大人の音楽堂 ブログ
ガヴァメント・ミュール
2022年10月03日
サザン・ロックはやはりロックのルーツを一番引き継いでいる。そんな気がします。ガヴァメント・ミュールのギター・ヴォーカルそしてソングライティングの「ウォーレン・ヘインズ」さんは同年代です。まあ彼はアメリカ出身で子供のころから1960年代1970年代のROCK'N ROLLを日常で聴いていて少年時代からギターを弾いていたのでしょう。こんな少年は世界中にいたと思いますが、それをひたすら続け、形にして、しかもビッグネームのバンドにスカウトされ世界的に認められるまでになった、なるべくしてなったミュージシャンなのでしょう。見事です。
オールマンブラザーズ・バンドの再々結成に参加。始めはディッキー・ベッツさんのサポート的存在でしたがすぐにその才能が開花。「あのギタリスト誰?凄い…」そんな感じであれよあれよと注目を集め、後にあのスライドギターを得意とする「デレク・トラックス」とのツインリードギターは後期のオールマンブラザーズ・バンドを支え、黄金期以上ともいえる素晴らしい活動を支えました。とにかくウォーレン・ヘインズさんはそのセンスの良さです。ロック黄金期のすべてのフレーズを弾くことが出来るのではないだろうか?というくらい幅広い、しかも歌が凄い…感性と努力が生み出したロック・ヒーローでしょう。聴けば分かりますが、全く「こびていない」ロックのカッコよさがそこにあります。
さて、ガヴァメント・ミュールは、彼がオールマンブラザーズ・バンドと並行して1990年代中ごろから活動を開始。旧友アレン・ウッディーをベースに、マット・アブツをドラマーに迎えトリオ編成でデビュー。ジミヘンやクリーム、初期のグランド・ファンク・レイルロードあたりのブルースをベースにした、ハードなバンドを継承しています。オルガンやピアノを多用した辺りはファンの心を揺さぶります。とにかくアメリカン・ハード・ブルースとでも言えば分かりやすいと思いますが、ギターの可能性を引き上げたサウンドです。憧れますね、こういった音…無敵ですよ。ギブソンのES-335ヴィンテージのレスポールそしてノンリバースのファイヤーバードを使っています。なんてセンスがいいのだろう。勿論スライドギターも天下一品、ワウペダルのテクニックも強烈です。根底にあるのはサザンロックですが、俺と同じ年…LED ZEPPELINもPINK FLOYDも好き。恐ろしいくらい強烈なカバーでライブをしてアルバムもリリースしている。彼の思い入れがよくわかります。きちんとした王道ロック・ファンなら是非とも「ガヴァメント・ミュール」「ウォーレン・ヘインズ」を体験してください。我が国で足りないロックは彼がしている音楽だと俺は強く思います。シンプルなんですが、シンプルはとても奥が深いのです。可能なら大きな音で聴いてください。
さて、来週はAORの王道「ボズ・スキャッグス」登場。秋の夜にピッタリかも…。
【今回オンエア】
WORLD BOSS
FOOL'S MOON
MILLION MILES FROM YESTERDAY
BANKS OF THE DEEP END
WHAT IS HIP?
SHE'S A GOOD MAN'S BROTHER