「市民の理解は到底得られない」岩国市長が防衛・外務大臣にFCLP中止を要請

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山口 2025.09.16 19:14

アメリカ軍岩国基地での実施が通告されている、激しい騒音を伴う訓練=FCLP。

訓練をあす(17日)からに控え、岩国市の福田市長らが上京して防衛大臣や外務大臣に実施しないよう迫りました。

しかし両大臣はアメリカに中止を求める考えを示しませんでした。

福田市長や岩国市議会の片岡議長、県の担当理事らが東京の防衛省を訪れ、中谷防衛大臣に要請しました。

(福田市長)
「FCLPのような激しい騒音をもたらす訓練を岩国市で実施することは、到底市民の理解を得ることはできないと思っている。市民の安心・安全を守る立場の市長としては、断じてこれは容認できない」

(岩国市議会・片岡議長)
「受忍限度をはるかに超えるもので、耐え難い苦痛と不安を与えるもの」

(県 田中理事)
「岩国市はもちろんのこと、周辺市町にも多大な影響を与える」

(中谷防衛相)
「山口県の皆さんにはいろいろとご心配・ご迷惑をおかけし、誠に申し訳なく思っている。現在の硫黄島の状況を踏まえると、今般の訓練の実施はやむを得ないものであると認識している」

FCLPはアメリカ軍の空母艦載機部隊が滑走路を甲板に見立て離着陸を繰り返す訓練で、激しい騒音を伴うことから通常は硫黄島で行われます。

しかし硫黄島の火山の噴火に伴い、防衛省はあす(17日)から26日まで夜間を含め、岩国基地で実施されると地元側に通告しています。

福田市長は2017年に空母艦載機の移転を容認するなど、基本的に国の防衛政策には協力的な立場をとってきましたが、岩国でのFCLP実施は「容認できない」との姿勢を貫いてきました。

(福田市長)
「今日、大臣の方から明確に中止を求めるという趣旨の話はなかったが、我々としては一貫して、岩国基地でのFCLPの実施は断じて許すことはできないと、容認できないということは、改めて強調した。明日以降、その動向は注視していきたい」

きょう(15日)は外務省でも同様の要請をしたものの、岩屋外務大臣は「アメリカから、苦渋の決断として岩国基地で実施せざるを得ないと説明があった」などと述べるにとどまりました。

福田市長は実際にFCLPが始まった場合、あさって18日にも基地周辺に向かい、自ら状況を確認する考えです。

(大坪記者)
「これまで国防に協力してきた地元と国の信頼関係は、そして市民生活への影響はどうなっていくのでしょうか。25年ぶりにFCLPが岩国で始まろうとしています」