大人の音楽堂 ブログ
PAUL SAIMON
2023年04月17日
1972年から3年間通った「下松中学校」。部活をしない生徒が下校する一般下校の時の音楽が「スカボロー・フェア」、部活をして下校する完全下校の時は「明日に架ける橋」がトランペットスピーカーから流れていた。先生の中にサイモン&ガーファンクルが好きな方がいたのでしょう。流れていたのはオリジナルではなくインストでした。懐かしい話です。
中学に入ったころポール・サイモンのソロがリリース。「待ってました」そんな感じで大ヒット。毎日ラジオから流れていました。彼の始めの3枚のアルバム「ポール・サイモン」「ひとりごと」「時の流れに」は特に抑えておきたい作品です。多様なサウンドの絡むこれまた多様な楽器、そしてギター。歌は勿論、アンサンブルに関しても完璧な演奏がきけます。オンエアでも言いましたが彼のつくる「詩」、言葉です。国内盤には訳詞が付いています。何度も読みました。素晴らしい。その一言に尽きます。ここでひとつひとつは書けないので、興味がある方は調べてみてください。感動します。「ダンカン」という曲があります。その歌詞は特に印象的だった記憶があります。
サイモンとガーファンクルが最初のデビューは「トム&ジェリー」と名乗って「ヘイ・スクールガール」スマッシュ・ヒット。まだ大学生だったので学業専念のため二人での活動は一度終わります。その後「サイモン&ガーファンクル」としてアルバム「水曜の朝、午前3時」で再デビュー、しかし売れませんでした。愕然とした二人。たしかアート・ガーファンクルは学校に戻り、ポール・サイモンはヨーロッパに放浪の旅に出ています。その後の大ヒット連発は有名ですが。ソロになってからのポール・サイモンの歌詞にはその頃の放浪の旅で感じたことや体験したことが大きく反映されているような感じを受けます。アメリカを離れてアメリカを表現する。そんな気がします。ノーベル文学賞をあげてください。
ソロになってからすぐのシングル「母と子の絆」では誰よりも早くキングストンのミュージシャンと共演、レゲエサウンドを大胆に取り入れています。この曲はラジオでもよくかかりますがサウンド面に触れたパーソナリティーは聞いたことがない。今回改めてじっくり各楽器に注目して聴いてみました。とても細やかな音の使い方に驚きました。
ポール・サイモンは今年5月、5年ぶりのスタジオアルバム「七つの詩篇」をリリース予定。前編アコースティック楽器で構成されているそうです。しかもほとんどの楽器を自身が弾いているとのこと。楽しみです。映像作品なら1980年のフィラディルフィアでのライブが最高。スタッフのエリック・ゲイル(エレキ・ギター)、リチャード・ティー(エレピ/ヴォーカル)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)をバックに、ベースにはトニー・レヴィンを迎えています。曲によってはホーンセクションも加わり、ゴージャスな内容です。是非観てください。書き忘れました。ポール・サイモンのギターテクニックは今更ですが名人の中の名人級です。
次回はEAGLES。現時点の最新スタジオアルバム「ロング・ロード・アウト・オブ・エデン」を取り上げます。お楽しみに。
【今回オンエア】
母と子の絆 Mother And Child Reunion
母からの愛のように Loves Me Like A Rock
僕とフリオと校庭で Me And Julio Down by the School Yard
ダンカンの歌 Duncan
僕のコダクローム Kodachrome
恋人と別れる50の方法 50 Ways to Leave Your Lover
アメリカの歌 American Tune