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マイマイ新子と千年の魔法

作品紹介

昭和三十年。山口県の港町・防府を舞台に、千年の時を超えた奇跡が少女たちに訪れる。

千年の昔には「周防の国」と呼ばれていた山口県防府市国衙の街。
ここは律令時代の遺跡や地名が多いことでも知られています。
主人公・新子は、この街の旧家に生まれ育った女の子。おでこに「マイマイ(つむじ)」がある空想好きでお転婆な新子は、大好きな国衙の街を駆け回っては、新たな発見と驚きに心をときめかす毎日を過ごしています。
そんなある日、新子のクラスに転校生・貴伊子がやってきます。
都会からの転校で、なかなか街に馴染めない貴伊子が気になる新子。はじめはそっけない態度の貴伊子も、だんだんと新子のペースに乗せられ、ふたりは仲のよい友達になっていきます。
そして、新子がいつも空想していた千年前の世界。それは、やがて不思議な出来事となってふたりを包み込んでいくことになります。
子供たちがたくましく生きていた昭和三十年という時代を背景に、感受性豊かな子供たちの世界を、ファンタジー溢れる物語として描いた作品です。
芥川賞作家・樹のぶ子の異色の自伝小説「マイマイ新子」(マガジンハウス刊)を、「時をかける少女」などアニメーションで日本映画界に新風を吹き込む制作集団・マッドハウスが劇場最新作としてアニメ化。そして、TVから劇場作品までこなす実力派監督・片渕須直が、新子と貴伊子との切なくもたくましい交流の物語を、瑞々しい感性で紡ぎだします。


原作:高樹のぶ子 製作:マッド・ハウス 監督・脚本:咋渕須直
山口県防府市生まれ。山口県立防府高等学校、東京女子大学短期大学部教育学科卒業後、出版社勤務を経て1980年「その細き道」を「文學界」に発表、創作活動を始める。「光抱く友よ」で芥川賞、1999年「透光の樹」で谷崎潤―郎賞を受賞し、「透光の樹」は、2004年映画化もされている。他、多数執筆。2001年より芥川賞選考委員、2005年より九州大学アジア総合政策センター特任教授(アジア現代文化研究部門)を務める。
【受賞歴】
芥川賞(第90回)「光抱く友よ」(84年)、島清恋愛文学賞(第1回)「蔦燃」(94年)、女流文学賞(第34回)「水脈」(95年)、谷崎潤一郎賞(第35回)「透光の樹」(99年)、芸術選奨文部科学大臣賞(第56回)「HOKKAI」(06年)
1972年設立。「パプリカ」(06年)、「時をかける少女」(06年)など国内外で評価の高い作品を多く創りだし、数々の受賞歴を誇るアニメーション制作集団。優秀発クリアニメーションの枠を超えた映像表現に熱い注目を集めている。
【主な作品】
映画「幻魔大戦」(83年)、映画「カムイの剣」(85年)、映画「妖獣都市」(87年)、「YAWARA! a fashionable judo girl!」(89年〜)、映画「カードキャプターさくら」(99年)、「千年女優」(02年)、TV「獣兵衛忍風帖」(03年)、TV「MONSTER」(04年)、TV「NANA」(06年)、TV「DEATH NOTE」(06年)、映画「ピアノの森」(07年)
1960年生まれ、大阪府出身。日本大学芸術学部在籍中から宮崎駿作品の脚本、演出助手などを務める。(「魔女の宅急便」演出補ほか)
テレビシリーズ「名犬ラッシー」で監督デビュー。スタジオ4℃製作にて、初の劇場作品「アリーテ姫」を手掛け、マッドハウス作品では「MONSTER」(TV)「あずきちゃん」(TV)などに参加。またヒヅトした近作「BLACK LAGOON」(TV)では監督・シリーズ構成・脚本までこなし話題を呼んだ。