ヤスベェの人生100歳満点!

転ばぬ先の知恵

2024年10月 月間アーカイブ
白内障について
2024/10/26放送
出演者
医療法人広田眼科 院長 廣田篤さん

◆先日、ラジオネーム「おかしら番長」さんから番組あてに要望がありましたのでご紹介します。
『ヤスベェさん!おはようございます。61歳!高齢ともなりますと、健康に気を遣う場面も多くなってきます。テーマは「眼」。「白内障」そして「黄斑前膜」と目の病気も様々です。手術を受けて治療する予定ですが、聞くところによると、「レーシック」をすると夜の運転が出来ないとか、視力はこれ以上戻らないとか、いろんな情報を聞きます。専門家の方に、正しい眼の情報を教えていただけると良いなぁ~と思います。よろしくお願いします』ということです。
この番組では「健康・病気」についていろいろと取り上げてきましたが、「眼」については取り上げたことはありません。ということで、今週・来週は「眼」について学びたいと思います。スタジオには周南市で開業されている広田眼科院長の廣田篤さんにお越しいただきました。廣田先生、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆まずは廣田先生のプロフィールをご紹介しましょう。周南市のお生まれ。徳山高校、広島大学医学部をご卒業後1985年に広島大学の眼科学教室に入局されました。その後アメリカ・エール大学で2年半博士研究員を経験され、2000年に周南市の医療法人広田眼科院長に就任されました。2010年から現在まで広島大学の臨床教授に任命され、さらにアメリカの認定調査会社「ベストドクターズ社」が実施する「ベストドクターインジャパン」にも10年連続で選出されています。2011年には世界的規模の欧州白内障学会のビデオコンテストで最優秀賞を受賞、これは27か国130作品の中から選ばれたそうです。それ以外にもアメリカ、ヨーロッパ、アジアで多くの賞を受賞されています。ボランティアにもご熱心で、ネパール、ミャンマー、中国などでアイキャンプ(手術活動)に参加されたこともあるとのこと。
すごい経歴と情熱をお持ちの廣田先生ですが、今日はどんなお話しをしていただけますか?
 
◇はい。「黄斑前膜」「レーシック」の説明は来週にさせていただき、今日はシルバー世代の人にとって、一番気になる病気「白内障」についてお話ししたいと思います。
 
◆今日のテーマは「白内障」ですね。年を取ってくると、みんな「白内障」になるイメージがありますが、実際に「白内障」とはどのような病気なのか分かりやすく教えていただけますか。
 
◇ヤスベェさんたちの世代になじみのある、従来のカメラで白内障の説明をさせていただきます。
 
◆昔、旅行や運動会の時に首にぶら下げていたやつですね。
 
◇はい。目の中にはカメラのレンズに相当する水晶体という部分があります。本来は透明で厚くなったり薄くなったりして、フィルムに相当する部分にピントの合った光を写しています。年をとって厚みを変えられなくなり、ピントの合わなくなる状態を老眼、何らかの原因で水晶体が濁って見えにくくなる状態を白内障といいます。
 
◆よくわかりました。白内障の症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
 
◇そうですね。かすんで見えにくくなることが多いのですが、まぶしくて夕方運転しにくい、暗くなると見えにくい、二重三重にみえる、メガネの度がたびたび変わるなどの症状もあります。
 
◆なるほど。では どのくらいの人が白内障になるのでしょうか?
 
◇はい。程度にもよりますが、60歳代で60%、80歳代で90%以上の人が白内障になるといわれています。
 
◆高齢になると相当数の方が白内障になるんですね。リスナーの中にも白内障の方がいらっしゃるかもしれませんね。治療はどのように行われるのでしょうか?
 
◇点眼薬もありますが、はっきりした効果は認められていません。濁った水晶体を透明にするのは、残念ながら手術しかありません。最近では、手術装置も水晶体の代わりになる眼内レンズも進歩していま
すので、安心して効果のある手術を受けられるようになったといっても過言ではありません。
 
◆やはり手術しかないのですね。ただ手術というと、我々は怖くて痛いという印象があるのですが、どうなんでしょうか?
 
◇たしかにそうですね。しかし、白内障手術の進歩は著しく、日帰り手術も可能です。目薬で麻酔をして、10分から15分くらいで終わりますし、傷口も2~3mmで回復も非常に早くなっています。
 
◆随分と手術も進歩しているんですね。注射もないし、時間もあまりかからないんですね。少し安心しました。先ほど「水晶体の代わりになる眼内レンズ」と言われましたが、どのようなものなんでしょうか?
 
◇眼内レンズは柔らかいアクリル素材で、折りたたんで2~3mmの小さな傷から、もともとあった水晶体の部分に挿入します。度数を調整できますので、近視や遠視だけでなく、乱視も直すことができます。最近では多焦点眼内レンズといって、老眼も直してくれるレンズが開発されています。それぞれメリット、デメリットがありますし、医療機関によって取り扱う眼内レンズが違うので、近くの眼科に問い合わしてみてください。
 
◆分かりました。多焦点眼内レンズは近視や乱視だけでなく老眼も直してくれるけれど、メリットデメリットがあるのですね。最後に手術のタイミングについて教えてください。
 
◇日々の暮らしで不自由を感じたときが白内障手術のタイミングです。必要な見え方は、人によって異なりますので、タクシーの運転手さんや歯医者さんなど精密なものをみる方は、比較的早く手術を受けなければなりません。運転をされない方、外にあまり出ない方は、ある程度進んでから手術を受ける方が多いようです。 
 
◆廣田先生、今日は「白内障」について、分かりやすくご説明いただき、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

生命保険の手続きと事前準備について
2024/10/19放送
出演者
一般社団法人 生命保険協会 山口県協会 事務局長 岩端昭則さん

◆さて先週と今週2週にわたって「生命保険」について学んでいます。今週もスタジオには一般社団法人 生命保険協会 山口県協会 事務局長 岩端昭則さんにお越しいただきました。岩端さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週は、我々シルバー世代が生命保険について行うべきこととして、「今加入している保険内容の確認・把握」と、「加入している保険について家族に知らせておく」ことが重要ということでしたね。いざという時に助けになる生命保険、きちんと把握し、給付できるようにしたいですね。岩端さん、今日はどのようなお話しをしていただけますか?
 
◇はい。今日は、保険契約者が認知症に罹患した場合を想定し、起こりうる事例と、困らないために事前に備えておくべきポイントをご説明いたします。
 
◆今日も大切なテーマですね。よろしくお願いいたします。
 
◇はい。まず、「生命保険に加入しているかどうかが分からない」という事例です。先週はこうならないように家族に伝えておくことが大切と言いましたが、やはりこういうケースは多いです。
 
◆そうでしょうね。
 
◇はい。契約者は医療保険に加入していたようですが、数年前から判断能力が低下し、今回肺炎で入院することとなりました。ご家族は、生命保険に加入しているのであれば給付金の請求をしたいけれど、そもそも加入しているかどうか分からないという状況です。この事例に備えておくべきことは、本人が認知症になってしまった場合に備え、どのような保険に加入しているか、ご家族がわかるようにしておくことが大切です。
 
◆そうですね。しかし、家族に伝えられていなかった場合は、どうなるのですか?
 
◇そうした場合は、「生命保険契約照会制度」があります。ご親族等が死亡した場合、または認知判断能力が低下した場合に、ご親族等が保険契約者または被保険者となっている生命保険契約の有無を、生命保険協会が全生命保険会社に確認する制度です。
 
◆生命保険に入っているかどうか、家族が知らないこともありますからね。「生命保険契約照会制度」はありがたい制度ですね。
 
◇そうですね。次に、「契約の内容が分からない」という事例です。契約者は最近判断能力が低下しており、妻が書類を整理していると知らない保険証券が出てきました。妻は契約の内容を確認しようと保険会社に電話しましたが、契約者である夫の同意が必要と言われました。でも夫は認知症なので聞くことが出来ない状況になってしまいます。この事例に事前に備えておくべきことは、元気なうちに生命保険に加入していることや、保険契約の内容をご家族に話しておくことです。また、保険証券などの契約関係書類は、保管する場所を決めてご家族と共有しておいてください。
 
◆やはり保険証券などの契約関係書類は、家族も分かるようにきちんと保管しておくことが大切ということですね。
 
◇はい。続いて「給付金の請求ができない」という事例です。契約者の夫は医療保険に加入していることを家族と共有していましたが、数年前から判断能力が低下し、今回、肺炎で入院することとなりました。しかし、被保険者である夫が手続きをしなければならず、認知症のため手続きが出来ない状況になってしまいます。この事例に事前に備えておくべきことは、あらかじめ指定した代理人が被保険者に代わって保険金等を請求できる「指定代理請求制度」を活用し、代理人を登録しておくことです。そして、代理人にもそのことを伝えておくことが大切です。
 
◆「給付金の請求ができない」とは大きなことですね。事前に「指定代理請求制度」を活用するわけですね。
 
◇はい。最後は、「保険金の受取人が亡くなったが、変更の手続きが出来ない」という事例です。契約者の父は保険に加入していますが、最近、判断能力が低下してきました。保険金受取人の母が死亡したことで、受取人の変更が必要となりましたが、父が認知症で変更手続きが出来なくなってしまいます。この事例に事前に備えておくべきことは、あらかじめご登録された契約者代理人が、所定の手続きを行う「保険契約者代理制度」を活用し、契約者代理人を登録しておくことです。
 
◆これも大事なことです。「保険契約者代理制度」を事前活用する必要があるんですね。
 
◇そうです。いずれにしても疑問や困ったことがあれば、すぐにご加入の生命保険会社のご相談窓口や担当の営業職員、代理店にご相談ください。なお、認知症の罹患を支払い理由とした保険契約もありますので、ご興味のある方は生命保険会社にご相談ください。主契約で認知症を保障するタイプの他、特約機能で付加するタイプや、介護保険の支払い事由に認知症を組み込んだタイプ等、様々な種類がありますので、ご希望をお伝えください。因みに、認知症予防で大事なことは3つ、適度な運動とプラス思考、バランスのよい食事だそうです。リスナーの皆さん、どうぞお元気でお過ごしください。
 
◆はい。今日は保険契約者が認知症に罹患した場合を想定し、起こりうる事例と、事前に備えておくべきポイントを説明していただき、具体的に事前準備しておくことの大切さがよく分かりました。また分からないことはご加入の生命保険会社にすぐ相談することが重要ということですね。岩端さん、2回にわたり大事なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

シルバー世代が生命保険について行うべきこと
2024/10/12放送
出演者
一般社団法人 生命保険協会 山口県協会 事務局長 岩端昭則さん

◆今週と来週は、ほとんどの方が加入されているのでないでしょうか?「生命保険」について勉強していきたいと思います。スタジオには一般社団法人 生命保険協会 山口県協会 事務局長の岩端昭則さんにお越しいただきました。岩端さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆岩端さんは2回目のご出演になりますが、改めて「一般社団法人 生命保険協会 山口県協会」とはどういう組織なのか、教えてください。
 
◇はい。生命保険協会は、わが国における生命保険業の健全な発展と信頼性の維持を図ることで、国民生活のさらなる向上に寄与することを目的に活動している一般社団法人で、現在日本で生命保険業を営む、全生命保険会社421社が加盟しています。東京都に本部があるほか、全都道府県に一か所以上の地方協会を設置しており、山口県では下関市に事務室があります。
 
◆分かりました。まず私からお聞きしたいことありますが、よろしいでしょうか。
 
◇何でしょう? どうぞ。
 
◆生命保険にはほとんどの方が加入されていると思いますが、私を含めたシルバー世代が今、生命保険について、行うべきことは何ですか?
 
◇大変良い質問です。シルバー世代の方が行うべきことは2つあると思います。1つ目は今加入されている生命保険を確認し、きちんと把握することです。加入されたのが何十年も前で、しかも知り合いから進め勧められたまま入り、よく内容を把握されていない方も多いようです。どのような種類の保険に入っていて、保障期間はどうなっているのか、受取人はだれになっているのかなど一度きちっと確認することをお勧めします。自分の思っている保険と違っていたり、保障期間が過ぎていたり、また離婚経験がある方などは特に受取人の確認が必要です。
 
◆なるほど、離婚経験がある方は受取人が前の奥さん配偶者のままになっている可能性があるということですね。
 
◇その通りです。ご加入の保険内容を確認・把握される場合、ご不明な点も多いと思いますので、どうか遠慮なさらずに、ご加入の生命保険会社のご相談窓口や担当の営業職員、代理店に相談をしてみてください。
 
◆分かりました。私も今入っている保険をしっかりと確認してみます。
 
◇それから、もうひとつ大切なことは、どのような保険に加入しているか、必ず家族がわかるように知らせておくことです。
 
◆これは重要なことですね。せっかく保険に加入しているのに、知らない為にお金が必要な時に給付を受けられないこともあり得る訳ですからね。
 
◇そうですね。ところでリスナーの皆さんは、各種の変更届け出や、保険金・給付金の請求は誰が行うのかご存知でしょうか?
 
◆教えてください。
 
◇まず、ご契約内容の変更や解約などの手続きは保険契約者が行います。そして万が一、被保険者がお亡くなりになった場合の保険金請求は死亡保険金受取人ですが、入院や手術をした場合の給付金請求は被保険者です。その他に、満期保険金の請求は満期保険金受取人、そして年金保険の請求は保険契約者となります。
 
◆基本的なことですが、保険には保険を契約する「契約者」、その保険の対象となる「被保険者」、そして保険金などを受け取る「受取人」の3者がおり、この関係をきちっと理解しておく必要がありますよね。
 
◇その通りです。生命保険は契約期間が長いので、節目節目で様々な手続きが必要になります。しかし、各種変更の届け出や給付金請求、保険金請求の手続きは、契約者または被保険者、保険金受取人等の正当な権利者しか取り扱いが出来ません。また生命保険会社は、契約の内容については、たとえご家族であっても正当な権利者ご本人以外の方にはお伝えすることはできません。ですので、例えば保険契約者が認知症に罹患してしまうと手続きが出来なくなることもあります。そうならないために、4つの注意点を申し上げます。
 
◆詳しく教えてください。
 
◇まず1つ目は、どのような保険に加入しているのか、家族がわかるようにしておくことが大切です。そして保険証券等の契約関係書類は保管場所を決めて家族と共有しておいてください。
 
◆大切なことですね。
 
◇2つ目は、事前に保険契約に登録した家族等に契約内容をお伝えするサービスを行っている会社もありますので、保険会社に確認してみてください。「家族情報登録制度」と言います。
 
◆良いサービスですね。
 
◇そうですね。3つ目は、保険金等の請求にあたっては、代理人から請求できる仕組み、つまり指定代理請求制度を利用しているか確認しておいてください。利用しているなら、代理人本人にそのことをお伝えしておいてください。
 
◆「指定代理請求制度」ですね。
 
◇4つ目は、契約者が行う手続きについて、契約者本人に代わって行うことができる制度のある会社もありますので、ご加入の生命保険会社に確認してください。これも同様に、利用しているのであれば代理登録の本人にお伝えしておいてください。
 
◆保険契約者が認知症に罹患してしまうと、本人は「同意・手続き」出来ないので、代理人に行ってもらうようになる訳ですね。
 
◇そうですね。健康な内に、認知症に罹患するなどもしもの場合どうすればよいかを、予めご加入の生命保険会社の方と相談されることは大切なことだと思います。
 
◆そうですね。岩端さん、今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

高齢者等終身サポート事業者ガイドライン
2024/10/05放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆今週も先週に引き続き、当番組ではおなじみ、NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆さて先週は8月に行われた「第10回エンディング産業展」の様子を話していただきましたが、今日はどのようなお話をしていただけますか?
 
◇はい。先週の「エンディング産業展」の説明の中で、今回は葬儀やお墓よりも高齢者の見守りや身元保証などにシフトしてきていると言いましたが、その基準となるガイドラインが今年の6月に示されましたので、その概要について説明したいと思います。
 
◆「高齢者の見守りや身元保証」のガイドラインですか?
 
◇はい。そもそもサポート事業者に対するガイドラインなのですが、一般の方もガイドラインに沿った業者か否かの判断材料になると思いますので、少し難しい内容も含みますが、ぜひお聞きください。
 
◆分かりました。ではお願いします。
 
◇はい。このガイドラインですが、正式には「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」と言い、今年の6月に内閣官房や厚生労働省など多くの省庁が共同で発行しました。
 
◆多くの省庁に関連するこのガイドラインは、どうして出されたのですか?
 
◇はい。その背景にあるのは「身寄りのない単身(一人暮らし)高齢者の増加」です。国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計によると2020年の65歳以上の単身高齢者数は約720万人ですが、2050年には1084万人と約1.5倍になると試算されています。
 
◆え~これは大変な数字ですね。
 
◇その内、配偶者と子どもなど3親等以内の親族がいない、まさに「身寄りのない高齢者」は現在286万人ですが、日本総合研究所の試算では2050年には448万人となる見込みであることがわかりました。
 
◆最近よく言われる「お一人様」ですが、増加が激しいですね。
 
◇そうなんです。するとどのような問題が起こるかというと、老後の施設入居や入院時に求められる身元保証人の問題、通院の同行や金銭管理などの日常生活支援の問題、遺体の引き取りや家財処分などの死後対応の問題など多岐にわたります。
 
◆家族・親族や頼れる人がいないと対応出来ないことが多いですよね。これはまさに大きな社会問題ですね。
 
◇そうなんです。そこで身元保証や死後対応、日常生活支援といったサービスをビジネスとして行う民間業者が出てきています。総務省の調査によると全国に400ほどあるそうですが、この「高齢者サポート事業者」も増加傾向にあります。
 
◆「身寄りのない高齢者、頼れる人がいない高齢者」にとってはありがたいことですね。
 
◇そうですね。しかし、この分野は参入しやすく、十分な経験や知見のない事業者も多く、消費生活センター等に苦情が多く寄せられるなど、いろいろな問題点が指摘されているんです。
 
◆なるほど。そこで…
 
◇「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」の登場となったわけです。
 
◆分かりました。このガイドラインの概略を教えてください。
 
◇はい。内容は大きく分けて、
・病院への入院や介護施設への入所などの際の「身元保証等サービス」
・葬儀や死後の財産処分などの死後事務などの「死後事務サービス」
・日用品の買い物などの「日常生活支援サービス」
の3つです。そしてサービス提供にあたっての基本的な考え方として「利用者本人の尊厳を守り、自己決定を尊重」するよう求め、「本人の価値観や選好(自分の意思による選択)に基づく意思決定を行えるよう配慮する」ことが重要だと指摘しています。
 
◆サービス内容は、大きくわけて「身元保証等サービス」「死後事務サービス」「日常生活支援サービス」の3つですね。
 
◇はい。そして契約の締結にあたっては、利用者本人の年齢や心身の状態などもふまえ、丁寧に説明することを要求。さらに、提供するサービスの内容や費用、あらかじめ預かった預託金の管理方法、解約の仕方やその際の返金の取り扱いなどを記した重要事項説明書を作成して交付するよう求めています。基本的には民法や消費者契約法に基づき、適切に契約を行うことが求められているわけです。
いずれにせよ、高齢者サポートについてはサポート事業者のみで対応することは困難であるため、自治体や病院、介護施設などとの連携を意識しなければなりません。
 
◆「身寄りのない高齢者、頼れる人がいない高齢者」が相手ですので、丁寧に説明し、誠実に行っていただきたいですね。とくさんのところのNPO法人 山口県終活支援協議会でも「高齢者サポート事業」を行っておられますが、いかがですか?
 
◇今のところトラブルは発生していませんし、もちろん今後も発生する事はないと思います。なぜなら今回示されたガイドラインについて、私たちのNPOに当てはめてみたところ、すべてガイドラインの示す通りに事業を展開しており、全く問題なかったからです。
 
◆さすがです。引き続き丁寧・誠実な対応をお願いします。新聞で見たのですが、自治体が「身寄りのない高齢者」のサポートを始めたところもあるようですね。
 
◇はい。そもそも日本の諸制度は家族がいることを前提にしてきましたが、今、それが崩れかかっています。国、自治体、高齢者サポート事業者、地域などが連携し合い、高齢期に身寄りがいなくても、尊厳のある人生を送っていくことができる社会の構築が求められています。
 
◆本当にそうですね。とくさん、今日は大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。