大人の音楽堂

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JOURNEY

2021年12月06日

ジャーニーの全盛期1980年代中頃、その勢いに驚いたのか、ねたんだのか一部の評論家は「産業ロック」と、なんとも情けない残念表現をして彼らを評しました。確かに、ねたまれるくらい彼等は凄かった。スティーブ・ペリーというかつてないロック・ヴォーカリストをフロントに置き、メンバーがのびのびと演奏していました。とにかく楽曲のクオリティーの高さですね。
 
ジャーニーの初期3枚のアルバムは後のメロディアスな感じではなく、各メンバーのテクニカルな部分を前面に出す、ある意味玄人向けのバンドでした。しかし思うように人気は上がらなかったのは有名な話。そこへ心機一転、スティーブ・ペリーが加入、1973年結成から5年、1978年のアルバム「インフィニティー」はトリプル・プラチナの大ヒット。その後「エヴォリューション」「ディパーチャー」「エスケイプ」「フロンティアーズ」と破竹の勢い…一部で商業主義といやみを言われますが、そんな事は全く気にしない強烈なパワーで世界を席巻します。出来るなら、やってみろ…そんな感じを受けました。バンドをしていた人にとってとても憧れの存在だったと思います。
 
起承転結がはっきりしたドラマチックな曲構成に多くの人が感動したはずです。看板ギタリストの「ニール・ショーン」彼につきますね。特にギブソン、レスポールにフロイドローズをマウント。P90をフロントに残し、リアにディマジオのハンバッキング・ピックアップを搭載した独自のギターは非常に画期的…見た目もかっこよく、素人にも分かるそのギターテクニック…聴くたびに、思わずニンマリです。順風満帆にみえましたが、ファンが思った以上に過酷なスケジュール、過去のいくつものバンドが出会ってしまったようにバンドの歯車はおかしくなり、バンドはおかしなことになります。時代の流れに合わせるようなサウンドになり、かつてのROCKは感じられなくなり解散、バッドイングリッシュ等の活動にもかかわり比較的受けますが、長くは続きません。
 
しかし頑張ったかいがありヴォーカルに「スティーブ・オージェリー」を迎え、2000年に見事に復活。待っていたファンに希望を与えますが、オージェリーが喉を傷め脱退。個人的にもとても残念でした。しかし、しかし…時代はインターネット。ジャーニーを歌うフィリピンの「アーネル・ピネダ」をニール・ショーンがたまたま観ていて、彼をアメリカへ招いてセッション…見事に正式メンバーになってしまう。びっくりです。解散も考えたと思いますが不死鳥のように復活…いろいろありますが、ジャーニーらしいアルバムもリリース。映画も出来上がり、とりあえずほっと一息であります。ジャーニーは単なるバンドではなく大きな組織なのです。これはジャーニーに限らず、多くのバンドがそうなのです。長年守ってきた看板を降ろすことは難しいのです。しかし、スティーブ・ペリーの歌を改めて聴くとやはり感動してしまいます。
 
次回は私なりに「ブルース・ロック」をセレクトします。ジョニー・ウインター、ウォーレン・ヘインズ、ロリー・ギャラガー等です。お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
FAITHFULLY
WHEEL IN THE SKY
ONLY THE YOUNG 
OPEN ARMS 
SEPARATE WAYS
ANY WAY YOU WANT IT
DON'T STOP BELIEVIN'

 

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