NO.188 昭和の名レスラー

2010年5月26日 カテゴリ:ダメだコリャ

月曜日、ラッシャー木村さんが亡くなられた。
またひとり昭和の名レスラーが天国へ旅立った。
僕も2試合、彼のファイトを実況したことがある。
徳山市体育館の全日本プロレス中継。
96年と98年のサマーアクションシリーズⅡ徳山大会。
トレードマークの黒のロングタイツとヒゲ、
額にはこれまでの激闘の勲章でもある傷跡が
縦に幾筋も刻まれている。
 
平成に入ってからの彼は、
「ファミリー軍団vs.悪役商会」が繰り広げる
“明るく楽しい”魅せるプロレスを展開していた。
間合いが絶妙だった。
ドリフや新喜劇にも劣らない間合いでユーモアを醸し出す。
そして、時折繰り出される往年の必殺技に観客は酔いしれる。
僕もその瞬間を逃すまいと実況した。
 
試合後、お待ちかねのマイクパフォーマンス。
 
「永源!!徳山はすごい熱気じゃないか。
 永源!!今日のようにたくさん汗をかいた日は
 甘いものが欲しくなるだろう。
 そういう日は是非、徳山の外郎を食べなさい!!」と、
ご当地ネタを披露し徳山市体育館は大ラッシャーコールに包まれた。
 
激しい試合を展開しながらも、
いつもどこか“人の良さ”がにじみ出ていたラッシャー木村。
国際プロレスの刺客として新日本に乗り込んでマイクを奪った際に、
「こんばんは、ラッシャー木村です」と
観客にご丁寧に挨拶をしてしまった伝説が示す
“人の良さ”が大好きだった。
ご冥福を祈る。
 
馬場が逝って11年。アニキと慕った馬場がいる天国で
どんなファイトを展開していくのか…。
「アニキ!!近頃のプロレスは勢いが萎ぼんでしまって、
 どうも寂しくていけません」と
マイクで報告しているのかもしれない。