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STYX

2022年05月02日

1982年、友人に誘われSTIXを観ました。演劇のようなステージセット、ハープシコード的な音のホンキートンクピアノを弾くデニス・デ・ヤング、勿論スティックスのフロントマンでソングライティングの中心人物…曲は「AD1928」…1分半くらいからこれぞROCKと言わんばかりに「ロッキン・ザ・パラダイス」でライブはスタート。デカい音と歓声が会場を盛り上げる。日本人のロックへ向ける思いはシビアだがとてもクオリティーが高い。スティックスはとても苦労したバンドだと思います。結成は1963年、ローリング・ストーンズがデビューした頃です。メジャーとの契約には約10年…しかしメンバーの思いと違い…世間は厳しく、そのなんとも中途半端で自意識過剰とでもいう楽曲は音楽ファンには受け入れられませんでした。ある意味プロは売れてなんぼ…しかしミュージシャン側からは、お金の為に…魂を売る…厳しい選択であります。特に若いときはそれに反発するものでしょう。若さは武器なのですが、世間の渡り方については未熟…音楽の世界だけでなく、この手の話はあるでしょう。
 
さてこのスティックス、それまでのプログレ大好き青年で「我」をはっていたサウンドでしたが、転機が来ます。追い風です。メンバーにトミー・ショウというロックの申し子のような若者が参加。ギタリストでヴォーカリスト、ソングライティングもこなし、しかもイケメン…バンドはそれまでのプログレ志向を少し抑えキャッチーな曲を連発。1976年のアルバム「クリスタル・ボール」がチャート上位に入り人気が上がり始めます。1977年「グランド・イリュージョン」、1978年「ピーシズ・オブ・エイト」、1979年「コーナーストーン」、1981年「パラダイス・シアター」が世界的に大ヒット…大騒ぎ…勢いというのは凄いモノで、プログレテイストを散りばめたキャッチーだがテクニカルなアンサンブルは最高潮に達します。
 
1982年の初来日は全国ネットのテレビ放送もあり、気をよくしたメンバーは次の作品「ミスター・ロボット」で歌詞に日本語を使用(しかし、内容はかなり厳しい…)バンドは安定かと思われましたが、メンバー間で確執が発生…うまくいきません。その後活動停止、各メンバーがそれぞれの活動に移りますが、メンバーのジョン・パノッツォが亡くなり、再び集まり再活動をしてファンを喜ばせますが永くは続きません。フロントマン「デニス・デ・ヤング」が脱退というか解雇…ファンとしては嫌ですね…。しかし彼らの1970年代半ばから1980年代初めの活躍は素晴らしいものです。やはりスティックスはデニス・デ・ヤングの存在です。今も活動していますが、聴くには厳しい感じです。
 
アメリカ産のプログレ色があるグループとしてはとても成功したバンドです。楽曲のバリエーションとアンサンブルのクオリティーは強烈です。そういえばベスト盤のタイトルが日本語で「烈風」でした。とてもいいアルバムです。しかし偏見の塊りのような評論家に「産業ロック」なんて言われましたが、所詮ねたみ。世界で認められる、受ける…それでいいのだ。スティックスのバランスのとれたロックの玉手箱のような曲は永遠です。
 
次回はお待たせいたしました。ロック界の北島三郎と評された唯一無二のロック・ヴォーカリスト「ロニー・ジェイムス・ディオ」。何をかけましょうか?とりあえずDIOでしょうか…?お楽しみに。
 
 
【今回オンエア】
Mr. Roboto
A.D.1928~Rockin’ The Paradise
First Time 
Blue Collar Man  
Boat On The River
Come Sail Away
Babe

 

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