■神山でAIRはじまる アーティスト3人の作品を散策【徳島】(徳島県)
芸術の秋、2025年も神山町で国内外から招いた芸術家に、町に滞在して作品を制作してもらう「神山アーティストインレジデンス」が始まりました。
2025年はどんな作品に出合えるのでしょうか。
さっそくカメラが現地を訪ねました。
1999年に始まった「神山アーティストインレジデンス」。
2025年は国内外で活躍する3人のアーティストが、2か月ほど町に滞在し、アート作品を制作。
その作品が今、町内で展示されています。
オーストラリア出身のシャーリー・チョウさんは、廃校になった旧左右内小学校を舞台に、神山の自然や人・時間の痕跡を表現しました。
校舎の入り口に入って最初に目についたのは。
(記者)
「すごく色がきれいですが、どんな作品ですか?」
(シャーリー・チョウさん)
「これは、神山に滞在する中で印象に残った自然の色です」
「普段はこんなにたくさんの色を作品で使用しないのですが、神山の自然に強い印象を受けました」
「ほかの人に、神山の色を共有したいと思って」
メインの展示は図書室。
校舎に残された本なども作品の一部です。
幼いころの記憶と、神山での思い出を空間的に表現しています。
黒板の上に掲げられた銀色の板は、時間が経つと変化する素材を使い、時の流れを表しています。
(シャーリー・チョウさん)
「神山での創作活動は大きな影響を与えてくれて、とても貴重なものになりました」
次に訪れたのは町の古い劇場、寄井座です。
(記者)
「よろしくお願いします」
(金子未弥さん)
「お願いします」
神奈川県出身の金子未弥さんです。
鮎喰川や道端で地元の人たちにひとつずつ石を拾ってきてもらい、それらを異なる角度から見て描きました。
(金子未弥さん)
「真ん中の石、一番大きいのが、手に持っているものなのですが、これが一つと」
「一番端の横になっているもの、同じ物をモチーフにして描いています。」
ひとつの石を異なる視点から描くことで、現実には同時に見えないものを見えるようにした架空の世界です。
椅子に座ったり、舞台の段差を利用したりすることで、作品を違った角度から見ることができます。
(金子未弥さん)
「神山の青石という有名な石がある時期に、たくさん盗まれてしまったいうのを資料で目にして」
「(盗まれた)神山にあった石で作られた石庭が、どこかにあるのではないかと想像した」
「実際存在しないっていうことが、石を通じてどういうことなのかとか」
「実際にある物を見るだけじゃなくて、背景にある目に見えないものを想像する時間になれば」
(記者)
「大粟山に登ってきました。わ、大きい!作品の名前はカマキリって書いてあります」
オランダ出身のイデ・レックマンさんです。
長さ4メートルに及ぶ神山の竹を組み合わせ、六つの八面体を作り上げた幾何学的作品、テーマは自然の対称性です。
(記者)
「作品に近づいてみると、竹が重なっていろんな形が見えて面白いです」
(イデ・レックマンさん)
「神山での最初の夜にカマキリと出会ったんです」
「家の茂みに住み着いたので、絆を感じて、彫刻の接合部分の色を決める時にも参考にしたんです」
作品を繋げる中央の接合部分はオレンジ色。
カマキリのお腹の部分と、創作の際に使用したクレーン車の色から着想を得ました。
(イデ・レックマンさん)
「作品そのものに人が惹かれて、周りを歩いてくれると嬉しいし、近くの木々や場の雰囲気も楽しんでもらえたら」
(記者)
「神山アーティストインレジデンス2025は、11月3日まで楽しむことができます」
(10/28 18:10 四国放送)
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