「朝の蜘蛛は縁起がいい」と言われますね。蜘蛛は晴れた日にしか巣を張らないからだそうです。このみすゞさんの詩は、記憶にないお父さんへの思いでいっぱいです。４ページにもわたるこの詩の、１行１行に、お父さんに会えたら、本当はお父さんが生きていたらと、それを想像すると喜びでいっぱいになる、そのなんとも切ない思いが綴られています。その思いは、子どもの頃だけではなく、大人になっても、やっぱり、亡きお父さんが恋しい思いは、募るばかりなのですね。
（ちひろ）