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JIMI HENDRIX

2021年08月30日

ジミ・ヘンドリックスの初めて買ったLPは「エレクトリック・レディランド」。高校1年でした。ヌード女性が数人の強烈なカバーデザインでドキドキしました。ある意味実験的なこの2枚組、当時正直よくわかりませんでした。友人からベスト盤「スマッシュヒッツ」を借りて聴いてみたが、こちらの方が実に分かりやすく聴きやすかった。彼の作品を自分なりに理解できたのは30歳を過ぎてからです。たまたまジミヘンのカバーをすることとなり、真剣にコピーしたころです(クリームもそうでした)。もっと早くに聴きこんでいたら、自分の音楽の方向性も随分違っていたと後悔しています。やはり軸はブルースなんでしょうね。圧倒的なインプロビゼーションをカッコイイと感じるのに少々時間がかかったかもしれません。
 
当時はリスナー(ロックファン)はいかにミュージシャン側の個性を理解するか一生懸命だったのです。それが1970年代終わりにはいかに売れるか、受けるか…と大手制作サイドは儲け主義になったわけです。迷走する時代が来ます。しかし1960年代後半は違いますね。なんか生きているというか、躍動しています。ベトナム戦争、フラワームーブメントそしてウッドストック…こういうのが大きく影響していたことでしょう。ジミヘンは常に革新的、他にないモノを模索し実行していた。それまでのイクイップメントをいったんリセットして、自分なりに使い方を見つけていたのでしょう。サウスポーなのに、あえて右利き用のストラトキャスターを逆さまに構える。独特のヴォーカル、即興演奏にパーフォーマンス、ワウやファズといったエフェクターも革新的に使用。特にギターのアーミングは強烈ですね。コンサートは限界を超えた大音量だったらしいとのこと。ルックスもサイケデリックそのもの。ノエルレ・ディング(Bass)ミッチ・ミッチェル(Drums)、二人の白人を従えたエクスペリエンスは未だに最高のトリオと評され、ロックギターの革命、最高のギタリストと言われています。これは後世、変わらないでしょう。
 
しかし、マネージメントの知識不足と過激なスケジュール等で、このトリオは短命で終わり、次々にバンドスタイルを変えますが、少しずつうまくいかなくなり、やはりお決まりのドラッグとアルコール…1970年、約3年半駆け抜けたジミヘンドリックスがこの世を去ります。同じくしてドアーズのジム・モリソン、そしてジャニス・ジョプリン…60年代から70年代へと時代の終わりと新しいはじまりを感じる、非常に残念な出来事です。しかし、彼の残した数々の楽曲はロックのバイブル的世界遺産です。ギターヒーローと言われているミュージシャンは必ずジミヘンからの大きな影響を受けているはずです。キース・エマーソンとの話も出ていたそうです。もし生きていたらジミ・ヘンドリックスwithエマーソン・レイク&パーマー…ってのがあったかも?なんか分かるような気がします。
 
次回はROD STEWART 1970年代フェイセス~ソロアルバムからセレクトを予定しています。日本人ベーシスト山内テツにも触れます。お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
The Wind Cries Mary風の中のマリー
Hey Joe
Stone Free 
Little Wing 
Fire 
Purple Haze
Crosstown Traffic
All Along The Watchtower
Angel

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