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転ばぬ先の知恵

2024年11月 月間アーカイブ
死後事務委任契約
2024/11/30放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆さて今日は先週に引き続き、「終活」について学んでいこうと思います。スタジオにはおなじみのこの方、NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長の徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は「葬儀」「身元保証」「遺品整理」など『最近の「終活」事情』についてお話しいただきました。とくさん、今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇今日は「死後事務委任契約」についてお話ししようと思います。
 
◆「死後事務委任契約」、どのような契約なのか、分かりやすく教えてください。
 
◇分かりました。「死後事務委任契約」は生きている間に契約する生前契約で、委任者の死亡後に効力を発する特殊な契約です。契約内容は、簡単に言いますと契約者がお亡くなりになった後の後始末です。もちろん相続人がいる場合には相続人に後始末の義務がありますが、相続人がいない時や相続人に負担をかけたくない場合などは死後事務委任契約を結んでおくと安心できます。
 
◆なるほど。「死後事務委任契約」とは委任者の死後の後始末のことで、生前に契約しておき、死後に効力を発する契約なんですね。具体的に契約できる内容はどのようなことがありますか?
 
◇はい。すべての項目を挙げると、大変な量になってしまいますので、大まかな項目のみを言いますね。まず依頼者が亡くなったあとの葬儀、葬儀参列者への連絡、納骨などお墓の管理、次に行政への届出、運転免許証や年金証書の返納、遺品整理や住居の処分。医療費や施設利用料の清算、ペットの世話、携帯電話などの契約解除、等々非常に多岐に及んでいます。
 
◆なるほど、死後に発生するすべてのことが対象になるんですね。
 
◇そうです。特殊なものとして死後に遺骨を旅行に連れて行って欲しいといったものもあります。私たちはこれを「天国トラベル」と言っており、いくつかお約束をしています。これ、意外と多くの希望があるんですよ。
 
◆ほ~、そんな依頼もあるんですね。
 
◇そうなんです。しかしこれらの死後事務委任契約はすべての項目について結ぶ必要はなく、自分が必要であると思った項目のみ契約すればいいのです。
 
◆なるほど、分かりました。
 
◇ここで、ちょっと気になることがあるのですが、それは遺言書との関係です。遺言書は主に財産の相続などについて記載されますが、遺言書の内容が死後事務委任契約とダブってしまう可能性もあり、法令的には遺言書が優先されるのですが、それでも多少のトラブルは発生しがちです。特に遺言書の執行人が指定されていない場合には死後事務委任契約を遂行することが出来ない場合もあるようです。
 
◆「遺言書」と「死後事務委任契約」との間でトラブルが起こると困りますよね。
 
◇はい。そこで、最近では死後事務委任契約と遺言書をセットで作成して公正証書化することで、死後の財産分与から身のまわりの片付けまで一挙に終わらせることが出来るようにすることが多いようです。
 
◆セットにすると、それぞれがきちっと整理されて、良いことですね。
 
◇さらに気をつけて欲しいことがあるのですが、遺言書も死後事務委任契約も生前には動くことが出来ないということです。そのため生前に財産の管理などが必要である場合には別途「財産管理契約」や「見守り契約」を結ぶ必要があります。そうすることで現時点から死後に至るまで、安心して生活できるようになります。
 
◆大切なことですね。「死後事務委任契約」をはじめ、「財産管理契約」「見守り契約」などは、「高齢者のお一人様」「高齢者の単身世帯」の増加に対応したものなのでしょうか?
 
◇その通りです。全国的に65歳以上の「高齢者の単身世帯」は増加の一途で、山口県で見ると2022年の統計ですが全世帯に占める高齢者の1人暮らしの割合は21.3%で全国第2位の高さです。
 
◆全世帯に占める高齢者単身世帯率が21.3%とはすごい比率ですね。「死後事務委任契約」の必要性がよく分かりましたが、この契約はどのようなところが行うでしょうか?
 
◇自治体もこのような状況を憂慮して、「生前の葬儀・納骨契約の支援」等を始めたところも全国的には出てきましたが、残念ながらまだまだ今からといった状態です。そのため各種の企業や社団法人等が参入してきているのですが、契約内容が複雑であるため、一般の方が自分のニーズにあったサービスを選定することは至難の業といえます。そのため必要のないサービスまで契約してしまい、無駄に資産を減らしている場合も多くあるようです。また、死後事務委任契約では各種の契約解除や届出など、実際に体を動かして行動しなければならないことも多くありますので、その行動力があるかどうかも確認すべきことだと思います。
 
◆なるほど。「死後事務委任契約」事業者もまだまだ改善の余地が多いということでしょうか?
 
◇そうですね。なお、今回お話しした「死後事務委任契約」ですが、これは法令上の呼び名でして、実際にサービスとして出されているものは「旅立ちサービス」や「ご安心パック」など様々な呼び名がありますので注意してください。
 
◆ところで、とくさんのところでも、先週の「身元保証」と「死後事務委任契約」を行っているんですよね。
 
◇はい。私たちも納骨堂の契約などを通じて死後事務委任契約を依頼されることが度々あり、可能な限りお受けしているのですが、その要望については本当に多岐に渡り、日々勉強しながら進めているのが現状です。
 
◆分かりました。今後は誰でも「お一人様」になる可能性が高いので、他人事ではなく、元気な内に自分の将来及び亡くなってからの準備をしておくことは本当に大切なことだと思いました。とくさん、2週に渡って大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

最近の「終活」事情
2024/11/23放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆今週と来週は「終活」について学びたいと思います。「終活」と言えばこの方ですね。スタジオには NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長の徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、よろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
◆とくさん、今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇はい、今日は『最近の「終活」事情』について、お話ししたいと思います。私が実際の「終活セミナー」や相談会を通じて感じていることや最近の勉強会でよく出る話などをまとめてご紹介しようと思います。
 
◆「終活」を取り巻く状況も日々、変化していますからね。よろしくお願いします。
 
◇わかりました。まずは一番費用がかかり、相談も多い「葬儀とお墓」についてです。葬儀は、今や葬儀イコール家族葬と考えられる方が多いようです。理由は多くの弔問客に対する対応の煩わしさと費用だとされています。確かに弔問客の対応は煩わしいものではありますが、主役は自分ではなく亡くなった方なのですから、故人の本当に親しかった方達に最後のお別れの機会を作ってあげることは、大事なことだと思いますし、これが一番のご供養だと私は思います。
 
◆私もそれはすごく大切なことだと思います。
 
◇また、費用面についても一般葬と家族葬では、弔問客からの香典などにより収支的には一般葬の方が安いといった統計も出ています。さらに最近流行りつつあるのが後日改めてパーティー形式の告別式を行う「骨葬」です。
 
◆「骨葬」ですか。初めて聞きますが、詳しく教えてください。
 
◇はい、「骨葬」とはご遺体を前に告別式を行わず、いきなり火葬します。ここまでは「直葬」と同じですが、骨葬は、お骨になった後にご遺骨を祭壇にあげて葬儀を行うのが特徴です。実は山口県でも山陰地方では一般的な葬儀方法となっています、が、この骨葬は火葬の直後に告別式を行いますので、基本的には一般葬に近い方法だと思います。一方、近年行われている骨葬は、先ほど言いましたとおり、葬儀を後日行います。場所も葬儀場だけではなく、ホテルのパーティールームやレストランなどでも行われています。こうすることで出席者も予定を立てやすく、また、会費制にすることで収支の予定が立てやすいメリットもあります。
 
◆「骨葬」は火葬後に葬儀を行うのですね。わかりました。
 
◇式では、故人の思い出の映像や当日欠席者のビデオメッセージ。また、奉納演舞などのパフォーマンスなど、ほぼ結婚式のような賑やかな葬儀になるようです。こちらの方が現代のニーズにマッチしているようにも思います。
 
◆なるほど。実際の葬儀とは違い、ご遺族も少し落ち着かれていらっしゃるでしょうから、違った形で故人を偲ぶことができそうですね。
 
◇そうですね。次に「お墓」についてですが、ここ最近「墓じまい」が加速度的に増えています。最もお墓の歴史を考えますと、現代の納骨室を備えたお墓は戦後からのものがほとんどで、それ以前はほぼ土葬墓でした。また、仏石と言われる「○○家之墓」などと刻まれた細長い墓石を備えたお墓は明治期からで、それ以前は五輪塔といわれる石積みの塔がお墓とされています。実は仏教には墓の概念が宗派により大きく違うため、また、住んでいる地域により墓の形状も違っていますので、最近の「墓じまい」についても、これも時代の流れであり日本文化の破壊と言われる方もあるようですが、私は別に問題はないと考えています。手入れがされない無縁墓を作るよりも納骨堂など管理を依頼できる施設にご遺骨を移す方が、ご遺族としても安心なのではないでしょうか。
 
◆そうですね。大切なことはご先祖様に感謝の心を捧げることで、継承者の問題もありますので、供養の方法は色々あって良いと私も思います。
 
◇続いて大きなこととして「身元保証」があります。この身元保証については以前お話ししたように政府から運用についてのガイドラインが出ており、以前に比べ、悪質な業者は減ったように思いますが、やはり高額であることに変わりはありません。また、不必要とも思える契約書の作成費用など、オプション料金も相当なものとなっています。
 
◆「お一人様」が増えていく中、親族や頼れる人がいない方も増えていくでしょうから この「身元保証」及び「財産管理」「遺言作成」など他のことにも及ぶ「身元保証契約」は慎重に吟味しないといけないですね。
 
◇そうですね。身元保証が必要な時は基本的に身体の具合が良くない時で、契約などはとても出来ない状況であることが多いと思いますので、身元保証については元気な時から資料などをよく読んでおくことをおすすめします。
 
◆本当にそうですね。
 
◇さて、次は「身辺整理」、いわゆる断捨離ですね。断捨離についてはテレビや雑誌で特集が組まれる等、ちょっとしたブームではあります。確かに身のまわりを整理することは普通の社会生活においても重要なことだと思いますし、終活としても遺族に負担をかけないために行う大切なこととされています。しかし、これは私の考えなのですが、断捨離はほどほどにと思っています。
 
◆ほう、それは何故ですか?
 
◇それは、残された遺品を整理する遺族は、亡くなった親族のことを思い出しながら、故人を偲ぶ大切な作業だと思うからです。と言いますのは、以前、お母様を亡くされた女性がお母様の遺品整理をしていたところ、自分が小学生の時に書いた母の日の感謝の手紙が出てきたそうです。自分では書いた記憶もなかったのですが、お母さんはその手紙を大切に保管していてくれたようです。75歳のお嬢さんは涙をポロポロ流して嬉しそうに話してくれました。私はこの涙こそ本当のご供養だなと、その時感じた次第です。
 
◆良いお話しですね。
 
◇もちろん明かなごみや親族にも必要ないと思われるものは、しっかりと断捨離をしましょう。遺品整理については、写真や手紙、人形などの廃棄しにくいものについては神社などで遺品供養をしてくれるところがありますので、ご利用されるのもいいかと思います。費用については施設ごとに違いますので、お問い合わせ下さい。
 
◆今日は「骨葬」「身元保証」「遺品整理」など大切な話が多かったですね。とくさん、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

今日からできる腸内環境の整え方
2024/11/16放送
出演者
株式会社 Buchiii. 代表取締役 須本愛子さん

◆先週と今週は「小腸」「大腸」など「腸」について学んでいます。研究が進むにつれ、「腸」は健康長寿のカギを握る重要な器官であることが分かってきました。スタジオには先週に引き続き、「腸の専門家」株式会社 Buchiii. 代表取締役 須本愛子さんにお越しいただきました。須本さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は『健康も美容もすべては腸から』というテーマでお話しいただきましたが、今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇はい。今回は『今日からできる腸内環境の整え方』というテーマでお話しようと思います。
 
◆大切なことですね。ではよろしくお願いします。
 
◇はい。前回もお話したように、加齢とともに腸内環境は悪くなると言われていて、60代以降は急激に腸内環境が悪くなると言われています。
 
◆そうなんですね。なぜ年をとると腸内環境が悪くなるのですか?
 
◇加齢とともに腸内細菌のバランスが悪くなること、自律神経のバランスが乱れたり、筋力が衰えて腸の動きが悪くなったりすることなどが原因と言われています。
 
◆分かりましたが、何とか改善したいですね。
 
◇そうですね。うんちは大便と書くようには体からの大きなお便りです。毎日良い便が出ている時は体も心もうまく機能している時ですが、便秘をしていたり下痢をしていたりしている時は体や心がうまく機能していない時なんです。
 
◆確かに色、形ともに良いうんちがすんなりと出た時は、気持ちもスッキリしますし、体調もいいですね。便秘をしたり、下痢をする原因は何ですか?
 
◇はい。便秘の主な原因は「水分不足」と「腸の動きが悪い」ためです。そして下痢の主な原因は、ストレス」、「飲酒」、「暴飲暴食」などです。
 
◆なるほど。便秘の方におすすめの対処法はありますか?
 
◇便秘の方におすすめの対処法は、
①水を飲む
②食物繊維をとる
③軽い運動をして腸を動かす です。
 
◆まず、水はどれくらい飲んだら良いですか?
 
◇生活スタイルによっても違いますが、基本的に便秘の方は圧倒的に水分が足りないので、1.5?以上がお勧めです。トイレが近くなる方は、一気に飲まずにこまめに飲むのがポイントです。
 
◆分かりました。次に食物繊維が大切なのはよく聞きますが、1日にどのくらいとったら良いのですか?
 
◇食物繊維の1日の目標摂取量は男性が21g、女性が18gですが、実際には平均12gの摂取で どの世代でも全然足りていないと言われています。お腹の調子をよく保つためには24gが理想ですが、まずは男性は21g、女性は18gをめざして欲しいです。
 
◆例えば女性の目標摂取量である18gの目安ってどれくらいなんでしょうか?
 
◇はい。白ごはん1杯で2g、もち麦を白米に混ぜると4g摂取できます。もち麦ごはんを3食食べると12g摂取できますね。納豆1パックで3g取れるので15g。あとは味噌汁にわかめを入れたり、きんぴらごぼうやサラダなど食べたりすると18gになります。サラダなど野菜よりもご飯の方が食物繊維を効率よく摂れるので、主食を抜かないことがポイントです。あと便秘の方は、長芋や納豆などネバネバしたものがお勧めです。
 
◆よくわかりました。軽い運動とはどんなものがお勧めですか?
 
◇腸に刺激を与えたり、お腹周りの筋肉を鍛えたりすることが目的なので、ウォーキングやストレッチが良いですね。ラジオ体操は腸を支える筋肉にアプローチできてすごく良いと思います。
 
◆分かりました。では下痢の方におすすめの対処法を教えてください。
 
◇はい。お腹がゆるい方におすすめの対処法は、
①発酵食品を食べる
②深呼吸をする
③お腹を温める です。
 
◆発酵食品はいつ食べるのがお勧めですか?
 
◇基本的には夜ですが、腸内環境が悪化するシニア世代は毎食食べることがおすすめです。
 
◆なるほど。次に深呼吸はどのようにすると良いですか?
 
◇そうですね。腸にとっては例えば5秒で吸って10秒で吐くなど意識的に1:2の呼吸をすると腸が正常に動きやすくなるのでおすすめです。
 
◆分かりました。どれも簡単で意識すればできそうですが、それぞれの対処法は続けることが大切ですよね。
 
◇はい。継続すると腸が変わってきます。
 
◆そして毎日、体からのお便りである便をしっかり観察すること。便の状態によって対策をしていくことが大切ということですね。
 
◇はい。ただし長期で便秘や下痢が続く場合は病気の可能性もあるので、早めに病院に行って欲しいですし、定期的に大腸がん検診を受けましょう。
 
◆よく分かりました。須本さん、最後に一言、お願いします。
 
◇人生百年時代と言われていますが、せっかくなら健康で楽しくそして美しく生きていきたいですよね。私は腸から人生が変わったので、今体調不良の方には、ぜひ『腸』に注目していただきたいです。まずは自分の便を観察するところからですね。サロンやスクールでも腸活のサポートをしていますので、ぜひご相談ください。
 
◆そうですね。「腸」に関してご相談がある方は山口市の株式会社 Buchiii.までご連絡ください。須本さん、2週にわたって「腸」について詳しく教えていただき、ありがとうございました。「腸」が非常に大切な臓器であることがよく分かりましたし、腸内環境の整え方も勉強できました。本当にありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

健康も美容もすべては腸から
2024/11/09放送
出演者
株式会社 Buchiii. 代表取締役 須本 愛子 さん

◆今週と来週は、「小腸」「大腸」など「腸」について学びたいと思います。「腸」はかつて、食べ物を消化吸収して排泄するための器官と思われていましたが、研究が進むにつれ、「全身の免疫を司る」など健康長寿のカギを握る重要な器官であることが分かってきました。スタジオには「腸の専門家」株式会社Buchiii. 代表取締役の須本愛子さんにお越しいただきました。須本さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆まずは須本さんのプロフィールをご紹介しましょう。1974年下関市のお生まれ。山口大学教育学部をご卒業後、福岡市役所に入所されましたが、ご結婚を機に退職。その後アロマテラピーを学ばれ、自身のサロンやスクールを開業されるなど活躍されていました。そんな中、39歳の時、甲状腺がんが発覚。術後体調を崩したことをきっかけに「健康の根本は腸である」ことを確信し、一般社団法人日本美腸協会で本格的に腸について学ばれました。一人でも多くの方に腸の大切さを知ってもらうことを使命と感じ、エグゼクティブ認定講師としてご活躍中です。2020年、株式会社Buchiii.を山口市に設立し、「楽しく美味しく食べて健康に」をモットーに企業研修・商品開発・便秘改善・腸活専門のサロンやスクール運営にも従事されています。
という須本さんですが、今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇はい。今日は『健康も美容もすべては腸から』というテーマでお話しさせていただきます。
 
◆分かりました。まず甲状腺がんを患われたのをキッカケに「腸の専門家」になられたとのことですが、そのあたりを詳しくお話しいただけますか?
 
◇はい。39歳の時になんとなく受けた自費検診でいきなり甲状腺がんを告知されました。幸いがん自体は初期だったんですが、術後、原因不明の体調不良が1年くらい続き悩みました。いろんな病院に行ったんですが原因がわからず、自分なりに試行錯誤した結果、最終的に「腸に原因があるのではないか」という結論にたどり着きました。
 
◆体調不良が長く続いた原因は「腸」にあるという結論に達した訳ですね。
 
◇そうなんです。そしてタイミングよくテレビで見た腸の専門家に会いに東京へ行き、現在所属している日本美腸協会で腸について学びました。
 
◆「日本美腸協会」とはどういうところですか?
 
◇腸が今ほど注目されていなかった2013年からある協会で、顧問は便秘外来の医師である小林暁子先生です。美腸協会では自分の腸タイプを知り、自分のおなかに合った食事や腸もみの技術を学びました。医療ベースの知識が学べることもあり、医療従事者が多いのも特徴です。学んだことを実践後、お腹の調子がよくなったのはもちろんですが、原因不明の体調不良が改善しました。腸活を続けて1年後には20年来の花粉症の症状が出なくなりました。息子の10年来の花粉症も改善したんです。
 
◆え~。腸活をして花粉症が改善したんですか?すごいですね。
 
◇今考えると、子どもの頃から万年便秘だったこと、術前術後は便秘と下痢を繰り返していたこと。仕事が忙しくストレスが多かったこと、食事が乱れていたことなど体調不良になった心当たりが本当にたくさんあります。
 
◆なるほど。食事の乱れ、ストレスの影響が腸に出て、体調不良に繋がったということでしょうか?
 
◇そうですね。実は私と息子だけでなく、最初は腸活に全く興味を示さなかった主人が私たちの変化を見て、腸活をしたいと言い出しサポートしたところ、半年で体重が16kg減、お腹周りが20㎝近く細くなりました。
 
◆「腸活」の効果はすごいんですね。
 
◇自分自身や家族の変化で健康と美容の根本は『腸』であると確信し、今は山口県を腸から元気にするために活動をしています。
 
◆よく分かりました。腸と病気の関係を示すデータなどはありますか?
 
◇日本人の便秘人口は438万人以上と言われています。がん罹患数男女合計1位は大腸がん、女性のがん死亡数1位は大腸がん(男性は2位)です。
 
◆大腸がんの罹患数、死亡数は多いんですね。
 
◇そうなんです。大腸がんは初期だと予後が良いのですが、初期症状がないため手遅れになりやすいのが特徴です。腸内環境は年々悪くなり、60代から急激に悪化すると言われています。シニア世代は大腸がん検診を定期的に受けるとともに、積極的に腸活をすることがおすすめです。
 
◆腸の活動「腸活」については、来週ご紹介していただこうと思いますが、健康と美容の根本が腸であると思われる理由を教えてください。
 
◇はい。『病気の9割は胃腸から』という言葉があるように、腸内環境の良し悪しが心や体の健康に大きく影響します。腸には小腸と大腸があるのですが、小腸は栄養素を体に取り込む場所なので血液の質を決めたり、全身の免疫細胞の7割が集中している免疫の要でもあったりする、とても大切な臓器です。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの生成にも小腸が大きく関わっています。
 
◆「小腸」は血液の質を決めたり、免疫の要であったり、幸せホルモンを作ることに関わるなど、本当に大切な臓器なんですね。
 
◇そうなんです。また大腸では便を作っているだけでなく、多くの腸内細菌が住んでいて、腸内フローラを形成しています。腸内細菌は人それぞれ違い、デブ菌・痩せ菌・ポジティブ菌・ネガティブ菌など、どの菌を保有しているかで体調やメンタルに大きく関わることが分かってきています。
 
◆「腸内フローラ」はよく聞きますね。そして大腸には多くの種類の細菌が住んでいるんですね。須本さん、今日は「腸」が非常に大切な臓器であることがよく分かりました。ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

シルバー世代が気をつけるべき眼の病気
2024/11/02放送
出演者
医療法人広田眼科 院長 廣田篤さん

◆先週と今週は、リスナーさんからの要望にお応えして「眼の病気」について学んでいます。今週も周南市の医療法人広田眼科 院長の廣田篤さんにお越しいただきました。おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は白内障について、症状から治療まで詳しく教えていただきました。廣田先生、今週はどのようなお話をしていただけますか?    
 
◇まずはリスナーさんからの質問にお答えしたいと思います
 
◆『「レーシック」をすると、夜の運転が出来ないとか、視力はこれ以上戻らないとか、色んな情報を聞きます。専門家の方に、正しい情報を教えていただけないでしょうか?』ということでしたね。それではよろしくお願いします。
 
◇はい。「レーシック」自体ですが、基本的に安全で効果的な治療法です。2000年に認可をうけ、長い間、メガネやコンタクトから解放されるための治療の主流でした。しかし2013年に集団感染、消費者庁の注意喚起があり、海外にくらべ日本ではかなり数が減っています。
 
◆そんなことがあったんですか。それでは、「レーシック」はかなり安全と考えていいのですか?
 
◇そうですね。「レーシック」は角膜を削って近視を治すので、強い近視では削る量が多く、まぶしくなったり、コントラストが落ちたりして、運転がしにくくなることもあるようです。最近では、目の中にレンズを入れる「ICL」眼内コンタクトレンズという方法が確立され、強い近視は「ICL」、軽い近視には「レーシック」という考え方が出てきました。当院ではより安全な「ICL」のみ行っています。
 
◆分かりました。「レーシック」の他に「ICL」という方法もあるんですね。芸能人のAとかBとかが受けているやつですね。「レーシック」を受けると白内障手術が受けられないという話は、本当でしょうか?
 
◇これまで「レーシック」を受けると眼内レンズの度がずれることが問題でした。しかし眼内レンズの計算式が進歩してきましたので、度数ずれはかなり少なくなっています。最近はAI技術も導入されていますので、ますます正確になっていくと思います。
 
◆分かりました。レーシック、ICLについて詳しく説明していただきました。その他、シルバー世代が気をつけなければならない眼の病気を教えて下さい。
 
◇はい。最近、症例数が増えている「加齢黄斑変性症」とリスナーさんが気にされている「黄斑前膜」についてお話ししたいと思います。
 
◆あまり聞きなれない病名ですが、両方とも黄斑という名前がついていますね。黄斑とはどういうものですか。
 
◇目の中に網膜という光を感じる膜があって、その中心で、ものを見るために最も重要な部分を黄斑といいます。
 
◆黄斑部は網膜の中で、モノを見るのに、非常に重要な部分なのですね。ではまず「加齢黄斑変性症」について教えてください
 
◇はい。黄斑には本来血管はありませんが、加齢黄斑変性症になると、酸素が足りないなどの原因で、もろい異常な血管が生じてきます。その血管は破綻しやすく、黄斑に浮腫や出血を繰り返したりするので、視力が徐々に低下してきます。加齢黄斑変性症は生活習慣の変化や高齢化で日本でも急に増加しています。アメリカなど欧米先進国では、50歳以上の失明原因の1位で社会問題にもなっています。
 
◆失明原因の1位ですか。怖いですね、どのような症状でしょうか。
 
◇はい。ものが歪んで見えたり、色が分かりにくくなったりします。見ようとする部分が見えないので、人の顔が分かりにくい、文字が読めないと訴える方が多いようです。
 
◆恐ろしい病気ですが、予防や治療方法はありますか?
 
◇加齢黄斑変性症の予防には、強い光を避けることや禁煙が重要といわれています。また緑黄色野菜や青魚の多い食事習慣、ルテインを含んだサプリメントの摂取もある程度進行を抑えるようです。治療は、現在では抗VEGF剤という薬剤を定期的に眼内に注射しています。白目から非常に細い針で注入しますので、痛みはほとんどありません。抗VEGF剤は、もろい血管を抑える有効な薬剤ですが、落ち着くまで数年にわたって治療を受けなけれなりません。また光線力学的療法といって、病変部の新生血管を特殊な薬剤とレーザーで退縮させる方法もあります。
 
◆禁煙や食事が大切なんですね。気を付けなければなりませんね。治療に大切なことは何でしょうか?
 
◇早く見つけること、中断せずにしっかり治療を受けることが大切です。両眼に起こりますし、高い確率で失明しますので、根気よく治療を受けましょう。
 
◆「加齢黄斑変性症」は本当に怖ろしい病気ですね。強く意識しておきましょう。最後に、リスナーさんも気にしておられる「黄斑前膜」について教えてください
 
◇はい、黄斑前膜とは黄斑の前に膜がはる病気です。加齢により自然にできるものと、外傷や炎症がきっかけで出来るものがあります。
 
◆「黄斑前膜」になると、どのような症状が出るのでしょうか。
 
◇物がゆがんで見えたり、視力が落ちたりします。片眼にして方眼紙などを見ると線がゆがんでみえることで、ある程度自己診断ができます。
 
◆皆さまもぜひやってみましょう。治療方法についても教えてください
 
◇黄斑前膜の根本的な治療は、手術するしかありません。しかし、さまざまな程度があり、すぐに手術をしなければならないというわけではありません。視力が落ちる、ゆがみが強くなるなどの症状があれば、放っておくと回復しにくくなるので手術が必要です。
 
◆分かりました。先週・今週と「シルバー世代が気を付けるべき眼の病気」について詳しく教えていただき、大変勉強になりました。またリスナーさんの質問にも丁寧にお答えいただきました。廣田先生、本当にありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。