無題

2011年12月 6日 カテゴリ:優・良・可・不可

11月の第90回全国高校サッカー選手権大会山口大会での一コマ。
 
準決勝第2試合、西京vs聖光。
 
延長でも決着が付かず、西京が聖光をPKで降した一戦です。
 
西京の最後のキッカーがPKを成功させると、
キッカーやPKを2本ストップした自分たちの守護神に向かって、
エンジのユニフォームが喜びの疾走を始めます。
 
一方、傍らには、夢敗れうなだれる、青のユニフォーム。
 
その中に、一人だけ、エンジのユニフォームの姿がありました。
 
背番号7。
 
スタンドから目を凝らしてみると、
彼は聖光の選手一人一人と握手をし、言葉を掛け、
肩を抱いていました。
 
ラグビーではないですが、
「ノーサイド」という言葉がピッタリな光景。
 
高校生らしく非常に爽やかなシーンに胸を打たれました。
 
激闘の熱、余韻を冷ます、そんな情景でした…。
 
 
 
師走に入って最初の土曜日、高校サッカーの取材で、
山口県代表の高川学園にお邪魔しました。
 
その日は、高川学園のグラウンドで大会があり、
西京と聖光の姿もありました。
 
西京の今年のキャプテンのお父様にも声を掛けていただき、
先日、このブログに書いた少年サッカーの思い出話で
盛り上がりました。
 
そんな中…。
 
その彼と出会い、11月の県大会の話などをしました。
 
そして「今日の試合が西京の3年生の引退試合なんですよ」と
彼から教えてもらいました。
 
うん、これは是非とも見なければ!!
 
 
 
そして、高川学園の取材も一段落した頃、その試合が始まりました。
 
冬の柔らかな夕陽に照らし出されたエンジのユニフォームの
選手たち。
 
その中でも、一際厳しい表情でボールを追いかける
彼の姿を見ていたら、 冒頭のシーンをはじめ、色々なことが
思い出されました。
 
 
 
初めて話をしたのが今年6月。
 
インターハイの山口県代表を決める試合を
翌日に控えてのことでした。
 
「明日、どうかな」との質問に、
 
「どこが相手でも西京が勝つって相場で決まってるんですよ。
 西京を愛していますから」
と、眼光鋭く一言。
 
それだけ胸を張って言い切れる姿に触れ、
「おっ、面白い選手」と思いました。
 
残念ながら、西京は高川学園に敗れ、
インターハイ出場はなりませんでしたが、
「ミスター西京」と言っても過言ではない、
その思いとプレーぶりに、シビれました。
 
試合終了後、もちろん悔しい思いもあっただろうに、
彼は非常に礼儀正しく丁寧に、話を聞かせてくれてことを
覚えています。
 
以来、試合会場で出会えば、色々な話、賭ける思いを
聞かせてくれて、 その情熱をビシビシとこちらに伝えてくれました。
 
そして、冒頭のシーンでは、人が忘れてはいけない温かさや優しさ、
純粋さを、改めて教えられた気がします。
 
 
 
「スポーツの力」という言葉がありますが、
「それってこういうことなのかな」って、
その端緒らしきものを感じる最近です。
 
そして、高校生がスポーツを通じて教えてくれる、その「ピュアさ」。
 
それはいつまでたっても、持っていられるはずのもの。
 
忘れたくないものです。
 
 
最後に…。
 
有難うm(_ _)m