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George Harrison

2021年05月06日

ビートルズの「The Beatles」、俗にいう「ホワイトアルバム」をしっかり聴いたのは1974年でした。それまでは少しずつラジオやシングルで聴いていたのですが、先輩から運よくアルバムを貰ったのです。なんて素晴らしい楽曲なんだろう。4人の個性がたっぷり感じられる30曲。ビートルズ初の2枚組、自身のレーベル「アップル・レコード」から初の作品。1968年リリース。それまでの4トラック2台から、8トラックのマルチ・レコーディングが可能となり、スタジオにメンバーがそろって「せーの…」で録音しなくてよくなったわけです。個々の都合に合わせて録音でき、2台あれば16チャンネル。夢のようだったと思います。
 
その中でもジョージがクラプトンを招き演奏した「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」は特に印象に残りました。タイトルどおり、この中には「泣きのギター」があり、ジョージのなんとも哀愁のある歌と素晴らしいバランスで聴き手を魅了しました。リンゴ・スターのドラムもとてもいい。ちなみにベースはジョン・レノン、オルガン、ピアノはポール・マッカートニーらしいです。「ジェフ・フィーリー」のカバー・バージョンもとてもいい。今回の放送では、この曲が初めてライブで演奏された1971年「バングラディシュ難民救済コンサート」のバージョンをオンエア、ほかに、このコンサートの音源から「ヒア・カムズ・ザ・サン」、レオン・ラッセルが歌うローリング・ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を取り上げました。全ておなじみの曲ですが、オリジナルとは違う感じがとても気に入っています。
 
ジョージ・ハリソンってものすごく哀愁があり、スライドギターとアコースティックなギターがよいです。あのタイム感と雰囲気は簡単に真似できないですね。特別です。特にソロアルバム1970年の「オール・シングス・マスト・パス」でその全貌がわかります。よく無人島に持っていくとしたら…なんてありますが、このアルバムでしょうね。3枚組ですが…。生のジョージ・ハリソンは1991年ジョージ・ハリスン with エリック・クラプトン and his bandの時、広島で堪能させていただきました。お客さんもそうですが、バンドがこのライブに懸ける思いが特別で最高でした。
 
ジョージは様々なセッションやレコーディングにも参加しています。ジョン・レノン、リンゴ・スターのソロ以外にDeep Purple、Gary Moore、Cream、Electric Light Orchestraなどなど…多彩であります。残念ながら2001年に天国へ召されましたが、没後10年、2011年マーティン・スコセッシ監督によるドキュメンタリー映画「ジョージ・ハリソン/リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド」が公開されました。クラプトンが中心に開催された「コンサート・フォー・ジョージ」の映像作品は必見であります。ポール・マッカートニーはここ最近のライブではジョージが所有していたウクレレで「サムシング」を演奏。オーディエンスに喝采をあびました。もっとロックファンに評価されていいミュージシャンのトップがジョージ・ハリソンでしょう。
 
来週はこの方ももっともっと評価されていいと心底思う「デイブ・メイソン」です。
 

 
【今回オンエア曲】
My Sweet Lord
Give Me Love
While My Guitar Gently Weeps(1970 LIVE)
Jumpin' Jack Flash(Vo, Leon Russel)
Blowin' In The Wind(Vo,G Bob Dylan)
Here Comes The Sun
I'd Have You Anytime 

 

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