夏の代表決定!

2009年6月15日 カテゴリ:お暇なら来てよね

奈良インターハイ予選も大詰め。
先週末には準決勝・決勝が行なわれた。
 
土曜のおのだサッカー交流公園はどんより曇り空。
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風もあまりなく暑さも控えめ。
連戦続きの選手たちには優しいコンディションだが
天然芝のピッチは前日の雨で少し柔らかめ。
走りきるには普段より体力を要する。
 
準決勝(1) 下関工2-1宇部
(前半1-1、後半1-0)
昭和38年、そして再来年と
山口国体サッカー競技会場は山陽小野田市。
隣の宇部市とともにこの辺りは元々サッカーが盛んで
テクニックに優れた素材が多い地区。
 
そんな中、宇部高校は今年度
中国新人大会予選で接戦を勝ち抜いて優勝
「勝つ事」によって自信をつけ
2年ぶりに準決勝の舞台に立った。
 
特に中盤からFWにかけて
個々の技術が元々しっかりしているチーム。
キープ力を生かして関工ゴールに迫る。
 
一方の関工は初めての4強入り
チームを率いて3年目の乗安監督は
かつて豊北高校を2度中国大会に導いた経験を持つ。
こちらはFWのポストプレーと
相手DFの背後に俊足のワイドプレーヤーを走らせる作戦。
 
前半12分にはその攻撃がピタリとはまり、
サイドを突破してクロス⇒11猪熊のシュート!
鮮やかな先制点を挙げた。
 
2年前の準決勝(0-1西京)に続いて
今回も先制を許した宇部。
下関工が得点を奪った後受身になった事もあり
前半27分、18三浦のシュートですかさず同点に。
 
宇部はその後も中盤をほぼ支配し優位にゲームを運んだ。
しかしなかなか肝心のシュートに結びつかず前半終了。
 
後半に入ると
『中盤を支配する宇部』vs.
『跳ね返してタテに走る関工』
図式が更に顕著になった。
 
シュートも出始めた宇部が何度もビッグチャンスを作る。
関工はメンバー交代を重ねて建て直しを図った。
 
後半33分、宇部はCP10前田が押し込むが僅かに左へ逸れた。
直後34分の関工、縦パスから8田村弘樹が持ち込んでシュート。
これが決まって勝ち越し。
押し込んでいても点が取れるわけではない。
押し込まれていても我慢すればチャンスが来る。
サッカーって、やっぱり恐ろしい。
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試合後、宇部・藤田監督は泣き崩れる選手たちに
『悔しかったら、やるしかないだろ』
『後悔したくないなら、走れよ』
『泣くな!』厳しい言葉を続けた。
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進学校でもある宇部はそれでも今年度、
3年生の多くが引退せず選手権を目指すという。
先を見据えたが故の、監督の叱咤だった。
 
準決勝(2) 高川学園3-1下関中央工
(前半1-0、後半2-1)
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準決勝第2試合は去年11月の
選手権予選3回戦の再現となった。
その時、15年続けた選手権連続出場を逃した高川。
去年PKの末、高川にストップをかけたのが下中工。
 
高川は再起を賭けた今年度、
いきなり中国新人で豊浦に敗れ今大会はノーシード。
山口・西京・聖光と難敵を下し準決勝に進んだ。
 
一方の下中工は選手権予選はベスト4、
中国新人は徳山にPKで敗れてベスト8。
コンスタントに成績を残してはいるがあと一歩勝ちきれなかった。
高川を返り討ちにできれば
初の全国大会出場に向け、大きく前進できる試合だ。
 
戦いは
『下中工の中盤のプレス』vs.
『ピッチを広く使う高川』という図式。
 
下中工は中盤の出足を速くしてボールを奪い、
去年からの中心選手10野村に託す。
奪ったらすぐ走る&奪われたらすぐ取り返す、という
いわゆる【攻守の切り替え】の速さが要求される為
かなりの体力が要求される。
 
高川は4-3-3のバランスを維持してボールを散らし
3人のFWが突破を図る。
この作戦を有機的に機能させるには
これまた相当の運動量が必要になる。
 
午後になって日差しも出たこともあり
後半には下中工の足が止まって結果は高川の走り勝ち。
春からのプリンスリーグで45分ハーフを戦い続けた選手たちには
やはりそれ相応の走力が付いていると感じた。
 
敗れた下中工・吉山監督は
『無駄走りがまだ多い。判断しながら走る事』、
『気持ちで負けない』事を今後の課題に挙げた。
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決勝 高川学園3-0下関工
(前半2-0、後半1-0)
 
翌日、会場は朝から快晴。
連戦の体にはきつい日差しが降り注いだ。
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下関工は攻撃の中心となる2人の選手が
前日の試合中の骨折と累積警告で欠場。
開始前から苦しい状況になった。
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『歴史を変えよう』『前半をのりきろう』と
送り出された選手たちだったが
開始6分に先制を許し、前半終了前27分にも失点。
特に集中力が要求される時間にリードを奪われた。
 
ハーフタイム。リードする高川・渡辺監督は厳しい表情。
2点を奪ったとはいえ、放ったシュートは僅か2本。
『点を奪った後、明らかに気が緩んでいる』
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一方の関工・乗安監督も
『負けるなら、やりきって負けろ』
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初の決勝の舞台で明らかに緊張している選手たちの
"気持ち"の部分に繰り返し注文を与えた。
 
後半はシュート12本と大部分は高川ペース。
関工はメンバー交代で打開を図るが
後半10分にGKと1対1のビッグチャンスを逃した後は、
ボールをつなぐことができなくなった。
 
後半26分、セットプレーから高川がダメ押しの3点目。
結局高川が2年連続のインターハイ出場を手にした。
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敗れた関工・乗安監督
『(主力を欠いて)両腕を取られたような感じだった。
悔しいけど、この後絶対復活しますよ。』
去年の選手権は2回戦PK負け、
中国新人で8強入りし今回初シード獲得。
そして今回の準優勝で11月の選手権はマークされる立場になる。
今回の準決勝の得点シーンは本当に鮮烈だった。
それだけに、冬に向け巻き返しへの期待は高まる。
 
・・・県代表を決めた高川は、
まず代表校が集まって今年から新設される中国大会を経て
8月に奈良県で行なわれるインターハイに進む。
 
渡辺監督は
『ここまでは(選手権出場を逃した)去年と一緒。
まだ気持ちの部分で厳しさが足りない。
これからはまず、精神面でもっと成長してほしい。』
 
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県内の今年度の高校サッカーも夏に向け一区切り。
大学進学を希望して、
このインターハイ予選を機に引退する3年生も勿論いるけれど、
多くの監督・選手たちにとっての総決算は
やはり11月から始まる【選手権予選】。
 
選手権・国立を目指す皆さん。
夏の苦しい練習を乗り越えて、更に逞しくなってください!
これからも、応援しています!!
 
竹重の取材はプリンスリーグのセカンドラウンド、
インターハイ本大会と、もちろんまだまだ続きます。
できる限りリポートしていきますんで引き続きお楽しみに!
 
 
-【中国社会人リーグ】の結果-
レノファ山口2-0新日本石油水島
日立笠戸2-0宇部ヤーマン
 
暫定順位は3位ヤーマン、4位レノファと変動なし、ですが
ヤーマンが苦手・笠戸に敗れた為勝ち点で並びました。
笠戸は相性のいいヤーマンにまた土をつけ暫定7位に浮上です。