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転ばぬ先の知恵

2023年10月 月間アーカイブ
介護予防・フレイル予防の取り組み①
2023/10/28放送
出演者
下松市高齢福祉課 長寿支援係 村上優香さん

◆今週・来週は2週に渡り、「介護予防・フレイル予防の取り組み」について学んでいきたいと思います。スタジオには下松市高齢福祉課長寿支援係 村上優香さんにお越しいただきました。村上さん、よろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆村上さんは下松市高齢福祉課長寿支援係で働かれていらっしゃいますが、どのようなことをされているんですか?
 
◇はい。他の市町にも同様な部署はありますが、高齢福祉課長寿支援係では主に、高齢者の方が住み慣れた地域でいきいきと暮らし続けられるように、介護予防・認知症予防の推進のための事業や、介護保険外の高齢者サービスに関することについての事業を実施しています。
 
 
◆では今日のテーマ「介護予防・フレイル予防の取り組み」についてお願いします。
 
◇介護予防とは、要介護状態になることの予防、要介護状態がより悪くならないための予防のことです。疾病や怪我などにより突然介護状態に移行することもありますが、多くの場合、フレイルの時期を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられています。
 
 
◆「フレイル」という言葉、最近よく耳にしますね。この番組でも何度か取り上げたことがありますが、改めて「フレイル」について教えてください。
 
◇フレイルとは年齢と共に心身の活力が低下し、要介護状態になるリスクが高くなった状態で、健康な状態と要介護の状態の中間を意味します。単に筋力や歩行スピードが低下する等の身体的な問題だけではなく、認知機能の低下やうつなどの精神・心理的な問題、社会交流機会の減少等の社会的要因が含まれるような多面的な概念です。
 
 
◆なるほど。「フレイル」とは健康な状態と要介護の状態の中間の状態のことなんですね。
 
◇はい。要介護状態になってから健康な状態に戻すことは難しいですが、フレイルの特徴としては、適切な予防行動をとれば健康な状態に戻すことができるといわれています。
 
 
◆「フレイル」は健康な状態に戻すことが可能なんですね。ということは、「フレイル」の状態を見極めることが重要になりますね。
 
◇そうなんです。介護予防もフレイル予防もどちらも健康な状態から要介護状態またはフレイル状態になることを防ぐことですが、フレイル予防はこれまでの介護予防より、より早い段階での予防を目指すものです。フレイルを予防することは、その先にある要介護状態の予防につながり、健康寿命、つまり日常生活に制限のない期間を延ばすことにつながります。
 
 
◆なるほど。「フレイル予防」「介護予防」は、具体的には何をすればいいのですか?
 
◇はい。フレイルを予防するためには運動、お口の機能の維持向上を含む栄養、社会参加の3つの柱が大切と言われています。この3本柱はどれかだけを徹底的に行うのではなく、どの項目もまんべんなく行うことが重要です。
 
 
◆「運動」「栄養」「社会参加」の3つをまんべんなく行うことが大切なんですね。「社会参加」とは「いきがい、楽しみ」と捉えてもいいですかね。
 
◇そうですね。良いと思います。ここで高齢者の方に聞いていただきたい情報があります。
 
 
◆ほう、何でしょう。お願いします。
 
◇「下松市の介護予防・フレイル予防の取り組み」についてお話しさせていただきます。下松市では介護予防、フレイル予防のために高齢者の方が気軽に参加できるような「通いの場」を推進しています。
 
 
◆「通いの場」ですか。
 
◇はい。「通いの場」は県内の各市町にもありますが、地域の住民同士が気軽に集い、体操や運動、趣味活動等、住民が主体となって活動内容を企画し、ふれあいを通して「生きがいづくり」「仲間づくり」の輪を広げる場所です。自宅から歩いて気軽に通えるように、通いの場の立ち上げや、通いの場の継続支援を私ども長寿支援係で実施しています。
 
 
◆すばらしい活動ですね。大切なことだと思います。
 
◇ありがとうございます。下松市内には現在62箇所の通いの場があり、運動や体操を実施するグループ、認知症予防のレクリエーションを実施するグループ、手工芸やカラオケ等の趣味活動を実施するグループ等があります。通いの場の開催頻度は月に1回~週1回程度とグループによって異なります。
 
 
◆下松市内には「通いの場」が62ヶ所もあり、いろいろな活動をするグループがあるんですね。
 
◇はい。長寿支援係では通いの場の盛り上げツールとして、椅子を使った「くだまつサンサン体操」と「いきいき百歳体操」の普及啓発をしています。
 
 
◆「くだまつサンサン体操」と「いきいき百歳体操」ですか。興味深い体操ですが、残念ながら時間が来てしまいました。村上さん、この続きは来週、お願いします。今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

ニコニコ・テクテク・カムカムを実践して、ピンピンコロリを達成②
2023/10/21放送
出演者
海風診療所 院長 沼田光生さん

◆先週と今週は「予防医療」について学んでいます。テーマは『ニコニコ・テクテク・カムカムを実践して、ピンピンコロリを達成』ということで、スタジオには先週に引き続き、海風診療所 院長 沼田光生さんにお越しいただきました。先生、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
 
◆先週は、しっかり噛める歯を準備し、身体に良くないものは避け、食卓に5色(赤・黄・緑・白・黒)の食材がバランスよく揃うようにするという「カムカム」について教えていただきました。今週は「テクテク」と「ニコニコ」について学びたいと思います。沼田先生、よろしくお願いします。
 
◇分かりました。まず、「テクテク」についてですが、みなさん自分の筋肉が弱っていっていることに気がついていないことが大問題です。なので、自分の筋肉が弱くなっていないかセルフチェックすることが最初の重要ポイントとなります。
 
 
◆知らず知らずのうちに筋肉が衰えていくんですかね。そのセルフチェックとはどういうものですか?
 
◇それは「日本整形外科学会による7つのロコチェック」です。今から7つのチェックをしていきますので、皆さん、自分に当てはまるものがないかどうか確認してください。
 
「①家の中でつまずいたり滑ったりする」
「②階段を上るのに手すりが必要」
「③15分くらい続けて歩けない」
「④横断歩道を青信号で渡り切れない」
「⑤片足立ちで靴下がはけない」
「⑥2㎏程度(1㎏の牛乳パック2本程度)の買い物をして持ち帰るのが困難」
「⑦家のやや重い仕事(布団の上げ下ろしなど)が困難」
いかがでしたか?どれか一つでも当てはまれば、ロコモである疑いがあります。
 
 
◆「ロコモ」とは「ロコモティブシンドローム」のことですね。
 
◇そうです。ロコモティブシンドローム・ロコモとは、筋肉や骨、関節など運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことで、その後、要介護状態にすすむ可能性があります。
 
 
◆怖いですね。ロコモから要介護状態にすすまない予防法はないのですか?
 
◇あります。それを予防するために最低限必要な筋トレとして、スロースクワットとプランクがあります。それぞれ30~60秒実施することでも効果があります。
 
 
◆スクワットは分かりますが、プランクとはどんな筋トレですか?
 
◇プランクとは体幹の王様と呼ばれている筋トレです。うつ伏せになった状態で前腕・肘・つま先を床につき、その姿勢をキープします。スロースクワットもプランクもラジオでは説明しにくいので、本やインターネットなどで確認してみてください。
日々の簡単な筋トレや、定期的な筋肉量のセルフチェックを行い、生涯、自分の足で好きな所へ行けるように整えていきましょう!
 
 
◆「テクテク」とは「てくてく歩く」から派生して「運動」を表しているのでしょうか?
 
◇そう通りです。最後に、「ニコニコ」のポイントについてです。言葉通りいつも「ニコニコ」を心掛けるようにするのが重要なのですが、そのためには人と人のつながりが大切であることがわかっています。1979年にバークマンとサイムという研究者が行なったアラメダ研究の結果です。この研究は、アメリカ・カリフォルニア州のアラメダ郡が舞台。30歳?69歳までの男女数千人を対象に9年間追跡調査して、婚姻情況、友人や親族との付き合い、宗教的活動、ボランティア活動などと死亡率との関係を調査しました。その結果、孤独なグループは、つながりの多いグループよりも、男性で2.3倍、女性で2.8倍も死亡率が高まることがわかりました。
 
 
◆研究結果から「人と人のつながりが大切である」ことが実証されたんですね。やはり人はひとりでは生きていけないということでしょうか。
 
◇また、バークマンは、急性心筋梗塞で同じ病院で同じ治療を受けた人たちを対象として、お見舞いに来てくれる人の数と6ヶ月以内の死亡率の関係を調べました。それによると誰もお見舞いに来てくれない患者さんはおよそ70%が6ヶ月以内に亡くなるのですが、お見舞いに来てくれる人が2人以上いると6ヶ月以内の死亡率はわずか26%に抑えられているのです。 
 
 
◆え~そんなに違うのですか。やはり人とのつながりは大きいんですね。
 
◇また、2010年にはアメリカのホルトランスタッドという研究者が次のような発表を行いました。20世紀と21世紀に行なわれた148の研究(総勢約30万人)を統計学的分析した結果、タバコを吸わない、お酒を飲み過ぎない、運動する、太り過ぎない といった項目よりも、「つながり」があることの方が 寿命を長くする影響力が高いという結論を導きました。 
 
 
◆これは貴重な分析結果ですね。運動や危険因子の排除などより、「人とのつながり」という「精神・心」の問題が寿命に影響するんですね。
 
◇皆さん、一人で家に過ごすのではなく、良いコミュニティを見つけて、そこに参加するようにしましょう。気の合う仲間とニコニコしながら楽しい時間を過ごし、その仲間の誰かが、病気になって入院しないといけなくなった時も、みんなでお見舞いに行くようにしましょう!
 
 
◆そうですね。今日は「人とのつながり」が重要であることがよく分かりました。
 
◇2回にわたって、ピンピンコロリを達成するために、「ニコニコ・テクテク・カムカム」の実践が重要であることをお話ししました。実践するのが難しいお話はしませんでしたので、今回のお話の内容を実践し、皆さんでピンピンコロリを達成しましょう!
 
 
◆沼田先生、2週にわたり貴重なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

ニコニコ・テクテク・カムカムを実践して、ピンピンコロリを達成①
2023/10/14放送
出演者
海風診療所 院長 沼田光生さん

◆今週・来週は「予防医療」について学んでいきたいと思います。スタジオには周南市で開業されている「海風診療所」院長の沼田光生さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆まずは沼田先生のプロフィールをご紹介しましょう。先生は昭和39年、山口県周南市のお生まれ。山口大学医学部をご卒業後、大阪大学付属病院等で勤務され、平成23年、周南市梅園町に予防医療の総合施設「トレーフル・プリュス」を開業。「海風診療所」はその施設内にあります。また、令和3年には一般社団法人「健康マイスター協会」を設立し、代表理事を務めていらっしゃいます。
ということですが、「トレーフル・プリュス」とはどんな施設なんですか?
 
◇「トレーフル・プリュス」は「遊びに行ける診療所」をコンセプトに、1Fにカフェ、2Fにフィットネス、3Fに心理カウンセリングルームを併設しています。そして「海風診療所」では予防医療から、ガン治療にいたるまで、西洋医学・東洋医学を問わず、医療・健康・美をひとつと捉え、個人のライフスタイルにあった医療をトータルサポートしています。
 
 
◆確かに気軽に行けそうな感じがしますね。さて今日は「予防医療」について学ぼうということですが、テーマがなんと「ニコニコ・テクテク・カムカムを実践して、ピンピンコロリを達成」ということです。何となく分かるような気もしますが、沼田先生、よろしくお願いします。
 
◇分かりました。我々「海風診療所」では、病気にさせない医療、つまり予防医療の推進を第一義に考えています。健康寿命を伸ばし、要介護状態にならないためには、「ニコニコ・テクテク・カムカム」を実践することが重要であると皆さんにお伝えしております。
1回目の今日は「カムカム」のポイントについて、来週の2回目は「テクテク」と「ニコニコ」のポイントについてお話しします。
 
 
◆分かりました。では「カムカム」についてお願いします。
 
◇はい。「カムカム」のポイントですが、まずはしっかり噛むことが重要です。しっかり噛むためには丈夫な歯が必要です。歯周病などでしっかりと噛むことができないと、食べるものが炭水化物(食べやすいお粥や麺類など)に偏ってしまい、炭水化物過多、タンパク質不足、ビタミン不足、ミネラル不足に陥ります。
 
 
◆なるほど。「カムカム」とは「上下の歯でしっかり噛む」ことなんですね。
 
◇そうなんです。歯が弱っているご老人では、炭水化物過多、タンパク質不足、ビタミン不足、ミネラル不足に陥っている人が多くいらっしゃいますが、まずは歯を整え、しっかりと噛めるようにしましょう。そのためには、歯科的なメンテナンスも非常に重要になります。
海風診療所では、予防医療推進のためには歯科と医科の連携が重要と考え、それを強化すべく一般社団法人健康マイスター協会という組織を作って活動を行っております。
しっかりと噛める歯になったら、次は、食事の内容を考えましょう。その際には、身体に良いものを摂ることも重要ですが、その前に身体に悪いものを摂らないことを先行させるべきです。例えば…
*農添化といわれる農薬・添加物・化学物質や加工食品を避ける
*小麦に含まれるグルテン、乳製品に含まれるカゼイン、大型魚の摂り過ぎを控える
*血糖を急激に上昇させてしまう砂糖や白米、小麦粉など精製糖質を控える
ことなどです。
 
 
◆先生、「添加物、加工食品を避ける」「血糖値が上がりすぎない食事をする」は分かりますが、「グルテン(小麦)、カゼイン(牛乳・乳製品)、大型魚の摂り過ぎを控える」はどういう理由があるのでしょうか?
 
◇はい。小麦に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼインは、体内で消化されにくいため、異物となって蓄積し、腸内環境を悪化させる原因となります。そして、腸内環境の悪化は体にさまざまな不調をもたらし、万病のもとになってしまいます。摂り過ぎには注意しましょう。また、クジラ、マグロ、カツオなどの大型魚には微量ながらも水銀が溜まっています。なので、大型魚を好んで摂っていると、体内に水銀が蓄積し、妊婦さんの場合、胎児への悪影響が出たり、神経障害が出たりする可能性があります。
 
 
◆なるほど。今の子どもはパンやパスタ、ラーメンなどの小麦製品が好物という子も多いですので、摂り過ぎには注意が必要ですね。また、マグロやカツオも美味しいですが食べ過ぎには注意したいです。
 
◇また、良質の十分な水分摂取も重要です。さらに、時間が来たから食べるのではなく、空腹感を感じて食べることが重要です。
 
 
◆ほう!「空腹感を感じて食べることが重要」なんですか。詳しく教えてください。
 
◇はい。空腹時に分泌されるグルカゴンというホルモンがあります。これは、空腹時に血糖が下がりすぎないように肝臓から糖を放出させ血糖値を支える作用があります。そして、このグルカゴンが炎症物質の元となるアラキドン酸の生成も抑制してくれます。炎症物質が原因となって起こる慢性の炎症がガンの元になると言われておりますので、ガン予防のためにも空腹感を感じてから食べることが重要なのです。
 
 
◆そうなんですか!ガン予防のためにも時間が来たから食べるのではなく、お腹のグーッとなってから食べるようにしたいですね。
 
◇次に、炭水化物過多・タンパク質不足・ビタミン不足・ミネラル不足を解消するとても簡単な方法をお伝えします。それは食卓に、赤・黄・緑・白・黒の5色の食材をバランスよく整えることです。そうすることで、白のバランスが過剰にならないようにすることで炭水化物過多を避けることが出来、その他の色を揃えることで、タンパク質やビタミン、ミネラルの不足を満たすことができます。是非、実践してみてください。
 
◆信号の赤・黄・緑、それと白と黒の5色の食材をバランスよく食べることが大切なんですね。
 
◇しっかり噛める歯を準備し、身体に良くないものを避け、食卓に5色がバランスよく揃うようにすることで、ピンピンコロリを達成するための「カムカム」の実践ができることになります。
 
 
◆よく分かりました。来週は「ニコニコ」と「テクテク」ですね。沼田先生、今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

認知症を正しく知ろう②
2023/10/07放送
出演者
山口県長寿社会課 地域包括ケア推進班 白石直美さん

◆先週と今週は「認知症を正しく知ろう」というテーマでお送りしています。スタジオには先週に引き続き、山口県長寿社会課 地域包括ケア推進班 白石直美さんにお越しいただきました。白石さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
 
◆先週は「認知症は誰にでも発症する可能性がある病気であるということ、運動や栄養改善など日常生活における取組が認知症の予防につながり、早期発見が大事であるということ。そして若くても認知症になりうるので、気になることがあれば早めに相談することが大切」ということを学びました。今週は「認知症」に対する早期発見・早期対応と理解促進に
むけての取組についてお話しいただきます。それでは白石さん、よろしくお願いします。
 
◇分かりました。認知症の早期発見・早期診断・相談対応の取組として、県と県医師会が連携して「オレンジドクター制度」を運営しています。
 
 
◆「オレンジドクター制度」ですか。どのようなものですか?
 
◇「オレンジドクター制度」とは、もの忘れや認知症の相談支援ができる医師をオレンジドクターとして登録・公表し、ご本人やご家族がオレンジドクターに気軽に相談することで、早い段階から適切な医療や支援につなげられるようにするものです。
 
 
◆身近なところで相談ができるのは心強いですね。「オレンジドクター」に相談したい場合は、どうしたらよいのですか。
 
◇オレンジドクターがいる医療機関には、「オレンジドクター」のロゴが入った専用のプレートとポスターが掲示されています。また、県長寿社会課のホームページで、お近くのオレンジドクターを調べることもできます。気軽に相談ができ、他の医療機関と連携したり、専門医をご紹介するなど必要な支援につなげて下さいます。気になることがありましたら、早めにご相談ください。
 
 
◆オレンジドクターや地域包括支援センターなどの身近な窓口に、早めに相談することが大切ですね。
 
◇そうですね。次に「認知症の理解促進や認知症の人や家族が希望をもって暮らせる地域づくり」の取組をご紹介します。県では、県民の皆さんに認知症を正しく知っていただくため、特に9月21日の世界アルツハイマーデーを含む9月を中心に、「認知症の理解促進キャンペーン」として、市町や家族会、関係機関とともに、県内各地で講演会や相談会、展示などを行っています。
 
 
◆普及啓発は大切ですよね。
 
◇10月以降も、引き続き、県内各地で認知症の啓発イベント等を行っていますので、関心がある方は足を運んでみて下さい。また、認知症の人や家族が希望をもって暮らせるよう、認知症に関する社会の理解を深め、本人や家族の視点を重視した地域づくりを推進するため、山口県では初めて、8月25日に、認知症本人大使「やまぐち希望大使」として、県内在住の認知症の方5名を委嘱しました。
 
 
◆ほぉ~、「やまぐち希望大使」ですか。初めて聞きました。「やまぐち希望大使」は、認知症の方ご本人がなられるのですね。
 
◇はい。国では「普及啓発・本人発信支援」が認知症施策の柱の一つとされ、認知症の人本人からの発信機会の拡大を目的に、令和元年度に5名の方を「希望大使」として任命し、普及啓発活動に取り組んでいます。また、都道府県ごとの「地域版希望大使」の設置も目指しており、全国で設置が進んでいます。
 
 
◆なるほど。それで山口県でも始まったということですね。やまぐち希望大使の皆さんは自ら「認知症」を認めておられるので、大変勇気のある方々だと思いますが、今後どのような活動をされるのですか?
 
◇講演会でご自身の体験をお話しいただいたり、広報やホームページで紹介する等の普及啓発活動にご協力をいただく予定です。希望大使の皆さんが、自分らしく、いきいきと前向きに暮らしている姿を発信することは、認知症に対する見方を変えるきっかけとなり、多くの人々に勇気と希望を与え、認知症に対する正しい理解が広がっていくことを期待しています。
 
 
◆「やまぐち希望大使」本人の体験談は聴く方の心に響くでしょうね。今後、希望大使の皆さんのご活躍により、認知症の正しい理解が広がっていくといいですね。
最後に、山口県長寿社会課としてリスナーの皆さんに、強調して言いたいことがあればお願いします。
 
◇県では、「認知症の人ができる限り地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会」を実現するため、認知症の人や家族の視点に立った支援の充実や環境・体制づくりに取り組んでいますので、よろしくお願いします。
 
 
◆認知症の人が暮らしやすい、やさしい社会は、誰にとっても優しい社会と言えそうですね。先週・今週と「認知症を正しく知ろう」をテーマに学んできましたが、皆さん、いかがだったでしょうか?我々県民も正しい知識を持ち、予防や早期発見に努めながら、認知症の人や家族の声に耳を傾け、誰もが暮らしやすい地域を一緒に考えていくという意識を持つことが大切だと感じました。白石さん、二週に渡り 大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。