NO.98 3割テク

2008年7月2日

中学時代、ホワイトデーのプレゼントを渡すのに

駅のロッカーを使った高橋少年。

高校生になって新たなプレゼントテクニックを身につけた。

名付けて「3割テク」。

高3の夏。アルバイトの給料から

彼女の誕生日プレゼントに腕時計を贈ることになった。

予算は1万円。決して多い予算ではない。

が、少しでも良い品物をプレゼントしたい...。

そんな気持ちから生み出したテクニック。



まずはデートの際、さりげなく2人で

新宿のデパートの時計売り場に行く。

そして、彼女が『これいいなぁ、でもちょっと高いかなぁ』と

欲しがってた商品のメーカー・品番・価格を一瞬のうちに暗記!!

そして、すぐさまトイレに行ってデータをメモる。

(当時、まだ携帯電話なんて便利なものはない...)

で、あらためて一人でプレゼントを買いに行く。

行き先は新宿のデパートではなくカメラ店。

○○カメラの時計売り場に彼女が欲しがっていた商品と

同じものがあるのだ。しかも3割引きで。

これならば、予算1万円でも定価1万4000円くらいの商品まで買える。

同じ予算でより高価なものが買える。

こんな良いことはないではないか。

ちゃんと専用の箱にも入れてくれるし、

包み紙だって○○カメラの包装紙以外に

百貨店ぽいバラのもある。完璧だ。



誕生日当日。

バラの包み紙を破り箱を開けた彼女は欲しかった時計を見て大喜び。

細い手によく似合う。ミッション完了!!

我ながら良い手だと思ったところ...



彼女

『高かったでしょ~。嬉しい~。あれ、保証書が入ってない。変だね』



まずい!!

保証書は○○カメラのハンコが押してあるから抜いておいたのだ。



ゆたか

『おかしいよねぇ...。ハハ。

じゃぁ、何かあったら僕に言って、僕が何とかするから』と

ごまかす。



彼女

『裕君、何か隠してるんでしょ!?』



ゆたか

『い、いや、何も...。

それにしても、その時計似合ってるね...。ハハハ...。』



その後、腕時計に何かあって僕が修理に出すことはなかった。

時計が壊れるほど二人の時間は長く進まなかったのである。

トホホ...。




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