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高校生がリチウムイオンバッテリーづくり 人材育成に向け県が企画【徳島】(徳島県)



県は、バッテリー関連事業を県産業の新たな柱とする「徳島バッテリーバレイ構想」を進めています。

未来に向けた構想の一環として、8月25日、富岡西高校の生徒が大阪で、リチウムイオンバッテリーづくりを体験しました。

リチウムイオンバッテリーづくりの体験をしたのは、富岡西高校・理数科の1年生30人です。

リチウムイオンバッテリーは、スマートフォンや自動車など、多くの身近な製品に使われ、今や私たちの生活に欠かせないものです。

県は、バッテリー関連事業を県産業の新たな柱に育てるため、2024年「徳島バッテリーバレイ構想」として打ち出しました。

県ではこの構想の一環として、将来を担う人材育成のため実習を企画しました。

実習が行なわれたのは、大阪府池田市にある、国の研究機関・ 産業技術総合研究所です。

ここでは、最先端の電池技術などが研究開発されています。

(産業技術総合研究所)
「アルコールを上から2〜3回、霧吹きでガラス面を濡らして下さい。縦をまずはじめにやってすぐに取る」

実習では、リチウムイオンバッテリーの基礎を学ぶため、一からバッテリーを制作します。

まずは、電極スラリーと呼ばれる、リチウムイオン電池などの電極を製造する際に用いられるペースト状の材料を、銅箔に塗って負極活物質を作ります。

(産業技術総合研究所)
「抑えながら引いていく、途中で止めないで」

リチウムイオンバッテリーは、電解液に浸されたプラスの電極とマイナスの電極の間をリチウムイオンが移動することで、電気エネルギーを貯めたり使ったりする仕組みです。

細かい作業に苦労しながらも、プラスとマイナスの電極材を組み込んだ電池パックが出来上がりました。

このあとは、電池パックに電解液を注入する過程です。

注入は液体が体に触れることのないよう、グローブボックスの中で行います。

慣れない機器を使っての作業に、悪戦苦闘。

こうして電解液を注入した電池パックを、50分ほど充電します。

高校生が作ったリチウムイオンバッテリー、問題なく使えるのでしょうか。

(参加した高校生)
「あ!鳴った」

(産業技術総合研究所)
「はいOK」

(参加した高校生)
「構造とかいろいろ学んで、おもしろいなと思って興味が出ました」

(参加した高校生)
「地球温暖化(対策)にもつながるものであって」
「より環境に優しいものを作れるように、貢献していけたらいいなと思いました」

(参加した高校生)
「本格的な構造とかを知れて、良い機会になったと思います」

(参加した高校生)
「科学的なものを作ることに携わるのには、少し興味があるので」
「電池づくりにも、携わってみたいなとは思います」

(県企業支援課 新産業立地室・湯浅朱梨 主事)
「こうした実習、座学、材育成の取り組みを行うことによって」
「蓄電池の関連産業への興味を育てていきたい」
「将来の選択肢の一つとして、考えていただければと思います」

県のこうした地方創生への取り組みが、将来の徳島、そして日本の蓄電池産業のさらなる可能性に繋がっていくかもしれません。

(08/27 18:15 四国放送)

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