大人の音楽堂 ブログ
Steely Dan
2021年03月08日
「型がエエ」とはこの方達の音楽です。配信ではなくCDかレコードを買いましょう。
スティーリーダンはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカー、大学時代の仲間から発展したバンド(ユニット)です。1970年代初めのシーンは新たな様々なグループが個性を創造し、しのぎを削りました。それまでビートルズとモータウンは別格として、「BLUES」ベースにしたものがほとんど。作品に「もうひと手間、ふた手間」をかけるスティーリーダンの登場は非常に画期的でした。後にAORとかクロスオーバーとか、おそらくこのスティーリーダンを聴いて、コピーして完成したものではないかと考えます。
聴いたら分かりますが「そつがない」というか「とにかくセンス」が抜群なのであります。ブラックミュージックがベースになっています。曲構成は比較的シンプルなんですが、アレンジのカッコよさ、各楽器の使い方、音の響き…そしてドナルド・フェイゲンの声…フェンダー・ローズピアノ…同じ値段のレコードを買っても質が違う。見たこともないアメリカ、ニューヨークを勝手に想像しています。
楽曲は確かにメロディも大切ですが肝心なのは編曲、アレンジなのです。しかも使用楽器から奏法までのトータル・アレンジは最も大切なのです。その曲を生かすも殺すも、トータル・アレンジです。しかもそれを商品として世界にマーケットを広げるとなると、カバーデザインを含め、ものすごいセンスの良さが必要であります。その点スティーリーダンは群を抜いています。聴けば分かります。
このバンド、音響制作にかかわるエンジニア等に非常に好まれます。業界、特に日本ではスティーリーダンが好みだということがひとつのステイタスなのです。気取っているような気配も感じますが、それだけかっこいいのです。お酒を出す店やカフェでBGMにされる場合がありますが、スティーリーダンのサウンドは座して聴くか、ヘッドホーンでしっかり確認しながら聴くことをお薦めします。それだけいわゆる「完璧」なのであります。
ラジオでオンエア出来る機会に出会え、俺としては非常にうれしく思いますし、感謝します。こんな番組が今の時代一つぐらいあってもええんじゃないかと思いますが…?すべてのアルバムがお薦めです。毎月1枚揃えたらとても充実した音楽趣味が完成されることでしょう。
来週は「BAD COMPANY」。期待してください。お便りお待ちしています。
【使用曲】
Do It Again
Rikki Don't Lose That Number「リキの電話番号」
PEG
Babylon Sisters
Kid Charlemagne「滅びゆく英雄」