昔から良~く知っている相手に再会し、
様々なエピソードを思い出し、懐かしくて、嬉しくて・・・
でも・・・相手は全く私のことを知らない・・・
それでも「おかえり」と出迎えてくれる・・・
という展覧会に行ってきました!
山口県立美術館で開催中の「浦沢直樹展」。
漫画で何度も出会っていたキャラクターに「逢えた!」
そんな感覚です。
創作メモ・ネーム・下書き・完成原稿をじっくり見ていくと、
無意識のうちにその世界に引き込まれていきます。
ネーム(コマ割り、キャラクターの配置、
セリフなどを大まかに表したもの)と
完成原稿を比較するのも、たくさんの発見があって面白い!
今まで、漫画本でしか見たことがなかった
「この場面の絵は、はじめはこうだったの!」とか
「ネームと変更したことでより伝わる~!」・・・などなど、
感動するところが随所にあって、
ひとりニヤニヤしながら、じっくり観てまわりました。
幾重にも連なる細かい「線」での表現・・・
こんな「線」書けるのものなの?と思うくらい繊細なのです。
登場人物の表情、姿勢、性格はもちろん、
深夜にテレビで観ていたアニメーションの
キャラクターの髪の毛の表情まで
細かくメモされていていました。
「確かに、やわらかく繊細な髪の毛の印象だったな・・・」
なんて思い出されます。
また、漫画の中の風景画にも魅了されました。
以前、訪れたことのある「マルタ島」。
会社の私のデスクシートには、
大好きなマルタ島の風景写真を挟んでいます。
岩で囲まれた要塞の街。地中海の真珠とも言われています。
美しくも神秘的な街です。
そのマルタ島が舞台になっている漫画。
展覧会では、一部しか読めなかったけれど、
これから読破したくなる作品でした。
もちろん、その他の作品も、もう一度、
じっくり絵を堪能しながら読み直したくなります。
浦沢さんが小学生の頃に描いたという漫画や、
物語の世界観を表現したオブジェの数々。
漫画本1冊分の完成原稿も、数タイトル分展示されていて、
それだけれでも圧倒されます。
展覧会入り口の「おかえり」にドキッとし、
帰るときに「ボブ・レノン」を聴いてみる。
やっと「想像の中の音楽」ではなく「リアル」になりました。
「漫画」だけれど「そこに生きている」ような感覚。
「逢えた」ような気持ちにさせてくれる展覧会。
浦沢直樹さんの漫画への情熱に押しつぶされそうになるくらい、
熱い展覧会です。
展覧会で浦沢さんの漫画を一部でも読んでしまうと・・・
面白くてすべてを知りたくなると思いますよ~。
「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる! 山口の巻」は、
6月17日(日)まで山口県立美術館で開催中です。