大人の音楽堂

大人の音楽堂 ブログ

Emerson,Lake&Palmer

2021年10月04日

ロック界におけるマルチキーボードプレイヤーのダントツ・トップはやはり「キース・エマソン」でしょうね。テクニックは言うまでもなく、そのライブパフォーマンスは当時の大きな話題になりました。
 
キーボード奏者は物理的に動き回るのはギタリストのようにいかない。しかしこの方、MOOGのリボンコントローラーを自在に操りステージの真中へ、そしてハモンドのL型というオルガンと格闘…反対側から弾くし、下敷きになって弾く…鍵盤にナイフを(日本公演では日本刀)を刺す…要塞のようなキーボード群…キーボードのジミヘンであります。1974年のカリフォルニア・ジャムではグランドピアノを吊るし、しかもそれが回転する…ぐるぐる回りながら演奏するんです。なんてサービス精神に富んでいるんでしょう。しかもハンサム。エンターテイメントなんです。
 
ドラムは当時20歳くらいのカール・パーマー。大きなゴング(銅鑼)やあらゆるパーカーションを多用したパワフルで繊細なドラムはそれまでのスタイルを大きく変え、プログレにおける打楽器の存在価値を変えていきます。そしてベース、ヴォーカルのグレック・レイク。きれいなアルペジオの弾き語りをはじめギターも担当し、8弦ベースも使用。キース・エマーソンとのユニゾンの嵐…ワウ等エフェクトも駆使します。ものすごいテクニックであります。さて、このEL&P、大胆にクラッシック音楽を導入「展覧会の絵」は見事なアレンジで、クラッシックに興味がなかった、世界中のロックファンに受け入れられました。
 
初来日は後楽園球場と甲子園球場、国賓扱いの凄い騒ぎでした。活動は1970年~1974年の間がピーク。やり遂げたように永い休息、集大成のライブアルバム「レディース&ジェントルマン」をリリース。そしてポップな「ラブビーチ」をリリースして解散。それぞれソロ活動を展開。カール・パーマーはあの「エイジア」に参加(グレッグ・レイクも急遽一時的に参加)キースは親日家なのか「幻魔大戦」「ゴジラ・ファイナルウォーズ」等の音楽を担当…その後、コージー・パウエルを迎え「エマーソン・レイク&パウエル」でアルバム1枚をリリース。しかし、この3人の場合は、EL&Pではないとカールが主張…その後再結成ブームも有り、彼らも例にもれずオリジナルメンバーで再び活動開始…来日コンサートも大成功。今から50年も前に結成されたトリオですが、その後彼らを追い越すキーボードトリオは在りませんでした。1960年代が終わり、新しい時代を飾った強烈なバンドです。とにかく凄いテクニックです。セカンドアルバム「タルカス」は後世に残る超名盤ですね。
 
次回はロックから離れてソウルシンガー「ダニー・ハサウェイ」の例のライブ盤等を考えています。お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
庶民のファンファーレFANFARE FOR THE COMMON MAN
ホウダウンHOEDOWN
展覧会の絵~プロムナードPROMENADE  賢人THE SAGE 
タルカス TARKUS 
ザ・スコア THE SCORE(Emerson Lake & Powell)

 

ongakudou_211002.jpg