NO.96 キレイなオジサン宣言!

2008年6月19日

高校生の頃、満員電車で通学していた僕は、

雨の日がわりと好きだった。

おしくら饅頭状態の車内では自分の思い通りに位置取りは出来ない。

でも、偶然、キレイなOLのお姉さんが

僕の目の前に来ると...もうそこは天国!!

ステキなお姉さまの髪がしっとりと濡れていい香りがする...。

そうシャンプーの匂いだ。

別に変な事を想像するわけじゃない。

誰だって悪臭よりもいい香りの方が心地良いはずだ。

ポワワぁぁンと甘い香りがエアコンのスイング風に乗って漂ってくる。

時おり電車が揺れるとサラッと長い髪が鼻をくすぐる...。

ウ~ンたまらない。

すし詰め状態の満員電車の苦しみからしばし解放される瞬間だ。

鼻が利く高橋少年は、しばらくするうち

「あっこの香りはちゃんりんしゃんだ」と、

銘柄まで判別できるようになっていた。



しかし、ある雨の朝...。

途中の駅で電車の中の位置取りが変わり、

運悪くバーコードオヤジが後ろ向きに僕の前に来てしまった!!

まずい!!

僕より少し背が低いのでバーコード頭がちょうど僕の目の前、

いや、鼻の前にポジショニングされている。悪臭...。

見るとそのバーコードはフケだらけ、塩わかめ状態になっている。

おそらく昨日午前様になるまで飲み上げて、

そのまま寝てしまい風呂に入っていないのだろう。

それをまたポマードでごまかそうとベットリぬってるもんだから、

二日酔いの臭いとポマード独特の臭いが混ざってクサいもんじゃない。

僕の目の前だけ景色がモワモワ黄色く見える。

おい、ごまかせてないぞ全く!!

どんなに飲んでもちゃんと風呂入ってくれ!!

息を止め、横を向いて息継ぎをして何とか粘る、苦しい~。

しかし、今度はオヤジの口から

ジ○タンでごまかそうとした二日酔いの息が漂ってきた!!

うえぇっ、ゴホゴホっ。

あー、エアコンの風が当たる、フケがこっちに飛んで来た、

ギャぁぁぁ降ろしてくれ...。



梅雨時期になるといつもあの光景が目に浮んでくる。

あっ商品のバーコードを見た時も...。



僕はキレイなオジサンを目指します。




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