【激しい騒音】滑走路で空母着艦訓練・米軍FCLP(陸上模擬着艦訓練)を岩国基地で実施へ・岩国市と山口県「到底容認できない」

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山口 2025.09.12 19:13

防衛省は、アメリカ軍の空母艦載機部隊によるFCLP(陸上模擬着艦訓練)を17日から岩国基地で行うと12日、岩国市などに通知しました。FCLPは激しい騒音を伴い岩国市はこれまでも一貫して「容認できない」とのスタンス、福田市長は来週、上京し国に実施しないよう申し入れる方針です。

防衛省中国四国防衛局の深和岳人局長が、FCLPの岩国基地での実施を福田市長に伝達しました。

(深和岳人 局長)
「少ない準備期間でも支援が可能となる岩国飛行場で実施せざるを得ない」

FCLPは、空母艦載機が陸上の滑走路を空母に見立てて離着陸を繰り返す訓練で大きな騒音を伴うため通常、東京の硫黄島で行われています。

空母ジョージ・ワシントンの艦載機部隊は先月末ごろから岩国基地に一時帰還していて防衛省中国四国防衛局によりますと硫黄島では現在、火山の噴火が続いていて航空機などへの影響が大きいことから岩国基地で訓練を行いたいとアメリカ軍から要請があったということです。

期間は今月17日から26日までの10日間で午後1時半から午後4時半までと午後6時45分から午後9時45分まで行うとしています。

岩国市は「激しい騒音をもたらすFCLPの岩国基地での実施は容認できない」とのスタンスで、国の要請に対し福田市長は「容認できない」と回答したということです。

(福田良彦 岩国市長)
「基地周辺住民になお一層の負担を強いるもの。これは本市として到底容認できないと伝えた。岩国基地におけるFCLPは実施しないよう米側に強く要請されたい旨口頭で伝えた」

一方、中国四国防衛局の深和局長は市の姿勢に関わらずFCLPが岩国基地で行われる可能性を示唆しました。

(深和岳人 局長)
「硫黄島でFCLPを行うのは極めて困難と判断したと承知している。9月17日から訓練を行いたいということは変わらない」

岩国基地で最後に行われたFCLPは2000年で2日間で426回のタッチアンドゴーが確認され、市には141件の苦情が寄せられました。

福田市長は今月16日にも岩国基地でのFCLPを実施しないよう国に直接要請する方針です。

中国四国防衛局は山口県庁にも説明に訪れました。県も岩国市と同様に「FCLPなどの激しい騒音被害をもたらす離着陸訓練の実施は認められない」との基本姿勢で、県の担当理事は防衛省側に対し、「FCLPを実施しないよう」強く要請したということです。

(山口県総務部・田中康史理事)
「日常的に騒音に悩まされている基地周辺住民への影響がさらに増すような訓練が実施されないよう、改めてその場で申し入れた。到底容認できず、大変遺憾」