2008箱根路へのいざない アーカイブ

区間エントリーを見て

2008年1月 1日

12月29日に発表された区間エントリーを見て。
上位候補の大学は主力をあえて補欠に置いて、ライバル校の出方を見てきました。
そして、そのレギュラーメンバーが当日のエントリー変更で入った場合、今年の箱根は勝負が後半までもつれそうです。

優勝候補筆頭の駒澤大学は、10000mで28分台を持つ豊後、深津、さらに5000m13分台の高林を補欠においてきました。そして、9区には予想通り堺を配してきました。一つ気になるのは5区に怪我明けのキャプテン安西を置いたこと。力のある安西がエントリー変更されること無く走れば、優勝にグッと近づきそう。

対する東海大学は2区には伊達を、佐藤をはじめとするレギュラー4人を控えに置いてきました。
佐藤が7区か9区に入ることは、間違いなさそう。
以前「9区・佐藤」が見たいと書きましたが、これは往路の結果次第でしょうか。
いずれにしても彼がどこに起用されるか楽しみです。

二強を追う一番手と目される日本体育大学は2区に北村、3区に森を置きました。
是非ともここで前に行きたいところです。
日体大も補欠に置いている二枚を復路に投入しそうです。

また、日本大学は阿久津、松藤というエースと準エースを控えに。
どちらかが2区に入り、どちらかが復路に入るんではないでしょうか。

さらに東洋大学や亜細亜大学も主力メンバーを数人ずつ補欠に置いて、当日入れ替えてきそう。
いずれにしても、層の厚さを感じさせる区間配置です。

故障がちの情報が流れていた早稲田大学の竹沢は3区、順天堂大学の松岡は7区にエントリー。
残念ですが、それぞれ2区を走れるほどの調子ではないんだろうと推測されます。
ただ将来がある二人ですから、当日になって欠場もありえるかもしれません。

箱根駅伝では花の2区といわれますが、今年は「花の2区・3区」となりそう。
2区は伊達や北村、黒崎、モグス、ダニエル、木原に佐々木…。
3区には上野や竹沢、森、高橋などなど。
優勝を狙えるチームはこの二区間が終わった時に、駒澤よりも前にいたいです。
そうすれば、もし5区から7区で並ばれたとしても、9区10区で勝負ができます。

第84回大会がいよいよ明日に迫りました。
後半までもつれる素晴らしい戦いになることを期待しています!

どうなる?上位予想

2007年12月28日

前回5位に入った東洋大学。
今回は、その経験者が7人残っている上、
前回は怪我で出場できなかったエース級の選手も復活してきたので、
3位以内に入る可能性もあるのではないかと思います。
印象としては、「駒澤よりやや小ぶりなチーム」。
言い換えれば、
個々の選手の持ちタイムは駒澤よりやや劣るけれども、
10000mで28分50秒から29分20秒の選手を
豊富に揃えている層の厚いチームです。
中でも三年連続で2区を走ることになるであろう4年生の黒崎は、
一昨年が区間2位、去年が区間3位としっかりと走れています。
今大会、東洋大の選手が自分たちの力を存分に発揮し、
優勝候補と目されているチームにブレーキがあったり、
波に乗れなかった場合…。
もしかしたら、二大会前の亜細亜大の様に、
鉄紺色のユニフォーム・東洋大が先頭で
10区の日本橋を渡るかも知れません。
 
 
最多14回の優勝を誇る中央大学。
今回はスピードスター上野の起用される区間がどこかに
注目が集まります。前回区間賞を取った3区か、
エースが集う花の2区に初めて登場するのか、それとも…。
前哨戦の全日本。
上野は4区に起用されました。襷をもらった時には9位。
そこから7人抜きで2位に上がりました。
上野はもちろん、特に頑張ったのはその後の選手たち。
そこから順位を一つ落としただけの3位でフィニッシュ。
「上野だけのチーム」と言わせない素晴らしい襷リレーでした。
今回の箱根でもこのようなレースが理想なわけですが、
だとしたら上野はどこでチームをジャンプアップさせるのか。
セオリーでいけば3区か2区でしょうが、
あえて「6区・山下り」に起用してみても面白いかもしれません。
5000m13分21秒のスピードを活かして山を駆け下りたら、
とんでもない区間記録が出そうです。
そのためには、やはり上野に渡るまでに
しっかり繋いでくることが必要です。
上野にとって最後となる箱根の舞台、
彼は2日3日のどちらに登場するのか…。要注目です。
 
 
「学生長距離界のエース」
今年、この言葉にふさわしい活躍を見せた選手の一人が
早稲田大学の竹澤です。
5000mと10000mで日本人学生記録を更新(13分19秒&27分45秒)。
さらには大阪世界陸上に出場。
これだけの力を持つ竹澤が2区を走ったら、
どれだけの記録が出るのか。正直夏頃から楽しみにしてきました。
ところが…。
その竹澤が故障気味で、
欠場もありえるという非常にショッキングなニュース。
出場できたとしても、2区以外のそれほど負担の掛からない区間に
配置するかもしれないというものでした。
今回の2区は史上最高レベルの戦いが
見られそうな顔ぶれが集まっています。
そこに竹澤がいないとなると、確かに楽しみは一つ減ってしまいます。
しかし彼はまだ3年生で、しかも北京オリンピックを目指している選手。
とにかくここで潰れてほしくないという気持ちです。
2008年春、早稲田には将来有望な選手が
多数入学してくることになりました。
竹澤が欠場したとしても、近い将来黄金期を築くために、
しっかりと上位で襷をつないでもらいたいものです。
それができるメンバーは揃っています。
 
ここまで今大会で上位に来ると予想されるチームを
紹介してきましたが、まだまだ上位候補は目白押し。
順天堂大や日大あたりも絡んでくることでしょう。
2区の争いを見ても、紹介した6校のエース以外にも、
順天堂の松岡や中央学院の木原、
山梨学院のモグスに大東文化の佐々木など、まさに多士済々。
史上最高レベルの花の2区が見られそうです。
各大学の区間エントリーは明日29日(土)。
各チームの選手たちが、
怪我無く無事にエントリーされることを祈っています。

84回目の箱根駅伝がすぐそこに

2007年12月27日

いよいよ84回目の箱根駅伝がすぐそこに迫ってきました。
今大会は駒澤大と東海大が優勝争いの中心になるでしょう。
そして、日体大、東洋大、中央大が絡む展開になりそうです。
早稲田大はエース竹澤の故障で
間に合うかどうか微妙という情報が痛すぎます。
とにかく、一つの快走やブレーキが
順位変動に大きく影響してくる大会、
つまり戦国駅伝であることは間違いなさそうです。
 
まず、優勝候補No.1の呼び声が高い駒澤大から。
今回の駒澤は、
「大エースはいなくても、誰もがエースになれる力を持っている」
というチームで、エントリーメンバー全員が高いレベルを誇っています。
誰がどこでも走れるということで、層がとにかく厚い。
中心は安定感抜群の4年生と次代を担う2年生です。
中でも2年生の宇賀地は、
各校のエースが集まった全日本の2区で快走。
早稲田の竹澤や順天堂の松岡に真っ向から挑んでいきました。
駒澤は四連覇時代から9区に上級生を配し、
「ここで勝負に出る、或いは、ここで勝負を決定付ける」
走りをしてきました。
今回もこの区間に4年生の堺を置く可能性が極めて高く、
優勝を争う他校も、いかに9区に力のあるランナーを
配置できるかが鍵となりそうです。
いずれにしても、レギュラーと控えの差が
全くといっていいほどないチーム、それが駒澤大です。
 
 
次に悲願の初優勝を目指す東海大。
ここは二枚の大砲、4年生の伊達と3年生の佐藤が
どこに起用されるのかに注目が集まります。
伊達はおそらく3回目の2区となるでしょう。
そこで壮絶な区間賞争いを繰り広げるはずです。
となると、佐藤はどこへ行くのか…。
自身が区間記録を作った1区か3区に再び登場して、
2区の伊達と並べることによって
大差を作っていくというパターンが考えられます。
しかし、個人的に一番見たいのは「9区・佐藤」。
9区のコースは下りが主体。
佐藤は10000m27分台の超スピードランナーですから、
気持ちよく坂を下って駒澤の9区・堺を追っていければ、
2分差から3分差をひっくり返す
奇跡の大逆転を演出できるかもしれません。
また終盤に佐藤が控えていれば、
他校にとっても大きな脅威となるはずです。
(個人的に終盤勝負も好きですし…)
そのためには二枚看板以外も頑張って、
勝負を後半に持ち込むことが必須条件。
9区の佐藤に襷が渡った段階で、
勝負が既に決まっているようなレースだけは
絶対にしてはいけません。
東海大には伊達と佐藤以外にも
力のあるランナーが揃っていますから、
このレースプランは実現可能なはず。
「9区に佐藤がいる」・「佐藤なら何とかしてくれる」と思って、
3区から8区に起用されたランナーは襷をつないでほしいものです。
 
 
密かに覇権奪回があるのではと楽しみにしているのが日体大。
去年まで鷲見・保科というエースがいた中で、
今まで三年連続で山を上ってきたのが今年、最終学年を迎えた北村。
その北村が、念願叶ってようやく2区に登場しそうです。
猛者が集まる2区で、負けん気の強い北村が爆走して
チームに勢いをつけることが、頂点奪取の一つ目の鍵となりそうです。
また日体大には下級生に注目のランナーが集まっています。
まずは2年生の森。
10000mでも28分台を持ち、北村卒業後には
チームの屋台骨を背負っていくことになりそうです。
この森が5区なのか9区なのか、はたまた別の区間なのか。
彼の起用される区間も勝敗に大きく影響してきそうです。
さらに1年生トリオにも大注目。野口・出口・谷野の三人。
中でも出口は出雲で、谷野は全日本で区間賞を取りました。
箱根で彼らが主要区間を走ることになりそうなので、
彼らの走りが日体大の浮沈の鍵を握ることになりそうです。
いずれにしても、日体大には北村の卒業後も
チームを担える選手が育ってきています。
もし今回優勝できなかったとしても、
これから数年以内に頂点に立つ可能性が高いのではと、
個人的に期待しています。

全日本大学駅伝を振り返って

2007年11月 9日

全日本大学駅伝を振り返って。
 
駒澤大学強し。
箱根四連覇時代を彷彿とさせる襷リレーでした。
全員が準エース級の走りで、
その内の数人はエースに成長しそうな予感。
キャプテンが欠場の中での二連覇達成でした。
やっぱり駅伝は常に前でレースを進めることが大事。
先手必勝ですね。
速さはもちろん、強さを感じました。
 
次に二位に入った日本体育大学。
北村が最終学年になり、準エースに森が育ってきた中で、
一年の野口や谷野の好走。
出雲三位、伊勢二位ときたら、箱根は優勝しかありません。
それだけの陣容を整えつつあります。
北村が卒業しても、後継者が芽吹きつつあるので、
今後も楽しみなチームです。
 
さらに中央大学と早稲田大学。
それぞれ、上野と竹澤というスーパーエースがいる中で、
その他の選手の力が落ちると見られていました。
しかし、大エースが作り出した流れに乗って、各選手が見事な走り。
箱根での優勝争いとなると厳しい面はありますが、
上位に食い込む可能性を感じさせました。
 
さて、僕が優勝候補に挙げた東海大学。
う~ん、残念でした。
伊達、佐藤という看板を擁しながら四位。
この二人の調子もあまりよくなかったのかもしれませんが、
全体的に走れてなかったですね。
駒澤と対象的に後手に回ってしまいました。
伊達や佐藤が流れを作りきれないときに、
その役割を半分でも担える選手がいるのに、
その力を出し切れなかったのも残念でした。
もちろん東海の選手もよい流れに乗ればいけるんです。
だからこそ残念でした。
しかし、東海の選手たちが持つ力を鑑みると、
箱根でも優勝候補になるのは間違いありません。
 
そして日本大学。
外国人留学生が作った1区での貯金を
2区のキャプテン阿久津が吐き出してしまったのが痛かったです。
日大の理想はダニエルが飛び出し、阿久津がそのリードを守り、
流れを作って後半に繋いでいくというものだったのでしょう。
もし2区が予定通りの走りだったら、
駒澤の独走にはならなかったかもしれません。
 
これで学生三大駅伝も残るは箱根のみ。
今後は有力校にスポットを当てて見ていく予定です。

箱根駅伝の季節です

2007年10月30日

今年もこの季節がやってきました。
箱根駅伝までの期間限定でこのサイトを更新していきますので、
どうぞお付き合いくださいm(__)m
 
学生三大駅伝の初戦となる「出雲」は東海大学が三連覇。
箱根駅伝の予選会も終了し、
いよいよ今週末、箱根の前哨戦となる「全日本」が開催されます。
 
いきなり結論から…。
今年は東海大でしょう。
もしかしたら出雲・全日本・箱根の三大駅伝の制覇もあるのでは。
それだけメンバーが充実しています。
去年も出てきた名前ですが、伊達に佐藤という大砲を持ち、
それに続くメンバーも高水準で続いています。
 
そして駒沢大。
箱根四連覇時代からメンバーが入れ替わり、
新たな戦力が充実してきました。
特に四年生と二年生に力のある選手が揃っています。
 
さらに日体大と日大が続きます。
日体大は出雲で3位。
エース北村に続く選手が育ってきました。
二年生の森です。
10000mでも28分半を切ってきたということで、
北村が卒業したら、森が屋台骨を背負っていくでしょう。
また一年生に有望なランナーが揃っています。
 
日大は外国人留学生と四年生に力のある選手が揃っています。
ただ、外国人留学生は図抜けていても、
全体的にここ数年より小粒な印象があります。
 
ここまで4校の名前が出ました。
これらの学校に続くのは順天堂大学や中央大学となるでしょう。
いずれにしても、全日本が終わったら、今年度の有力校を中心に、
各大学の具体的なお話ができればと思います!
では、お正月までどうぞよろしくお願いしますm(__)m