すべての人の記憶の中に

2012年7月17日 カテゴリ:ダメだコリャ

今年も第94回夏の高校野球山口大会が開幕。
梅雨空を吹き飛ばすような球児たちの熱いプレーが続いている。
昨日月曜日は下関球場の試合を実況担当した。


その第2試合、下関国際vs.小野田戦。
7回表の投球練習が終わったところで突然の大雨が降り始め、
試合が一時中断となった。
すぐさま、グランドのマウンドとベースの周りに
ブルーシートが被せられる。
大会関係者は携帯電話で雨雲レーダーを見て今後を予測。
いつまで降るのか、遠くの空は明るい。
バックネット裏のゴンドラ席からは六連島が見え始めた。


雨が止んだ。


ひさしの下で雨を避けていたお客さんが元のシートに大移動。
急いでグランド整備。水はけが良い球場とは言え、
土に水が浮き水たまりになっている。
スタッフ総出でスポンジで水を吸って出す。
トンボで水を掻き出す。砂を入れる。白線を引きなおす。
当番校の部員や高野連、審判団、球場関係者、
70人は超えていただろう、
多くのスタッフがグランドに出て整備を行った。
何としてでも続きをやってもらいたい、
少しでも良い状態でプレーをして貰いたいという気持ち。


一方、1塁側3塁側の両チームの応援団は、
中断の間、濡れたまま立ちっぱなし。
チアガールも制服姿の同級生も。
学ランは水を吸いかなり重たく蒸すことだろう。
雨が止んでグランド整備が始まると、
その整備スタッフをも応援しているかのような応援合戦。
キャッチボールや素振りをして気持ちを切らさないように
集中している選手たちにとって
これほどありがたいものはないであろう。


そして、試合中断から40分。ようやくプレー再開!!
7回からの3イニングは、それまで以上にきびきびしたプレーの連続。
伝える僕らもさらに気合いが入る。
結果的に無失策の好試合となった。
雨がもたらしたアクシデント。
この試合に関わったすべての人の記憶にいつまでも残るだろう。