■「労使で結論出ず」どうなる県内の最低賃金 現状と課題を記者解説【徳島】(徳島県)
(小玉アナウンサー)
「最低賃金の改定額について、ここからは県政担当の、浦川記者とお伝えします」
「まだ結論は出ていませんが、県内の最低賃金が初めて1000円を超える見通しとなっていますね」
「まずは、改めて最低賃金とはどのような制度でしょうか」
■「最低賃金制度」とは
(浦川記者)
「最低賃金制度は、法律に基づき、国が賃金の最低額を定める制度です」
「使用者は、その金額以上の賃金を労働者に支払わなければいけません」
「守られない場合は罰則などもあります」
(小玉アナウンサー)
「手続きは、どのようになっていますか」
■「最低賃金」決定までの流れ
(記者)
「まず、厚生労働大臣の諮問機関『中央最低賃金審議会』が、毎年引き上げ額の目安を示します」
「その後、都道府県の労働局が設置する地方最低賃金審議会が、地域の実情・現状を踏まえ審議を行い決定します」
(小玉アナウンサー)
「徳島県は2024年、国の目安を大きく上回る大幅アップで注目を集めましたよね」
■全国1位「84円」の引き上げ
(記者)
「2024年は、後藤田知事が地方審議会で県知事として初めて意見陳述するなどし、賃上げへの協力を求めました」
「その結果、全国1位の84円の引き上げを実現」
「国の目安を34円も上回る上げ幅は注目を集め、「徳島ショック」とも呼ばれました」
(小玉アナウンサー)
「今年はどうなっているんでしょうか」
■2025年の最低賃金は?
(記者)
「国の審議会は8月4日、改定額の目安を63円引上げると示し、時給の全国平均を1118円としていました」
「引き上げ額、時給とも過去最高です」
(記者)
「これを受け県内では、21日から議論が本格化」
「改定額を議論する専門部会がこれまでに3度開かれてましたが、労働者側と使用者側の希望する引き上げ額にまだ開きがあり」
「結論は29日も持ち越しとなりました」
(小玉アナウンサー)
「結論は持ち越しとなりましたが」
「現在の提示額通りになれば、県内の最低賃金は、初の1000円越えとなる見通しですね」
「県内の審議会では、どんな意見が出ているんでしょうか」
■労使双方の意見は?
(浦川記者)
「まず労働者側は、コメの価格をはじめとする物価高への対応や」
「兵庫・大阪など近隣の都市部に人材が流出しない、最低賃金を目指したいと訴えています」
(浦川記者)
「一方、使用者側は急激な引き上げは、雇用の維持や事業継続に大きなリスクがあるなどと主張し、慎重な審議を求めています」
(小玉アナウンサー)
「使用者側の事情は深刻ですが、日本の賃金の伸び悩みは、世界の主要国と比べても課題となっていますね」
■政府は「1500円」目標
(浦川記者)
「政府は2020年代に、全国平均を1500円にする目標を掲げています」
「石破首相は『国の目安を超えて引き上げた場合は、重点支援を講じる』と表明しており」
「今後、県などが事業者を支援できるような、交付金の拡充も想定されるところです」
(後藤田知事)
「中小企業の経営に対しては、引き続き様々な支援も考えて参りたい」
「人口が3割減る中で、相当、人材獲得競争は激化する」
「県の置かれている地理的条件、淡路島、関西とこれ以上差をつけられてはいけない」
「こういうことも含めて、最終盤の審議をしっかりとお願いしたい」
■どうなる最低賃金
(浦川記者)
「賃上げの流れを地域経済の好循環につなげていけるのか、今回の結果も含め今後も取材を続けます」
(小玉アナウンサー)
「ここまで浦川記者とお伝えしました」
(08/29 18:45 四国放送)
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