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「藍を継ぐ海」で直木賞 伊与原新さんが制作秘話など語る【徳島】(徳島県)



徳島の海辺の町を舞台にした小説「藍を継ぐ海」で直木賞を受賞した、作家の伊与原新さんの講演会が4月13日、阿南市で開かれました。

作品を通して伊与原さんが伝えたかったこととは、一体何だったのか?話を聞きました。

(伊与原 新さん)
「いろんな地方の皆さんから応援頂いていますが、その筆頭が徳島なんですね」
「タイトルも藍を継ぐ海にしたから良かったのかな」
「藍っていうこのタイトルが、まさに徳島のためにあるようなタイトルですね」

短編集「藍を継ぐ海」で、第172回直木賞を受賞した作家の伊与原新さんは、大阪府出身の52歳。

祖父は旧宍喰町の出身です。

表題作「藍を継ぐ海」は、県南の海辺の町を舞台に、ウミガメの卵をふ化させ自力で育てようとする女の子の物語です。

(伊与原 新さん)
「小説の舞台をいろいろ考えていた時に、ウミガメが減っているというところを何とかドラマにしたいなと」
「日和佐なんかも非常にウミガメの町として有名でしたが、その日和佐ですら少なくなっている」

講演会では、県南を題材にした理由や制作秘話が語られ、県内外から訪れた約500人が耳を傾けました。

(伊与原 新さん)
「(講演会に)驚くほど大勢の方が来ていただいて、やっぱり地元の方に本当に喜んでいただいたんだなと(感じた)」

今回の執筆のために、実際に蒲生田岬などを訪れたという伊与原さん。

そこで見た風景が、本の表紙として表現されています。

(伊与原 新さん)
「徳島らしいポケットビーチが望める岬ですし、あそこから見る徳島の海ってとても綺麗だったんですね」
「すごく印象に残ったので、僕の中では小説の舞台としてはここしか無いなと」
「その一方でやっぱり、なかなか観光客の姿が無かったりですとか、もったいないなと」
「もっと多くの人に知って欲しいなと思いました」

「藍を継ぐ海」は、徳島以外にも4つの地域を舞台にした作品が掲載された短編集です。

伊与原さんがこの本を通して伝えたいこととは?

(伊与原 新さん)
「日本は小さな島国だって言いますけど、そんなことはなくて」
「歴史でも文化でも習慣でも、ちょっと掘ってやるだけで新たな発見があるなと」
「あの小説を読んでですね、その場所に行ってみたいと思っていただけたり」
「その土地のことをちょっと勉強してから行こうかなと、思っていただけたりしたら」
「そうでしょ!と、僕としてはそんな気持ちになります」

(04/14 18:42 四国放送)

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