後の話
2010年12月24日 カテゴリ:ダメだコリャ
第41回防府読売マラソンのTV中継後の話。
僕らの生放送でフィニッシュをお伝え出来るのは
ほんの一握りのランナーしかいない。
しかし、防府の制限時間は4時間、
放送後もランナーたちの激走は続いていた。
この防府を引退レースに選んだ中国電力・梅木蔵雄選手の
フィニッシュ。
苦しくてもレースを止めずに最後までファンに勇姿を見せた。
そして、その日たまたま調整が合わず存分な結果が出せなかった
トップランナーも続々フィニッシュを迎えた。
優勝を目指す目的は途切れても諦めず走り切る姿は
やっぱり素晴らしい。
そして、他の市民マラソンよりも競技性の高い防府で自分の力を
試す市民ランナー達の力走もこの防府を熱くしてくれた。
そんなランナー達を見守る地元防府の人は、
大のマラソン好きが多い。
沿道に家の椅子を持ち出して座って最後のランナーまで応援する
おじいちゃん。
トップがやって来るまで食堂のTVで見て選手がやって来たら
店そっちのけでエプロン姿で沿道に出るおばちゃん。
さらに、給水や交通規制など多くのボランティアの方々も
声援を欠かさない。
また、長時間に渡る交通規制の理解と協力があって、
ランナー達は広い綺麗な道路を独占して気持ちよく走れるのだ。
その気持ちに応えてランナーも激走する。
そして、沿道で最後まで声援を送ったというファンから、
レース翌日に訊いた話。
スタートから4時間が経過。無情にも陸上競技場の
グロリアスゲートの門が閉まった。
しかし、まだ走っているランナーが3~4人いた。
その直前の関門地点をクリアしたランナーが、
グロリアスゲートを目指して競技場の敷地を走っていたと言う。
閉まっていてもグロリアスゲートを目指す。一歩一歩。
そばにいる観客も応援し続けた。
片付けを始めたスタッフの間をすり抜けゲートの前まで走り切り、
自分のフルマラソンを終えたと言う。
「あと数分、あと数人ゲートを閉めるのを待ってあげられたら…」
とその瞬間を目撃したファン。
規則は規則であることは大前提ではあるが…。
来年の防府読売マラソンは新たなコースで再出発する。
放送時間以降のランナー達の情熱・気持ちも乗せて実況して
行きたい。