戦後に41万人余りが…長門・仙崎港の引き揚げの記憶
終戦直後、海外に残された多くの日本人の引揚の地となった長門市の仙崎港。
歴史的出来事や当時の人々の思いを次世代に伝えようと写真などを集めた展示会が長門市でいま開かれています。
長門市のヒストリアながとで開かれているのは仙崎引揚80年記念事業「ながとに残る戦争の記憶」です。
この企画展には長門市仙崎で起こった歴史的出来事が記録された資料およそ110点が展示されています。
戦後、海外に残された多くの日本人。
仙崎港への引き揚げはおよそ1年間で41万人余りに上ったとされています。
(長門市文化財専門員上田穰さん)
「引き揚げてきた人の荷物を運ぶために働いている女性」
当時の仙崎に住む人々は引揚者たちの荷物を運ぶ手伝いをしたり、宿や食事を準備したり温かく受け入れたことが記録に残されています。
引揚者から仙崎婦人会に届いた感謝の手紙です。
「温かい味噌汁に真っ白いおにぎりを食べさせてくださったこと何十年すぎた今も忘れることはありません」
また、宿泊させてくれたお礼にと引揚者が残した着物なども展示されています。
(長門市文化財専門員 上田穰さん)
「戦争の終結は8月15日かもしれないが引揚者たちにとっては日本に故郷に帰るまでは戦争は終わってなかったと思う。写真の表情や手記を読んでいただく中で思いをはせていただければ」
展示会「ながとに残る戦争の記憶」は11月9日まで開催されています。(休館日:月曜日)