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「新米」季節到来も値段にため息… 9月も値上げラッシュ【徳島】(徳島県)



物価高が止まりません。

9月に入り、1422品目の値上げも発表されています。

そして、気になるのは日本人の主食「米」の値段。

流通が始まった、新米の現状を取材しました。

■家計直撃の物価高

(女性・40代)
「スーパー行っても、同じ商品なのに全てが高くなっていて」
「前の感覚でいると、今までは買えてたものが買えなくなった」

(男性・60代)
「困ります、年金暮らしには痛い、年金上がらないのに」

値上げの秋。

消費者からは悲鳴が。

なかでも多く聞かれたのが。

■気になるコメの値段

(男性・60代)
「米、他の麺類になっている」

(男性・70代)
「売る方は高く売りたい、買う方は安く買いたい」
「消費者もこれなら買える値段まで、きっちりするのは政治の責任」

■まだまだ高値で推移

新米が出始めている今。

スーパーで販売されたコメの平均価格は、8月24日までの1週間で5キロあたり3776円。

前の週に比べて28円安く、3週ぶりに値下がりしたものの、まだまだ高値で推移しています。

■新米収穫に追われるコメ農家は?

徳島市で、コメ農家を営む冨浦良治さんです。

今はまさに稲刈りのシーズン、9月1日も新米の収穫作業に追われていました。

(米農家・冨浦良治さん(71))
「豊作です、品質・量とも最高です」
「粒も大きいし、色もきれい、透明度も高い、美味しそうなお米になった」
「梅雨が短かったのと、高温障害は多少はあったが(全体的に)天候に恵まれた」

生育は最高だと言う、2025年の新米。

農水省のデータによれば、国内のコメの生産コストは60キロあたり1万5000円です。

一方で2025年、JA徳島県は農家から米を買い取る概算金を、30キロ当たり1万5000円と定めました。

2024年より6割も高くなりましたが、それでも原価率は約5割。

生活していくのに、決して楽な数字ではありません。

(米農家・冨浦良治さん(71))
「若者が(稲作で)暮らしていかないと、従事しようと思わない、どんどん辞めている、本当に心配」
「永遠に続けられる産業として残していかないと、食料安全保障上でも大きな問題」
「米作りが絶えてしまうことがないように、続けていける施策を講じてほしい」

■米穀店の胸の内は?

(関山米穀店・関山隆大さん)※2025年5月
「8月に徳島は新米が穫れるが、それまで店頭が持つかどうか」

徳島市佐古一番町で、米穀店を営む関山隆大さん。

2024年5月には売る米が手に入らず、苦しい胸の内を話していました。

新米が入った今の状況は?

(記者)
「今年は米袋、たくさん入ってますね」

(関山米穀店・関山隆大さん)
「一時期、米が無い無いと言っていた中、これだけ新米の時期に入ったので、ホッとしている」
「価格自体は去年の新米に比べ、1.5倍ぐらいの高値」
「去年の今の時期は5キロ3200程度、今年は4000円以上」
「農家にとって良いが、ちょっと消費者がどう思うか」

銘柄米に限って言えば、全国の平均価格は3週連続で上昇していて、依然4200円台の高止まりの状況が続いています。

JAの買取価格が、上がったためです。

(関山米穀店・関山隆大さん)
「去年のような状況だと、どこも取り合いになって、それで市場が混乱した経緯がある」
「今年は、JAも最低限の概算金1万5000円が確約されているので、一般流通も自然と値段が上がる背景がある」
「今が一番高い可能性もあるし、これからまだ上がる可能性も」
「全国の米の状況によってはある、そこはまだはっきり言えない」

透明度が高く、出来が良い2025年の新米。

その見た目に反して、値段の方は見通しがきかない状況が続きそうです。

米は食卓に欠かせない主食。

消費者、農家、販売店それぞれが納得できる、安定した値段になることを望みます。

■9月は値上げラッシュ

このほか、9月になって値上げした品目をまとめました。

帝国データバンクによりますと、9月は1422品目が値上がりしました。

お料理に欠かせない食用油は、原料コストの高止まりなどから、大手各社が11%から20%以上の値上げです。

調味料ではキューピーのマヨネーズが450gで30円程度の値上げ、そのほか、ドレッシングなど計118品目も値上がりしました。

残暑続く中、アイスも原材料費の高騰などから、大手のロッテや明治、森永乳業が平均で10円ほど値上げしました。

コメの供給不足などの影響で、冷凍食品も、大手各社がおにぎりなど、米を使った製品などを5%から12%値上げしています。

消費者にとっては、財布に厳しい秋となりそうです。

(09/02 18:45 四国放送)

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