ヤスベェの人生100歳満点!

転ばぬ先の知恵

2022年08月 月間アーカイブ
高齢者の仕事について
2022/08/28放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢 靖さん(とくさん)

◆今週も とくさんことNPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢 靖さんにお越しいただきました。とくさん、よろしくお願いします。
 
よろしくお願いします。
 
 
◆とくさん、今日のテーマは「高齢者の仕事」ということですね。
 
はい。今日は「高齢者のお仕事について」お話しします。
 
 
◆企業の再雇用などで、高齢になられても働かれる方が増える傾向にあるように思いますが、とくさん、よろしくお願いします。
 
以前、シルバー人材センターさんからお話がありましたが、今回はすこし視点を変えまして企業側の都合についても解説します。
まず、高齢者を雇うメリットについて、普通に考えるとデメリットの方が多いように思いますが しかし、企業側にも一定のメリットがあり、就職機会が用意されています。その背景として社会保障制度を維持、要するに年金受給開始年が遅くなっていくために、その間の生活維持のために雇用を確保してほしいというものです。また、労働力人口の減少は顕著で、2006年と比較して2030年には約401万人減少することが予測されており、この労働人口の減少をシニア労働力で補おうというものです。さらに60歳以上の人を対象とした内閣府の調査によれば、7割以上の人が「70歳以上」あるいは「働けるうちはいつまでも」働きたいと答えています。
 
 
◆少子高齢化が進んでいくと、労働力不足になるとともに、年金受給開始も遅くならざるを得ない状況になっていく訳ですね。
 
そうです。つぎに雇用する企業側のメリットとして、まず意欲的に働く高齢者の姿に、従業員のモチベーションも向上し、職場が活性化します。また高齢者は、経験豊富な“人材の宝庫”です。これまで培ってきたノウハウ、技能・技術、人脈を生かすことにより企業の競争力が高まります。さらに短時間勤務等の導入や作業環境の整備など、高齢者の健康と安全に配慮した職場づくりは、あらゆる世代の従業員の働きやすさにつながります。子育てや介護、治療と仕事との両立もしやすくなります。
 
 
◆確かに高齢者は色んな面で経験豊富なので、職場でそれがうまく活かせればプラスになりますね。また、高齢者の健康と安全に配慮した職場づくりを行うことは、従業員全体のためになりますよね。
 
また企業において高齢者雇用を進めるための環境を整備したり、新たに高齢者を雇用する場合、助成制度や税制上の優遇措置の対象となることがあります。県にもよりますが、入札参加資格審査において「地域貢献活動評価」を導入して、その項目の一つ「70歳以上まで働ける企業」について加点する仕組みもあります。法律的にも1986年に出来た高年齢者雇用安定法が2021年4月に改正され、70歳までの雇用について努力するように規定されています。
 
 
◆高齢者を雇用することにより、助成制度や税制上の優遇措置があるんですね。
 
はい。企業助成については、
 
・特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)60歳以上
高齢者や障害者などの就業が難しい人を、労働者として継続的に雇い入れる事業主に対して適用されるのが「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」です。このコースで高齢者を雇い入れた場合は、最大60万円が事業主に支給されます。
 
 
・特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)65歳以上
65歳以上の高齢者を雇い入れた場合は「特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)」受けることができます。1年以上継続して雇用することが確実な労働者として雇い入れる事業主に対して、最大70万円の助成金が支給されます。
 
・65歳超雇用促進助成金(65歳超継続雇用促進コース)として
65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換する措置をとられた場合に、助成金を受け取ることができ、1事業主、1回限り最大160万円が支給されます。このように高齢者の雇用については比較的手厚くなっています。
 
 
◆色んな企業助成制度があるんですね。
 
では、実例として県内にも多数の店舗を展開する大手ハンバーガーチェーンのシニア採用について注目すると、例えば60歳以上限定の採用広告を出しており、他県ですが90歳で採用となったケースもあるようです。確かに、この店ではシニアの方が元気よくトレーを運んできたり、テーブルの消毒などもテキパキとやっているイメージです。ただ、問題として企業と高齢者のマッチングで、スマホなどを扱えないシニアはどうしても情報が少なく、せっかくの雇用機会を逃してしまう可能性が高いようです。このように高齢者の雇用については今後、明るい兆しがあり、生涯現役をめざす方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 
 
◆シニア世代にとっては良い情報ですね。自分の持っている能力をもっともっと発揮したい方、元気な内は出来るだけ働き、年金の繰り下げ受給を考えている方など、積極的な労働意欲がある方は、働いてほしいと思います。しかし、スマホが扱えないなどで、せっかくの雇用機会を逃してしまうことは無いようにしてほしいですね。とくさん、今日も大切なお話、ありがとうございました。
 
ありがとうございました。

高齢者スポーツについて
2022/08/21放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢 靖さん(とくさん)

◆今週と来週はとくさんことNPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢 靖さんにお話しをお伺いします。とくさん、よろしくお願いします。
 
よろしくお願いします。
 
 
◆とくさん、今日のテーマは何でしょうか?
 
今日は「高齢者スポーツ」についてお話ししたいと思います。
 
 
◆「高齢者スポーツ」ですか。よろしくお願いします。
 
高齢者スポーツというと、どうしても昔から運動をしていた人が若いときから継続してスポーツに親しんでいるという印象があります。たしかに、一昔前までは、そのような感じではあったようです。しかし、今は高齢者スポーツの幅がひろがって、特に昨年のオリンピック、パラリンピック以降に広がってきたスポーツは高齢者に最適なものもありますので、後ほどご紹介したいと思います。
 
 
◆今は新たにスポーツを始めたという人も多くなってきたような気がします。
 
ではまず、高齢者スポーツのメリット、デメリットについてお話しします。
まずメリットですが、これはだれが考えてもでてくる答えとして「健康の維持」があげられます。言えば健康寿命の延長と言えると思います。人生100年時代において健康寿命は非常に大切なことで、人の生きがいの基礎は健康であることです。たとえ100歳まで生きたとしても最後の20年間は寝たきりだった、これではご本人も悔いが残りますし、家族の負担も相当なものになってしまいます。また、寝たきりまでもいかなくてもロコモティブシンドロームようするに移動機能の低下が発生すると、以降は家に引きこもりがちになる傾向があるようです。そうなると、よけいにもロコモティブシンドロームが進行してしまいますので、やはり運動をすることは重要になってくるのです。
 
 
◆「ロコモティブシンドローム」久しぶりに聞きました。「立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態」ですよね。
 
健康の維持、これがやはり最大のメリットといえますが、実はそれ以外にも多くのメリットがあります。まずはケガをしにくくなることです。運動をすることで身体の柔軟性や関節の強化が図られ、また反射神経もよくなってくることから、たとえ転倒をしても怪我を最小限にとどめることができるようになります。
つぎに心理的影響、ようするに心に関する事です。古代ローマの詩人・ユウェナリスの名言に「健全な精神は、健全な肉体に宿る」というものがあります。まずは身体を鍛えることにより、精神的な安定も実現できるのではないでしょうか。また、身体が健康であれば、何事においても前向きになれます。若くてバリバリ仕事をこなしていた頃を思い出すと、やはり体力的にも充実していたように思います。そして、これは私が一番重要なことではないかと思っていることに「コミュニケーション」が生まれるということです。スポーツを通じて知り合った仲間は同好の志として深い友情が生まれ、スポーツ以外、例えば旅行や食事などの交流が始まること、これはよくあることです。また、仲間ができることで日々の悩みの相談や相互に生活チェックをすることができることも大きなメリットだと思います。
 
 
◆スポーツの波及効果はいろいろとあるんですね。人との「コミュニケーション」は特に大切ですね。
 
このように高齢者であってもスポーツをすることは大変有意義なことで、大切なことなのですが、やはり、一方デメリットも存在しますので、注意して下さい。まずは、どんな運動をする場合でも、自分の身体能力に適しているのかを考えることです。運動で得られるメリットはたくさんありますが、自分の身体能力以上のことをしようとすると、怪我のリスクも高まり、メリットもデメリットと化してしまいます。例えばウォーキングにしても設定距離を間違えてしまい、片道だけでバテてしまい、家に帰れなくなった事例も実は数多くあります。要は「身の丈に合ったスポーツをする」ということです。
 
 
◆自分の身体能力を考えて行わないと、折角のスポーツが逆効果になるということですよね。
 
では、高齢者のスポーツとしてどのようなものがあるのでしょうか。厚生労働省の調べでは実施してといるスポーツとして1位ウォーキング、2位ゴルフ、3位ヨガ・ストレッチ 等々、若者とは少し違う運動が挙げられています。しかし、シニアスポーツというカテゴリーを調べますと、野球やサッカー、ラグビー等、ワールドマスターズ、高齢者の世界大会では55種目のエントリーがなされています。2015年に山口県で開催されたねんりんピック大会においてサッカー競技を観戦する機会があったのですが、当初、じーちゃん達のサッカーと甘く見ていたのですが、実際の試合ではオーバーヘッドキックや股抜きシュート、接触プレーでは極めて大袈裟なアピールを審判にするなど、若者サッカーにも負けない、いや、それ以上の老獪なプレーを見せてもらい、驚愕したことを思い返します。もちろん全国大会に出てくる選手ですから、非常に厳しい練習を重ねていることだとは思いますが、しかし、実際に高齢者がこれだけのプレーができる訳ですから、どなたでも可能性はゼロではないということです。
最後に、私がお勧めする高齢者スポーツですが、それは「ジムトレーニング」です。最近は24時間ジムなどが多く出来、近くにスポーツジムがあれば、ぜひ、お勧めします。ジムをお勧めする最大のメリットは安全性です。まず、空調が整っているために一年中、ほぼ同じ環境でトレーニングができます。よって、熱中症リスク等は極めて少なくなります。また、基本的にスタッフが見守ってくれているので、体調の変化などが見られた場合には声かけをするなどの対応をしてくれます。また、トレーニング内容もトレーナーに相談することができ、自分にあったプログラムを作ることができます。さらにジムによってはヨガやピラティス、ストレッチ、中にはフラダンスなどのコースもあり、決して飽きない工夫がされていますので、十分に楽しめると思います。実は私もジムに通っていて、仕事の後のジムで汗を流してスッキリして帰宅するローテーションが出来上がっています。基本は無理をせずに自分のペースで行うこと、これが長続きの秘訣ですね。
 
 
◆なるほど、「ジムトレーニング」は空調設備が整っており、またトレーナーがついていますので、安全に運動することが出来ますね。
 
まとめとして高齢者スポーツは怪我などのリスクもありますが、それ以上のメリットもあり、特に何かの競技と決めなくてもウォーキングなど手軽にできるものから始めてみてはいかがでしょうか。
 
 
◆「健康寿命を延ばすため」「健康を維持」するためにはスポーツは必要ということですね。しかも無理なく継続出来ることが大切で、そこに仲間ができるとさらに良いということですね。とくさん、今日は大切なお話、ありがとうございました。来週のテーマは何でしょうか?
 
来週は「高齢者の仕事」についてお話ししようと思います。
 
 
◆わかりました。来週もよろしくお願いします。

今更聞けない仏事の常識
2022/08/14放送
出演者
広仏コーポレーション株式会社 代表取締役社長 蕗(ふき) 裕一(ゆういち)朗(ろう) さん

◆今週も先週に引き続き、広仏コーポレーション株式会社 代表取締役社長 蕗 裕一郎さんにお越しいただきました。蕗さん、よろしくお願いします。先週は「お盆を前によくある質問・問い合わせ」というテーマでお話しいただきました。今日のテーマは、何ですか?
 
今日は、「今更聞けない仏事の常識」についてお話ししたいと思います。
 
 
◆これは色々とありそうな気がしますね。ではよろしくお願いいたします。
 
はい。早速、質問です。
仏式のご葬儀でお寺様が来られるお式に、会葬者としてご参列されることがありますよね。そのご焼香の際、浄土真宗の式なら浄土真宗、曹洞宗の式なら曹洞宗のご焼香の作法に合わせるべきか、合わせなくても良いのか?どちらが正しいのでしょうか?
 
 
◆えっ!宗派によって焼香の作法が違うのですか?それは知りませんでした。
 
違うんです。
ズバリ答えは、必ずしも合わせる必要はない・・という事です。自分の宗派のやり方で行うのがよろしいかと思います。ただし、ある程度ご焼香の作法やマナーを知っておくことは非常に重要ですので簡単にご説明しておきますね。
 
 
◆お願いします。
 
浄土真宗では、焼香の際 お香をお頭(かしら)に頂かず、1回。真言宗と日蓮宗ではお香をお頭に頂き、3回行います。3回の意味は色々ありますが、行動・言葉・意思を清めるという意味や、三宝(さんぽう)・仏法僧に対する思いという意味であったり、【3】という数字をとても大切にするという意味ですね。その他の宗派はお香をお頭に頂きますが、回数に決まりがありません。ご葬儀に参列した時、様々なやり方がありますので、これも知っておけばその意味もわかるので親御さんは子供さんに良き見本としての振る舞いができることだと思います。
 
 
◆宗派によってお焼香の作法が違うんですね。
 
また、皆さんお数珠をお持ちですね。お数珠も宗派によって異なりますが、ご自分の宗派のお数珠をお持ちになることをおすすめします。もちろん、仏教の全宗派に対応しているお数珠もございますので、お近くのお仏壇店に行かれたら店員さんが親切に教えてくださる事だと思います。成人されたらご自分の宗派のお数珠と、どの宗派にも対応できるお数珠を両方お持ちになっておくとよいかもしれませんね。
 
 
◆数珠も宗派ごとに違うのですね!これも知りませんでした。
 
そうなんです。次の質問です。
先週、お伝えさせていただいた質問ランキング1位のお布施についてです。よくご家族のどなたかがお亡くなりになってお仏壇をお求めになりますよね。その際に初めてお仏壇に手を合わせていただくお寺様へのお布施ですが、そのお布施袋の色は何色でしょうか?①白黒、②白黄色、③紅白など色々ありますね。
 
 
◆全く分かりません。お布施袋の色がいろいろあることも知りませんでした。
 
答えは紅白です。
お仏壇はご家族がお亡くなりになられてから購入される方が多いのですが、本来、お仏壇の購入は家を新築した時に、一番最初に家に入っていただくのがご先祖様、そして次に我々人間という順序だったんです。もちろん今でも新築をされたときや、事業所を立てたときに最初に神棚を取り付けたりする風習もありますね。それと一緒で、お仏壇を購入することはご先祖様の自宅を新築されたという意味で、慶び事になり、紅白のノシで、そして蝋燭は赤の蝋燭で、さらに紅白餅をご用意されるのが良いこととされています。
 
 
◆家を新築したり、事業所を立てたときに最初に神棚を取り付けるということはよく聞きますが、仏壇も家を新築した時に購入するということは知りませんでした。また、赤色の蝋燭があるんですね。
 
はい。お身内で慶び事があった時、結納や結婚、お子さんが生まれたり、お孫さんが生まれたり、慶び事の際はお仏壇やお墓に赤い蝋燭でお祝いのご報告をされるのが良いかと思います。赤い蝋燭は必ずお仏壇店に置いてありますので各家庭に1箱はあると良いですね!
 
 
◆なるほど。慶び事があった際は、赤い蝋燭を仏壇やお墓に置いて、報告をすると良いのですね。
 
では最後になりますが、先週はお仏壇の飾り方、まつり方についてお供えものについてお話をしましたが、写真についてよく聞かれますのでお話をしたいと思います。「大切な人が亡くなりお仏壇の中に写真を置きたいのですが、置いても良いのですか?」と質問を頂くことが多いです。
 
 
◆これは良いじゃないですか?仏壇に写真が置いてあるのはよく見ますよ。
 
結論はダメなんです。
「大切な人のお写真なのに」というお気持ちは痛いほどわかるのですが、お仏壇は仏様の領域で、お写真をお仏壇の中に置いてしまうと、手を合わせる対象がお写真になってしまい仏様に手を合わせる事を忘れてしまいがちになるからなのです。そして一番置いてはいけない場所はお仏壇の上。ですから、お写真はお仏壇の手前か、横に置かれるのが良いと思います。
 
 
◆そうか!写真が置いてあるのは仏壇の手前なんですね。
 
この仏事はなかなか聞くに聞けない、聞くにも何を聞いていいか分からないのが本音だと思います。私達、葬儀や仏壇、お墓に携わる人間としては、普段なかなか聞けないことをお伝えするのが仕事だと思っております。お友達や周りの人に聞いてもなかなか宗派が違ったりして、間違った知識を持ってしまいます。最寄りのお仏壇店やお墓屋さんに、何も買わなくて良いんです。商品を見るだけ、顔を見るだけ、質問だけでも良いと思います。是非お店に立ち寄ってぶらぶらしてみていただけたらと思います。
 
 
◆そうですね。長い歴史があることですが、「家」のあり方や社会の変化などにより昔は常識だったことが、引き継がれていないことが多いですよね。しかし、知らないでは済まされないこともあるでしょうから、「お盆」のこの時期に出来るだけ仏事について知る努力はしたいと思います。また、家族で話すことも大切ですね。蕗社長、先週、今週と貴重なお話、ありがとうございました。
 
ありがとうございました。

お盆を前によくある質問・問い合わせ
2022/08/07放送
出演者
広仏コーポレーション株式会社 代表取締役社長 蕗(ふき) 裕一(ゆういち)朗(ろう) さん


◆間もなく「お盆」を迎えるということで、今週、来週は「仏事」について学んでいきたいと思います。「広仏コーポレーション」の広仏とは「ひろいほとけ」と書きまして、本社は岩国市、仏壇事業・墓石事業・霊園事業・葬祭事業と幅広く事業を行っていらっしゃる、まさに「仏事」の専門会社です。そして蕗社長のプロフィールを簡単にご紹介しましょう。岩国市ご出身で、大学ご卒業後、東京の建設会社に就職。29歳まで勤められた後、2006年に帰郷、「広仏岩国店」に入られました。墓石事業部、霊園事業部、葬祭事業部を立ち上げられ、2015年に代表取締役社長にご就任、現在に至るということですが、ご趣味の社交ダンスが本格的。現在も競技選手として、活躍中という方です。
 さて蕗さん、今日は「お盆を前によくある質問・問い合わせ」というテーマでお話しいただけるとのことです。ではよろしくお願いします。
 
はい。これからお盆を迎えるにあたり、仏壇店墓石店葬儀社を営む私達にもっとも寄せられるお問い合わせと質問をベストスリーにまとめてみました。
第3位は お提灯の出し方
第2位は お仏壇やお墓の飾り方、まつり方
第1位は お寺様へのお布施について     です。
 
 
◆なるほど。よく耳にすることではありますが、私はどれも分かりません。教えてください。
 
今日はお盆が近いので、お盆に関係のある第3位の「お提灯」からお話をしたいと思います。そんな中で、「提灯はいつから出せばよいのでしょうか?正式には何個出すのが正式でしょうか?」という声をよく耳にします。結論から言いますと、初盆の際は7月7日の七夕あたりから。翌年からは8月の上旬からがよろしいかと思います。
 
 
◆初盆以外のところは今まさに提灯を出す時期ですね。
 
はい。所説ありますが、お盆は8月の13日にご先祖様はキュウリに割りばしを挿して作った精霊馬(しょうりょううま)に乗って急いで戻っていただき、16日には茄子で作った精霊牛(しょうりょううし)でゆっくりあの世に戻っていただくことになりますが、ご葬儀を行った初盆(新盆)の時は、出来れば7月7日の七夕からお出しになるのが良いかと思います。その由来として諸説ありますが、人は亡くなってから49日かけてあちらの世界に到着されると申します。逆にこちらの世界に帰ってくるのも49日かかるというわけですね。ですから、8月13日の49日前となるとちょうど6月末から7月上旬にご先祖様はわが家を目指してあちら世界を出発されるわけです。ちょうどその時に日本には七夕という素敵な行事がありますので、七夕からと言われているそうです。
 
 
◆あの世とこの世は49日かかると言われているのですね。
また、よそ様のご自宅など、迷わないように、明るい提灯には家紋を入れるのはその為なのですね。ちなみに最近は住宅事情により提灯を1個しか飾らないご自宅もありますが、昔は提灯を一対ないしは、一対の提灯をたくさん飾っていました。一対を入れる意味は、ご先祖様はその提灯の真ん中を通って帰って
きたんですね。笑い話ですが、1個だと、右から通れば良いのか?左から通れば良いのか?または、間違って隣の家に行ってしまう可能性もありますね。ですから、出来れば提灯は一対の方がご先祖様も安心してお戻りになることが出来ますね(笑)
 
 
◆なるほど。「提灯」についてはよくわかりました。
 
次に第2位の「お仏壇やお墓の飾り方、まつり方」についてですが、ここで質問です。お仏壇やお墓にお供え物をしますね。その際にお供え物には置く位置と順序があります。お供え物の中で、今から言うお供え物で一番上と一番下を当ててみてください。①おまんじゅう②果物③御餅。いかがでしょうか。
 
 
◆お供え物に置く位置と順序があるんですか?全くわかりません。
 
正解は一番上は③御餅。一番下は②の果物です。ちなみに真ん中は①のおまんじゅうやお菓子です。何故でしょうか?お供え物には位があり、「一番位の高い御餅」は人間が母なる大地から頂き、手を加えたお米から作られたという意味で必ず一番上。次は人間が手を入れて作ったという意味でその次が、おまんじゅうやお菓子。最後に果物は自然のものとして一番下になります。人間が精魂込めて手を加えたお供え物が一番上という事になるんですね。お盆のお寺様や、ご親族が集まるお仏壇のお飾りはキチンと整えられるとお迎えされるのが良いですね。さらにはお子さんやお孫さんに是非お伝えしてあげてください。
 
 
◆この時期だからこそ、きちんと学びたいことですね。
 
最後によくある質問・お問い合わせ 第1位のお布施について。ご葬儀の際のお布施ですが金額に関してはここではなかなかお伝えするのは難しいので、一般的なお渡しの仕方についてワンポイントお伝えします。お布施袋の数ですが、葬儀の際のお布施袋は二つ。そしてその他お車代や、お膳料をいれますと合計四つお渡しになるとより丁寧かと思います。一般的に、仏式では人が亡くなった際、初めてのお勤めが、ご臨終勤行です。そして通夜、葬儀式となります。この3つをまとめて1枚のお布施袋でよいと思います。最近では初七日法要を葬儀の当日に行う場合があります。その際は別にもう一つのお布施袋をご用意するのが良いですね。通夜葬儀と、初七日法要は意味が全く違いますので別々のお布施としてお渡しするのが良いと思います。お通夜ご葬儀は事前に用意できるものではありませんので、事前に知識として頭の片隅に置いておくだけでも、いざという時に安心ですね。
 
 
◆お布施について、よく分かりました。
現代は情報化社会により10年20年前と比べると、時間の進むスピードが速くなっている気がします。また、コロナや社会情勢の様々な変化についていくことも大変な事です。私達、日本人はそんな時だからこそ、家族でお仏壇の前に座る静寂さ、お線香の香り、提灯の灯に目をやる事で感じることの出来る家族の大切さや、ご先祖様からの命を紡いでいることの奇跡を感じる時間を作ってみてはいかがでしょうか。きっと子供たち、家族の心の素敵な時間になる事だと思います。
 
◆時の流れとともに「お盆」の意味合いが薄れてきているような気がしますが、確かに家族が集まり、ご先祖様のことを偲びながら、自分が生きていることの意味や家族の絆を再認識することは大切なことですね。蕗さん。今日はありがとうございました。