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もしもに備える防災TIME

2022年06月

大雨警戒、5段階の警戒レベル

2022年6月21日(火)放送分

  • 大雨警戒、5段階の警戒レベル
  • 大雨警戒、5段階の警戒レベル

本日のテーマは「大雨警戒、5段階の警戒レベル」
『やまぐちの天気余報』P244~245をご参照ください。
 
災害の危険が迫るとき、気象庁や自治体などから、命や財産を守るための様々な情報が発表されます。2019年から、防災情報を整理して住民のとるべき行動を5段階のレベルに分けて明確に示した「大雨警戒レベル」の運用が行われています。
 
レベル1 「最新情報に留意」
すぐに何か起きるわけではありませんが、近日中(おおむね5日以内)にレベル3以上に上がる可能性があります。天気コーナーは心構えを高める話題をお伝えすることがあります。
 
レベル2 「避難方法の確認」
雨が降り出し、土砂災害の危険が高まり始めて、まず大雨注意報が出された段階です。今後の雨の状況に気を付けて、避難場所や経路などを確認しておきたいところです。
 
レベル3 「高齢者等は避難」
さらに危険が増し、大雨警報が出された段階です。自治体から「高齢者等避難」が出され、高齢者など避難行動に時間がかかる人は、早めの避難を始めるべき段階です。障がいがある人や乳幼児がいる家庭、川や崖の近くに住み、逃げるための猶予がない人も、避難行動を始めたい段階です。
 
レベル4 「すみやかに避難」
土砂災害の危険がかなり高まり「土砂災害警戒情報」が出るような段階で、自治体は「避難指示」の発表に踏み切ることがあります。危険な場所にいる全ての人が、速やかに安全な場所に避難することが求められる段階です。
 
レベル5 「命を守って!」
「大雨特別警報」に相当し、すでに災害が発生したり、安全な避難ができず命の危険が迫る段階です。建物の2階以上など少しでも危険から離れた場所で緊急的に命を守るための最善の行動をとってほしい、としています。
レベル5は、すでに手遅れ、という状況のおそれがあり、避難所に行くことが危険な状況になっている場合があります。自治体はもはや「避難所に来てください」と言えない段階で、個人個人で少しでも命が助かる可能性が高い行動を、自己判断で行う必要があります。
 
大事なのは「レベル4」までに避難完了の徹底です。わたしたち一人一人が主体的に、命を守る防災情報を受け止めて、行動に移していきましょう。

ハザードマップでイメージトレーニング!

2022年6月14日(火)放送分

  • ハザードマップでイメージトレーニング!
  • ハザードマップでイメージトレーニング!

本日のテーマは「ハザードマップでイメージトレーニング!」
『やまぐちの天気余報』P248~249をご参照ください。
 
防災行動を意識する上では欠かせないツールの1つが「ハザードマップ(防災マップ)」です。
土砂災害や洪水、地震や高潮など、自然災害が起きたときに、どのくらい危険なのかを想定した地図のことで、合わせて避難場所や避難経路などの情報もまとめられています。
住民の防災意識を高め、災害時に安全に避難することで人的被害を最小限にとどめることを目的に作成されています。
 
最近は「自分の住む地域の災害リスクを知りたい」という防災に関心を持つ人が増えたこともあり、ハザードマップに1度は目を通したことがある、というという人も多くなっています。ただ、防災への関心度は人によりまちまちで、やはり、中には「ハザードマップを見たことがない」という人もいます。基本的に各自治体が作成の上、各家庭に配布しているものですが、お手元にない方は、各地の役場に問い合わせたり、インターネットなどで確認しておきましょう。
 
ハザードマップには、大雨の時に、どこからどの範囲まで土砂崩れの被害が及ぶおそれがあるのか、川や池の近くでは大雨での氾濫、堤防決壊などでどのくらいの深さまで浸水のおそれがあるのか、など、災害が起きたときの災害の程度やエリアが、目に見える形で示されています。
平穏な天気の時は実感できないかもしれませんが、どれくらい自分の身の回りが危険な場所なのか、ハザードマップから想像してみましょう。
また、チェックする時には、自分の普段の生活パターンとも重ね合わせてみて下さい。一日の中では、自宅周辺のほか、学校や勤務先などで過ごす方も多いと思いますし、その場所を往復する道のりにも、災害発生時は危険な場所になっていたりしないでしょうか?災害時にどういう行動が最善の手段となるのか、考えるきっかけにして頂ければ、と思います。
また、いざ避難行動をするときに、自分だけでなく、近所の知り合いの人への声掛けなども想定しておくと良いでしょう。
 
日頃からの備えや知識をしっかり身に着けておくことが、いざというときの判断力に繋がります。ハザードマップは、平穏時のイメージトレーニングの手段として、最適なツールの1つです。
 
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防災余談「重ねるハザードマップ」
 
国土交通省は、全国の自然災害のリスクについてデータベースを整備し、自分の知りたい場所の災害リスクをインターネット上で一目で確認できる「ハザードマップポータルサイト」を提供しています。
ハザードマップは災害の種類ごとに分かれていますが、このサイトでは、例えば洪水のリスクと土砂災害のリスクを重ね合わせることができる「重ねるハザードマップ」を見ることができ、複数の災害から身を守る必要がある地域を一目で確認することができます。
なお、ハザードマップは、近年の災害を踏まえて見直しが進められている所もあります。以前チェックしたことがある、という方も、随時、改めて最新情報を確認しておくことをおすすめします。
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雨感覚を磨こう  

2022年6月7日(火)放送分

  • 雨感覚を磨こう  
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本日のテーマは「雨感覚を磨こう」
『やまぐちの天気余報』P246~247をご参照ください。
 
天気予報では、大雨が予想される時などに 「○○ミリの雨が降る予想」という情報が伝えられますが、その情報を生活に活かしていくためには、どんな雨でどんなことが起こるのか、イメージをしっかり把握しておくことが大切です。
 
ひと口に「雨」と言っても、いろいろな降り方があり、1時間1ミリ未満の雨は「小雨」、そして降り方が強まるにつれて「弱い雨」「本降り」「ザーザー降り」「土砂降り」とランクが上がっていきます。
小雨程度の雨なら折りたたみ傘でも十分しのげますが、水たまりができて大きめの傘が必要になるのは「弱い雨」から。
また、雨傘はザーザー降りの1 時間20ミリまでの雨までは耐えられる規格となっていますが、降り方が強まると、傘をさしてもズボンのすそなどが濡れることがあるため、私は「傘とともにタオルなどの準備を」 と呼びかけることもあります。
そして「土砂降り」になると傘が役に立たないだけでなく、車のワイパー最速でも前が見えづらくなり、車の運転が危険になってきます。
 
梅雨時の天気予報では、天気マークとともに、どんなコメントで雨の予想をお伝えしているのか耳を傾けて、上手に雨に対応して頂くとともに、普段から雨の降り方を観察しながら、雨の強さに応じた生活への影響を想像できるように、“雨感覚”を磨いて頂きたいと思います。
 
土砂降りよりもひどい降り方になると、災害発生の心配も出てきます。
1時間30ミリ以上の雨を「激しい雨」と呼び、これは大体、大雨注意報が出る目安。道路が川のようになることがある雨で、土砂災害の危険が高まり、特に崖の近くなどの危険地帯では、避難の準備なども必要になってきます。
1時間50ミリ以上の雨で「非常に激しい雨」と呼ばれ、これは大体、大雨警報クラス。雨が滝のように降り、土石流発生の危険も高まってきます。
さらに1時間80ミリ以上の雨で「猛烈な雨」。息苦しさを感じるほどの圧迫感のある雨で、大規模な災害のおそれがある、非常に危険な雨の降り方です。
 
「激しい」「非常に激しい」「猛烈な」…
このいずれかのキーワードを耳にしたら、災害の危険が迫っているかも、と意識して、緊張感を持った対応を!
 
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防災余談「降り始めからの雨量にも注目を」
 
土砂災害や土石流などは、短時間の激しい雨のほか、長時間降り続く雨によっても発生危険度が高くなってきます。地盤の固さや地形などにより、地域差はありますが、山口県内では大体、降り始めから200ミリ超で至る所で災害が起き始め、300ミリ超で大規模な災害の危険が高まってきます。
天気予報では、雨量予想では、1時間最大雨量とともに24時間で降る雨量の見通しも伝えられます。今後の雨次第で、どれくらい災害の危険度が迫るのか、降り始めからの雨量と合わせて、危険度の把握に役立てて下さい。