NO.90 慌てない心構えを。
2008年4月23日 カテゴリ:ダメだコリャ
毎朝の犬の散歩。
ポケットラジオを聴きながら愛犬とゆっくり歩くのが日課だ。
先週の木曜日に聴いた「おはようKRY」で
「緊急地震速報」を取り上げていた。
テレビではすでに始まっているが、
KRYラジオでも5月1日からこのシステムがスタートする。
中学の理科で習ったはず(?)の
地震のP派(初期微動)とS派(主要動)の到達速度の差を利用して
S派が到達する前にTV・ラジオなどで知らせようというもの。
ラジオの速報は放送中、突然、チャイム音とともに流れる。
速報が流れてから強い揺れが来るまでの時間は、数秒から数十秒。
僕たちはこの短時間に何が出来るか。
ドライバーは特に注意が必要だ。
「地震が来る!!」と驚いて急ブレーキを踏むのは禁物。
速報を知らない車もいるはずで、急ブレーキを掛けたら大事故になる。
同じようにあわててトンネルを抜け出そうと急加速するのも良くない。
速報を聴いたら慌てずハザードランプをつけ
後続に「異変」を知らせながらゆっくり減速し、
停められる状況にあったら停車する。
キーワードは「慌てずに」だ。
自動車に限ったことではない。
大きな揺れが到達する前に情報が分かれば
身の安全確保やエレベーターの制御、電車の減速など、
被害を防いだり軽減することが期待できる。
また、震源に近い地点では揺れが到達した後に
情報が届く場合もあるという事も理解しておきたい。
では、果たして直面した時、自分は「慌てず」にいられるのか…。
2001年に山口県でも最大で震度5強を記録した芸予地震。
地震発生時、僕はショッピングセンターの
サテライトスタジオの中でラジオの生放送中だった。
土曜日の昼下がり。
多くの買い物客がショッピングを楽しんでいる所を
突然強い揺れが襲った。
「キャー!!」という悲鳴とともに館内はパニック状態に。
この悲鳴がより冷静さを失わせる。
揺れが納まると一斉に下りエスカレーターに買い物客が群がる。
まさにパニック映画の1シーンのような光景をスタジオから見た。
そして、今度は一斉に携帯電話を掛け始めた。
家族や友達の安否確認も大事だ。
だが、それ以外の目的で電話を掛けていた人もいたと思う。
(例えばハプニングを共有したくて友達に掛けていたとか…)
これでは救助要請など
本当に緊急連絡が必要な電話に回線が回らなくなる。
では、生本番中の僕はと言うと…。
マイクの前にいる以上、
冷静で適切な放送が求められるのだが、力不足だった。
まず、ビビッた・焦ってしまったのが正直な所である。
しどろもどろの状態で、地震発生のアナウンス、
あわてない事、火の元の事、ショッピングセンターの現況、
そして不必要な電話は掛けない事などを繰り返し伝えた。
当たり前の事だが無我夢中だった。
しかし、適正な対応で満足な情報だったとは思っていない。
60%の確立で東南海・南海地震が30年間に起こると言われている。
この時、震度5以上の激しい揺れが3分間も続くという予想もある。
この30年というのは明日かもしれないし、今この瞬間かも知れない。
緊急地震速報を聴いてからの数秒間は、
「自分や家族の命を守る数秒間」。
慌てない心構え、しっかり身につけて行きたいと思う。