大人の音楽堂 ブログ
WHITESNAKE
2021年09月21日
DEEP PURPLEのヴォーカリストのオーディションで採用されたのが1973年終わり。
元は洋服屋の店員、ローカルバンドで歌っていた青年。試しに送ったカセットテープがメンバーの耳に入り、難航していた新ヴォーカリスト探しに結論が出た。キャリアのないアマチュアがいきなり世界的なハードロッバンドのフロントマンに抜擢…当時大きな話題になりました。デイヴィッド・カヴァデール、その人です。
パープル解散寸前に脱退、ソロ活動を1975年から開始して今まで、いろんなことがありましたが、今日までホワイトスネイクは健在です。バンドにかかわったメンバーは数多くいますが、デイヴィッド・カヴァデールがホワイトスネイクなのであります。最近はレブ・ビーチ等である程度固定され安定していますが、個人的にはやはり「ジョン・ロード」「イアン・ペイス」「ニール・マーレー」「ミッキー・ムーディー」そして「バニー・マースデン」の1980年代が最高でしょう。後に「コージー・パウエル」「ジョン・サイクス」当たりの編成もよいのですが…ブルースを基盤に伝統的なブリティッシュ・ハード・ロックを前面に出した1980年代のホワイトスネイクはある意味、玄人受けする正統派です。
しかし、時代の変化というか、ヘビメタブームが広がりそのスタイルも変化を余儀なくされ…ホワイトスネイクも変わってしまいます。事実バンドは経済的にもとても厳しい時期があったのです。どのバンドもそうですが、アメリカンマーケットでの成功無しではトップグループを維持できないことがよく言われます。ホワイトスネイクも1987年メンバー総入れ替え「白蛇の紋章・サーペンスアルバス」をリリース。大ヒット…皮肉なものです。このアルバムは脱退した「ジョン・サイクス」の功績が大きいため、大ヒットにもかかわらずまたも、もめてしまいます。まあ、とにかくいろんなことがあったのです。
しかし、その都度デビカバさんは乗り越えてきました。数年前に「パープル・アルバム」という自身が在籍時のディープ・パープルの楽曲をカバーした作品をホワイトスネイクでリリース、そしてツアー。冷静に聴き、ライブにも行きましたが、それなりのクオリティーはあったもの、ファンサービス的、本人にしてはとりあえずやりたかった企画…楽しめましたが、オリジナルがいかに凄いかを感じる作品でした。演奏メンバーのブルースへの思い入れの温度差がはっきり出ています。ブルースロックはそのDNAが知らない間に、いかに身体の中で自然に覚醒しているか…そんな気がします。
さて番組内でも話しましたが1994年「金夜はロック座」の取材でデビカバ本人がライブ終了後に対応してくれました。とても親切でした。紳士です。パープルに入らなかったら、渋いブルースロックのシンガーになっていたのではないかと思いますね。近いうちに仲間を集めてブルース・アルバムをリリースしてくれることを願います。しかしキャリアも永いし、カッコイイ曲がたくさんありますね。これぞハードロック。それがデイヴィッド・カヴァデール。苦悩した1980年代は鬼気迫るギリギリ感とでも言いましょうか、今聴くととてもスリリングです。
次回は久しぶりにプログレ…「キングクリムゾン」。定番曲になりますが、お楽しみに。
【今回オンエア】
FOOL FOR YOUR LOVING
DON'T BREAK MY HEART AGAIN
STANDING IN THE SHADOW
WALKING IN THE SHADOW OF THE BLUES
STILL OF THE NIGHT
GUILTY OF LOVE