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2022年08月

台風の“風”の見方

2022年8月30日(火)放送分

  • 台風の“風”の見方
  • 台風の“風”の見方

本日のテーマは「台風の“風”の見方」
『やまぐちの天気余報』P259をご参照ください。
 
台風は基本的に中心に近いほど強い風が吹き荒れていて、平均風速25メートル以上を「暴風域」として赤色の円、平均風速15メートル以上を「強風域」として黄色の円で示しています。古くは海上船舶が、強風域レベルの風では注意を要するが何とか航行可能、暴風域レベルの風だと航行不可能になっていた、ということから、この区切りの基準になったようです。
 
私たちの生活の中では、一般的に風速15メートル以上で、大きな木が幹ごと揺れたり風に向かって歩けず転倒事故が起こりやすい、とされ、25メートル以上だと、木が根こそぎ倒れたり、屋根瓦が飛散するなどの、家屋への被害が出始めるほか、飛行機などの交通機関もほぼストップとなります。
 
一方で、台風の暴風域に入ったのに、大して暴風が吹き荒れていない…という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
これは風の強さは地形や周囲の建物の状況などで大きく変わるためで、何らかの要因で風が遮られて局地的に風が弱くなっていたから、と考えられます。暴風域全体では非常に強い風が吹き荒れているおそれがあるため、一時的に風が弱くなったタイミングを見計らって外に出るなどの行動も禁物です。
 
また、風が吹くとき、私達は風による圧力「風圧」を感じることになりますが、その風圧は風速の2乗に比例して大きくなる、という法則があります。例えば風速1メートルが2メートルと2倍になると、風圧は2倍の2乗で4倍に、風速3メートルと3倍になれば3の2乗で9倍です。
普段の2倍、3倍の風となると、人や物が風にあおられる可能性は急激に高くなる、ということになり、車やバイク、自転車の運転も急激に危険が高まります。風のパワーを侮らず、事前に風で飛びやすい物は片付ける、強い風の時は外に出ない、などの心がけが大切です。

緊急地震速報

2022年8月23日(火)放送分

  • 緊急地震速報
  • 緊急地震速報

本日のテーマは「緊急地震速報」
『やまぐちの天気余報』P273をご参照ください。
 
地震による大きな揺れが到達する前に、各地に揺れが到達する時刻や揺れの大きさなどを推定して事前にお知らせする情報が「緊急地震速報」です。
日本全国に置かれた気象庁などの「地震計」が、地震発生初期の比較的弱い揺れを感知し、地震の規模や震源、各地の到達震度などを素早く計算して、強い揺れの到達前にお知らせします。
 
ただし震源地の近くでは、地震初期の弱い揺れと、その後の強い揺れが、ほぼ同時に届くことがあり、情報が間に合わないケースがあることには留意する必要があります。緊急地震速報は、地震の予知情報ではなく、発生した地震を素早くお知らせする情報です。
山口県の場合、活断層による地震、いわゆる「直下型」と言われるような地震では、緊急地震速報が間に合わない可能性があります。ただし南海トラフ巨大地震では、大きな揺れの数秒~数十秒前にはお知らせできる、とされています。
 
KRYでは「全国のどこかで最大震度5弱以上と推定される地震が発生し、山口県のどこかで震度4以上の揺れが予想される場合」を基準に、ラジオ、テレビで速報します。
大きな揺れが来るまでの、ほんのわずかな猶予時間ですが、落下物や倒れてくる家具から身を守るなどの行動を素早く行うことで、大地震での被害の軽減が期待されています。急なお知らせで慌てないよう、いざというときの行動を日頃からイメージしておきましょう。

津波情報を知る

2022年8月16日(火)放送分

  • 津波情報を知る
  • 津波情報を知る

本日のテーマは「津波情報を知る」
『やまぐちの天気余報』P275をご参照ください。
 
海底を震源とした大きな地震が発生した時は、津波発生の可能性もあります。
気象庁では、あらかじめ膨大な津波予報データベースを作成していて、地震が発生すると、その地震の震源や規模を参照して3分以内には津波の高さなどを予測し、津波警報・注意報を発表できる、世界でも類を見ない津波予報の仕組みがあります。
 
山口県では、瀬戸内海沿岸と日本海沿岸の2つの津波予報区に対して、津波警報・注意報が出されます。
津波の高さが20センチを超えると予測される場合は「津波注意報」、1メートルを超えると予測されると「津波警報」、さらに3メートルを超えると予測されると「大津波警報」が発表されます。
 
天気予報にある「波の高さ」の予報では、普段から1~2メートルの波になることが多いのですが、この波は海面付近の風などにより発生する、海の表面だけの現象です。
一方で津波は海底の地形が変形することで海の表面から底までの海水全体が変動する現象のため、高さ1メートル以下でも非常にエネルギーの大きな波となります。
津波は50センチの高さで人が押し流されるほど、1メートルの高さになると車が流されるほどになる、と言われます。
また、津波は最初に押し寄せてくるものが最も大きいとは限らず、第2波、第3波のほうが大きくなる、ということもあります。最初から津波が押し寄せるとは限らず、まず引き波がやってきた後に押し波が来るケースもあります。
 
津波注意報・警報が出ている間は、海には絶対に近づかず、より高い所に避難し続けることが何より大切です。

地震に備える

2022年8月9日(火)放送分

  • 地震に備える
  • 地震に備える
  • 地震に備える

本日のテーマは「地震に備える」
『やまぐちの天気余報』P272~275をご参照ください。
 
地震は、その揺れの大きさや想定される被害に応じて、10段階の階級があります。
一番下の階級が「震度0」…地震計には記録されますが、人が揺れを感じることはありません。
そして震度「1」「2」「3」「4」…と階級が上がっていき、震度5と6はそれぞれ「弱」「強」の2つに分けられています。この震度5以上のランクになると、大半の人が恐怖を感じるほどの揺れになり、棚にある食器や本などが落ちる、家具が倒れる、家の屋根の瓦が落ちるなど家の中での被害が大きくなります。
一番上の階級が「震度7」…耐震性の低い鉄筋コンクリートの建物では倒れるものが多くなり、耐震性の高い建物でも、まれに傾くことがある、一瞬にして甚大な被害を引き起こす激しい揺れです。
 
突然、大きな揺れが襲ってきたときに最も大切なのは、まず自分の身を守ること。特に落下物に備えて、頭を守る、身をかがめるなどの行動が必要です。逆に言えば、とっさに行えるのは、その程度に限られるため、いざという時に備えて、家具の固定や、あまり高い場所に重たいものを置かない、などの備えを行っておくことが大切です。
 
近い将来、ほぼ確実に起こると想定されているのが「南海トラフ」による巨大地震です。
東海地方から四国の南にかけて海底には地殻(プレート)が沈み込む溝があり、ここでは100~150年ごとに大地震が発生しています。この巨大地震では、山口県では最大震度6強の揺れが起き、海溝付近で発生した巨大津波が、90分後には県内に到達することが見込まれています。
 
そして「活断層」という、過去に地震を起こし、将来も再び地震を起こすかもしれない、地面のズレやひずみが発生している場所が、県内にも多くあります。2016年に活断層により熊本県で震度7を観測する大地震がありましたが、山口県内においても断層付近では震度7クラスの地震が発生する可能性も指摘されています。
 
地震は、いつ襲ってくるかわからないからこそ、不安な気持ちに襲われやすい現象ですが、だからこそ、日ごろからの備えを、よりしっかり行うことで、いつでも冷静に対処できる心構えを持ちたいものです。

熱中症の症状 

2022年8月2日(火)放送分

  • 熱中症の症状 

本日のテーマは「熱中症の症状」
『やまぐちの天気余報』P268~269をご参照ください。
 
毎年、暑さが厳しい時期は、ほぼ毎日、熱中症による救急搬送が行われています。その数は、県内でもひと夏で多いときは400件を超え、場合によっては命にも関わります。その意味では熱中症も気象災害の1つで、その災害から身を守る、という意識を持つことが必要です。
 
ところで「熱中症」には、いろいろな症状がありますが、次の3つの中で一番要注意なのは何だと思いますか?…「めまい」「頭痛」「筋肉痛」
 
環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、熱中症の症状に応じて、軽症のⅠ度、中等症のⅡ度、重症のⅢ度に分類されていて、軽症に分類されるのが「めまい」や「筋肉痛」「大量の発汗」など。中等症に分類されるのは「頭痛」や「吐き気」「嘔吐」「倦怠感」などとなっています。先ほどの3つの症状の中では「頭痛」が一番要注意、となります。
熱中症の症状は実は様々で、日常生活の中での体調不良のような症状も、実は軽い熱中症の可能性もあります。症状が出始めたら、大したことない、と考えずに、早めに無理せず冷房の効いた部屋で体を休め、水分・塩分補給などの対応を心がけましょう。
また、重症に分類されるのは、意識がない、けいれん、体が熱いなどの症状で、この場面では救急車を呼ぶなど、より迅速な対応が必要です。
 
日頃から熱中症は、身近で、自分もかかりやすいかも、という意識を持って、体調の変化に気をつけながら、暑い時期を健康に過ごしていきましょう。
子供や、ご年配の方は特に、自分が熱中症にかかっているかどうか自覚するのが遅れて症状が重くなるケースもあります。定期的に休憩や水分を取る、周囲の人に異変がないか観察を入念に行うなどの対策も心がけていきましょう。